【P探】プレスリリースを通して世相を探っているような気がする「プレスリリース探訪(略称:P探)」です。

「ビビビ」っときましたね。
「『ビビビ』って何それ? 『ゲゲゲ』なら知ってるけど」という方も多いでしょうが、それはさておき。ハッとしてグーときた、ともいうか…。
市川崑監督版の金田一耕助シリーズの映画に出てくる等々力警部みたいに「よし、わかった!」とパンっと手を打って
「プレスリリースに一目惚れすることもあるということだ!」と自信満々に叫びそうなったのが、このプレスリリースです↓

5月29日発売の『FRaU JAXURY MOOK』のカバーを飾るのは、国民的存在として、唯一無二の輝きを放つ綾瀬はるかさん! ここだけの特別動画も公開

パッと“狙い撃ち”された気分です。
「それやったら『ビビビ』じゃなくて『ウララ』になるやん!!」って………突っ込んだ方は1970(昭和45)年の大阪万博をリアルにご存じじゃないですか?

東海道新幹線の開通(1964年)前から昭和を生きてきた世代にしかわからなさそうな擬音というか、オノマトペを思わず連発してしまいました、オヨヨ。

だって「昭和100年」だもの。

シェーっ!
すみません、もうしません。

とにかく、ちょっと興奮してるかも。

ゴチャゴチャ言ってないで、とにかく、手っ取り早く、その「一目惚れ」したプレスリリースの本文のほぼ全部をコピペしますね。

5月29日発売の『FRaU JAXURY MOOK』イメージ

日本が誇るラグジュアリー=JAXURY(ジャクシュアリー)を特集した『FRaU JAXURY MOOK』のカバーを飾るのは、6月スタートのNHK土曜ドラマ『ひとりでしにたい』で主演を務める綾瀬はるかさん。

国民的存在として、唯一無二の輝きを放つ綾瀬さんは、「日常のラグジュアリー いまここ、日本から」がテーマ号でのイメージそのもの。

綾瀬さんが現れたとたん、なんだか空気が、柔らかくキレイになったような……。担当のマネージャーの方に、ふとその感想をもらすと「そうなんです。ずっと空気清浄機と一緒にいるような気分で(笑)癒されてます」との言葉が。なんと、忙しい現場で、ずっと一緒のスタッフの方もそう感じるとは。明るい声、表情での衣装合わせも、あくまで穏やか。そのせいか、関係者一同、なごやかに準備が進行。

この日の撮影は、名残りの桜が見える自然光スタジオ。それを見つめる綾瀬さんは、「わあ……」と花びらが散るかのような小さな声で、ときに静けさもたたえた美しさも。皆、言葉にせずとも、豊かで心地よい、贅沢な気持ちを分かち合っていました。

表紙となったドレス姿の撮影では、ロボットのような動きをしてみせて皆を爆笑させたかと思うと、別の瞬間には、全員の息が止まるような、切ない表情に。インタビューでは、飾らず、てらわず、心が柔らかく、そして強くなるような言葉があふれます。綾瀬さんを多くの人々が愛する理由を、日本から輝く「ラグジュアリー」=「心地よさ」とは何かを、ぜひこの号でご覧ください。

このリリースに、綾瀬さんの撮影風景の動画がリンクされていて、パソコンやスマホからだと、そのまま視聴できます。

もともとプレスリリースというのは「広報資料」。
新聞やテレビ、雑誌などが配布の対象で、その受け手であるマスメディア側が補足取材などをして、それぞれのスタイルに合わせて発信して「大衆」に拡散するための手段でした。

でも、ご覧になったように、このプレスリリースは加工しないでも大丈夫というか、手を加えないほうがいい。

ネット環境が進化、その送り手と受け手の垣根も曖昧になってくるなかで、企業や団体だけでなく個人も既存のメディアを介さずに直接、情報を広く発信できる時代。
情報はプレスリリースの発信元から世の中の人々に直接、届けられる。
誰でも自分が「情報ソース」兼「メディア」になれるわけです。

送り手側からすれば、流しソーメンみたいな感じ?
受け手は、北海道でクマが川で獲ったサケにかぶりつけるイメージかな。
ネタがよければ、採れたてをナマで食べたほうがおいしいのと同じなんでしょうね。自信ないけど。

今回は“素材”の主役が綾瀬はるかさんです。
もちろん、その存在感が“そのままのほうがおいしい”みたいな感じに大きく貢献しているのは確か。
とはいえ、そこを差し引いても、このプレスリリースはマスメディアに媒介されたり、加工されたりせずとも成立するコンテンツとしての完成度が高いのも一目瞭然。

このプレスリリースは発信元が「講談社」。
つまり出版メディアなので完成度が高いのは当然なのですが、プレスリリースというスタイルで、明らかにマスメディアではない、いわゆる一般の人々に訴求する中身にしていることが興味深い。

先述のような背景もあって、そのような狙いで発信されているプレスリリースは多いのも事実。
誰だって、考えますもん。
でも、なかなか難しい。単純にバズればいいってものではないですからね。
だから、いろいろと試行錯誤されているなかで、ひとつの正解が出たような気もします。※個人の見解です

いずれにせよ、情報の流通経路の多様化で、この20年くらいで、既存のマスメディアの影響力がかなり小さくなり、その傾向が今後さらに進んでいくのはまぎれもない現実。
「◯◯新聞に掲載され、△△テレビで放送されたから効果を広告費に換算するとウン千万円です」みたいな思考は、かなり前から時代遅れですし、もともと、僕は個人的には昔から「意味わからんわ」と感じてました。

で、それはさておき。
リリースで紹介されている綾瀬さんのマネージャーさんの「そうなんです。ずっと空気清浄機と一緒にいるような気分で(笑)癒されてます」という言葉も文字の色を変えたくなるほど腑に落ちすぎます。

綾瀬はるかさんを表現するコピーとしても、ここまで秀逸なものはなかった……………かな、知らんけど。

『FRaU JAXURY MOOK』、欲しくなりますよね。
「日常のラグジュアリー   いまここ、日本から」っていわれてもイマイチ、ピンと来てないですけど、予約してしまいましたもん。
清浄な空気に飢えているのかもしれません。

FRaU JAXURY MOOK

手元に届いてすぐの私物「FRaU JAXURY MOOK」です

その綾瀬はるかさん。
昨年(2024年)7月24日配信のプレスリリースで、神戸市立博物館での開催が広報されていた「大ゴッホ展」の音声ガイドナビゲーターをつとめることに決まり今月(2025年5月)28日に発表されています↓

さらに、綾瀬さん、ここで紹介しているプレスリリースの文中にもあるように6月スタートのNHK土曜ドラマ「ひとりでしにたい」で主演します。

ちなみに、このドラマの劇伴音楽を「パスカルズ」が担当することも発表されています↓

「アコースティックオーケストラ的なグループとして、独自なサウンドを築く」(パスカルズ公式ウェブサイトより)というパスカルズには、バンド「たま」のメンバーだった石川浩司さんも参加。

石川さんは“紙時代”の「花形文化通信」に「ジュースの缶蒐集家」として登場↓

ウェブマガジンになってからの「きょうのコマまわし」にも出演いただいています↓


けっこう景気よくコマが回ってますね。

そんな縁もあって(と、かなり強引ですけど)ドラマ「ひとりでしにたい」の放送が始まる6月21日が楽しみでしかたありません。

ところで、帝国データバンクによる景気動向調査によると「企業からの声」はこんな様子↓

「トランプ関税」への懸念、景況感の押し下げ鮮明に 景気に対する企業のコメント、「トランプ関税」の出現率は3カ月で10ポイント超の上昇

プレスリリースによると…

「高騰」、「価格」、「関税」、「トランプ」などのワードが頻出した。これらのワードを含むコメントからは、企業の警戒感や不安感が読み取れる

…と、明るい感じがする「余裕」とか「安心」といった言葉とは真逆の対義語が並びますが、もちろん違和感はありません。

プレスリリースより

重いムードが絡みついて離れない情勢を反映しています。

この淀(よど)んだ空気感、なんとかならないですかね。

そんな次第ですから、綾瀬はるかさんの新しいドラマの視聴中はテレビが空気清浄機の役割を果たしてくれそうな希望を抱いてしまうわけですよ。
政治家には期待するより、まだ神頼みのほうが何とかなりそうな気さえしますもん。
ガチョーン!
いや、ガビーンかな。(岡崎秀俊)