嶽本野ばらさんから、新刊書が送られてきました。違うな、嶽本野ばらさんが、新刊書を贈ってくださいました。

嶽本野ばら 著 / 松田行正+杉本聖士 装幀『ロリータ・ファッション』国書刊行会, 2024年4月12日発行

会社の住所が変わったのをこちらからちゃんと伝えていなかったので、少し遅くなりましたが届きました。ありがとうございます。

この本は、この『花形文化通信web』に嶽本さんが連載していた「帰ってきたそれいぬ」(2019年4月4日―2023年1月26日)のエッセイと、連載が始まるきっかけとなった1本の展覧会評がベースとなっています。だいたい毎回2000文字ほどで、50本くらいなので、そんなに嵩はないだろうと思っていたら、驚きました。ページ数は352頁、厚みは4センチに少し足りないくらい。加筆や書き下ろしの章もありますが、それにしてもぶ厚い。そして美しい。

カバーはレース模様。こんな包装紙ある?ないよね?これ、レース柄が印刷されている?と嶽本さんのポストを見たら、「カバーはレース模様を美しく定着させる為、様々な方法を用い7度テスト校を出したそう」と書いてありました。刷ってるんだ。

そして表紙をめくると、見返しの遊び紙が3枚。重ね衿みたい。ふわっと扉が開きます。あら、糸綴じです。コデックス装か。カバーを外すと、表紙はチェック柄です。そして、小口は、リボン。裏表紙の方の見返しは、遊びの色が表紙とは変えてあります。洋服についての本だけに、お洋服のようになっているのか。なんと可愛い。

可愛いと思ったら、帯にはこうありました。「可愛いに命を捧げます」。そして「オメーラとは背負ったフリルの数が違うんだよ」。なぜか頭の中で、その言葉が菅原文太の声で聞こえてきました。そして藤圭子の「命預けます」が流れます。ともかく渾身の一冊です。

webに書いた原稿から、「書籍用に改訂するのにものすごく時間が掛かりました」と嶽本さんが言っていました。索引も付いていて、それだけでもたいへんだったでしょう。そして、こんなことも言っていました。ロリータ作家、人生の総まとめが出来てありがたい」と。

帯にはまた「ロリータの永遠のバイブル」とあります。バイブルはやはり書物でないとね。ぜひ、お手にとってご覧になってください。

えっ、なんと、早々に重版決定!のニュース。この装丁では二刷が出るまで時間がかかりそう。見つけたら即買い、見つからなければご予約を。定価は 3,740円 (本体価格3,400円)。

by 塚村真美

詳しくは国書刊行会のサイトへ

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