【P探】プレスリリースを通して世相を探っているような気がする「プレスリリース探訪(略称:P探)」です。

突然ですが、誰かが書いたり話したりして、何の疑いもなく当のご本人が納得していることに「ちょっと待って!」って異議をはさみたくなることってありませんか?

「もうそんなこと日常茶飯事やで」とか、
「いや、私はそんなことはほとんどないです」とか、
「それって揚げ足を取ってるだけじゃあ」とか…。
いろいろな意見があるでしょうけど、まぁ普通に考えて、そういうことってありますよね。

この見解への「ちょっと待って!」という声はスルーすることにして…。

なんでこんなことを書き出したかというと、それは、この(↓)プレスリリースを読んだからです。

【イマドキ高校生の最新!修学旅行調査】 Z世代が修学旅行で訪れたい地域&案内人になってほしい芸能人TOP10!今月のネクストトレンド「遠近法ハート」とは…?

「遠近法ハート」が気になる方も多いでしょうけど、それはリンク先で確認していただくことにして…。
僕の「ちょっと待って!」に火をつけた部分を理解していただくために順を追って、このプレスリリースを紹介しますね。

イマドキ高校生の最新!修学旅行調査イメージ

高校生男女にアンケートを実施して最新トレンド情報などを解説、提供している「渋谷トレンドリサーチ」という調査があって、修学旅行をテーマにして100人にウェブアンケートをしたところ「修学旅行で訪れたい地域は?」の項目で…。

1位 大阪府
2位 沖縄県
3位 北海道
4位 京都府
5位 千葉県
6位 福岡県
7位 長崎県
8位 高知県
8位 奈良県
8位 広島県
8位 和歌山県

…という結果となりました。

まず、僕が反応したのはここです。
ここっていうのは、どこかというと、
「8位 和歌山県」という部分。

実は僕は和歌山出身で、生まれてから大学に入るまでの約18年間、暮らしていました。
いわゆる「故郷」というやつで、それなりに和歌山には思い入れがあるわけですね。
だから素直にうれしかったです。
しかし、一方で「えっ?」と疑問も感じたわけです。
「和歌山に高校生が行きたいと思うところって?」
それも修学旅行で?
申し訳ないけど、
和歌山と修学旅行のイメージが重なりません。
でも考えに考えて…。
まず、思い浮かんだのがパンダ。
アドベンチャーワールド(白浜町)では今年2月に3頭のジャイアントパンダが中国に“帰国”したものの、まだ4頭が暮らしていて、地元に貢献しています→(5年連続!ジャイアントパンダが交通安全啓発活動に協力 「楓浜(ふうひん)」が2年連続「交通安全和歌山夢大使」に就任いたします!)。

昨年度のわかやま夏の全国交通安全運転広報活動の様子=2022年7月11日

昨年度のわかやま夏の全国交通安全運転広報活動の様子=2022年7月11日

でも、パンダなら東京や神戸にもいますよね。

じゃぁ、世界遺産でもある「熊野」とか「高野山」?
ちょっと渋すぎるような。

あとは、アニメ「天空の城ラピュタ」の世界観を体験できるともいわれる「友ヶ島」?
ちょっとインパクトに欠けるし、マニアックな気が…。

プレスリリースを読んでも、この結果についての分析はなく、なんで和歌山が8位なのか、それがよくわかりません。

でも、それはいいです。
だってベスト8です。
高校野球なら、あとひとつ勝てば準決勝進出。
3年生にとっては最後の夏だけど、来年は頑張ります、先輩というポジションですから。

問題はこの次の質問、
「修学旅行で実際に訪れる地域は?」ですよ。
結果は…。

1位 沖縄県
2位 大阪府
3位 広島県
4位 京都府
5位 長崎県
5位 奈良県
5位 北海道
8位 兵庫県
9位 千葉県
10位 愛知県
10位 福岡県

そう、和歌山が入ってません。
なのに、その解説が…。

「沖縄県」が1位を獲得。平和祈念公園や首里城などを巡り、平和学習を行う学校が多いようです。
2位の「大阪府」は、「京都府」や「奈良県」と併せて組まれているようで、1日目に神社仏閣を巡る歴史学習を行い、2日目に高校生からの支持が高いユニバーサル・スタジオ・ジャパンへ訪れていました。全体として、高校生が修学旅行で訪れたいと思う地域と実際に訪れる地域に大きな差異はないようでした。

ここで満を持して「ちょっと待って!」の登場です。

「高校生が修学旅行で訪れたいと思う地域と実際に訪れる地域に大きな差異は無いようでした」って妙にすんなりと書いていますけど…。
「和歌山が入ってないのは誤差の範囲なの?」って詰め寄りたい気分になったわけです。

誰か、教えてください。
そもそも生徒が「行きたい」って言ってるけど、実際にはあんまり行ってないわけで…。
でも、そんな気はしてましたよ、はい、和歌山出身者としては…。

で、それはさておき、和歌山といえば、こんなプレスリリースもみつけました。

中山優馬×柴田理恵×風間杜夫×白石加代子 身代金は百億円!?『大誘拐』~四人で大スペクタクル~上演決定!!

本作の原作『大誘拐』は、天藤真が 1978 年に発表した推理小説。第32回日本推理作家協会賞受賞、82歳の小柄な老婆が国家権力とマスコミを手玉に取り百億円を略取した痛快な大事件を描いた作品

「『大誘拐』四人で大スペクタクル」イメージ1991年に岡本喜八監督・脚本で『大誘拐 RAINBOW KIDS』として映画化されました。

この作品の舞台が和歌山なんです。

自分の故郷であることは関係なく、この映画は僕が好きな邦画のベスト5に入ります。

それが舞台化されて東京をはじめ、宮城、愛知、島根、山口など13都府県で公演が行われます。
ただ、和歌山での公演はないようですが、ここは「ちょっと待って!」とは言いません。
…というわけで、今回はこのへんで。
ちなみに夏の和歌山はいいですよ。

(岡崎秀俊)