ひょうたん楽器作りの春が来た(その1)

by 丸黄うりほ

①杉浦こずえさん作《ひょうたんエレクトリック・ジャグ》(撮影:杉浦こずえ)

②コンさんはひょうたんギターを作ることにしました

③通販で求めた子ども用のギターと

④大分県「ひょうたん祭り」で購入したひょうたんがドッキング?(②〜④撮影:コンさん)

⑤阪急茨木市駅の近くにある「Studio M&M」

⑥工房を営む上野大さん

⑦頼れる上野さんに、大切なひょうたんを預ける(撮影:フェイ・ターン)

⑧田並劇場「ひょうたんへうたん展」フライヤー

3月27日から4月20日まで、和歌山県・串本町の「田並劇場」にて、ヒョータニスト仲間のフェイ・ターンさんのひょうたんランプ展覧会「ひょうたんへうたん展」が開催されることが決まりました。そのクロージングイベントにあわせて、なんと「ヒョータニスト・パーティ」なるひょうたん楽器ユニットを、このたび新たに結成することになりました!

「ヒョータニスト・パーティ」のメンバーは、フェイ・ターンさん、杉浦こずえさん、コンさん、わたくし丸黄うりほの4名。そうです、昨年の「ひょうたん日記」(9月28日〜10月17日)で、和歌山県・上富田町を一緒に旅した4人です。

恐れ多くも、ひょうたん楽器でライブをすることが先に決まってしまったので、私以外のメンバーはまず楽器を作る必要がありました。

フェイ・ターンさんは自分で育てたひょうたんのなかに楽器にしてやりたいものがあって、すでに素材の準備ができていましたが、杉浦こずえさんの手元にあるのは昨年収穫した千成ひょうたんのみ。コンさんは、昨年のひょうたんが一つも実らなかったので、ひょうたん無し。というわけで、杉浦さんとコンさんには私が素材のひょうたんを提供することになりました。

杉浦さんは、以前にも《瓢玉》と名付けた電子楽器をひょうたんで作られ、「ひょうたん日記」(916日目)でも紹介しています。今回はサイケデリック・ロックバンド「13thフロアエレベーターズ」のトミー・ホールが演奏していた「エレクトリック・ジャグ」なる楽器をひょうたんで作ってみたいということで、以前奥田亮さんからいただいたコレクションの中から、ちょうど良さそうなひょうたんをチョイス。それから数日間で、楽器が完成しました!(写真①)どんな音が鳴るのでしょう?また後日紹介しましょうね。

コンさんには弦楽器が作れそうな、皮の厚いひょうたんを提供しました。こちらは大分県の「ひょうたん祭り」に行った時に購入した思い出深いものです。

コンさんは通販で子ども用のギターを購入し、そのボディをひょうたんにすげ替えてはどうかと考えました(写真②③④)。しかし、丸いひょうたんをノコギリでうまく切るのは、なかなか口で言うほど簡単ではありません。

「自分で切ろうとしたら、きっとバリっと割れてしまいますよ!」と、経験者であるフェイ・ターンさんや私に説得されて、コンさんも怖くなったようです。では、どうしたらいいのか?

そこで私たちが頼ることにしたのが、家具職人の上野大さんが営む工房「Studio M&M」でした。

「Studio M&M」は大阪府茨木市にあって、以前ここで「ひょうたんモジュラーシンセサイザー」を作らせてもらったこともあります(104日目)。現在はその時にうかがった場所から少しだけ離れたところに近所引越しされていました。(写真⑤)

少し遅れて私が到着すると、コンさんとフェイさんの二人はすでに作業を始めていました。1階にある上野さんの工房には、切る道具、穴を開ける道具、磨く道具、貼る道具などプロの道具類がいっぱい。ビルの2階は、デザイナーさんなど物作りクリエイターの集まるスタジオになっています。

上野さんはシンセサイザーの演奏家でもあり、シンセのイベント企画なども手がける方。さらに、数年前にはひょうたんの苗を引き取ってくださったこともあり、ひょうたんにも理解のある方なのです(写真⑥)。

その上野さんの手に預けたフェイさんのひょうたん「ヒメミ」が、いよいよ機械にかかりました……。(写真⑦)

さーて?続きは明日。

(1154日目∞ 3月13日)