【P探】プレスリリースを通して世相を探っているような気がする「プレスリリース探訪(略称:P探)」です。
けっこう見たり聞いたりしてるので、知ってるつもりになっているけど、実はよくわかってなかったことってありませんか?
僕はあります。
「ここのカフェって、Wi-Fi(ワイファイ)がないの!?」とかって、よく口にしますけど、じゃぁWi-Fiって、どんなものか厳密に説明しろっていわれたら…
「インターネットにつながれる電波が飛んでるみたいな?」と言うのが限界。
とはいえ、聞いてる方もそれで納得するので、知ってるつもりでも問題はないわけですけどね。
IT界隈もそうですが、歴史なんていうのは「知ってるつもり」のオンパレードです。
「紫式部」とか「弁慶」とか「水戸黄門」とか「坂本龍馬」とか「新選組」とか、ドラマとかで観ると一時的に知ってる気になるけど、フィクションが混ざってるし、何よりもすぐ忘れるし…。
そういえば「清少納言」なんて「清少」と「納言」で区切るって疑問もなしに勘違いしていたこともありましたよ。
(念のために書くと「清」が名字で、「少納言」は官職名に由来すると考えられているそうなので「清」「少納言」と区切るのが正解のようです)
そもそも自分自身についてが、この「知ってるつもり」状態の極み。
なんせ、自分の肉眼で実物をみたことがないんですもん。
鏡とか映像を通じて見たことしかない。
気持ちもコロコロ変わるし…。
そもそも最近は「さっ、そろそろ始めるぞっ!」ってソファから立ち上がった瞬間、
「あれっ!何をするつもりだったんだっけ」とソファに座りなおして考えこむほどのレベルで自分がわからなくなっているほどです。
それはさておき、なんで「知ってるつもり問題」について考えた理由を忘れてしまいそうなので、そうならないうちに書いてしまうと…。
ニュースサイト「時事ドットコム」で…
〈母親6割「推し活」に夢中 俳優やアニメ、年100万円超も―民間調査〉という記事を読んだことがきっかけ。
母親向けの情報サイトなどを運営する会社「インタースペース」が4月に行った調査によると、母親の約6割が「推し活」を楽しんでいて、年100万円以上使うと答えた人も約5%いた、というのが記事の主旨です。
「推し活」について、記事では好きな芸能人やアニメキャラクターなどを応援する趣味活動と説明しているのですが、これまでは意味がわかっていたつもりになっていたのに、「推し活」という言葉そのものや、その説明がうまく全体的に認識できないゲシュタルト崩壊的な違和感のようなものを覚えたのです。
「推し活」っていう言葉は最近、見聞きするようになったという印象があるのですが、「好きな芸能人やアニメキャラクターなどを応援する趣味活動」なんていうのは昔からあったという意見に異議をとなえる方はいないでしょう。
芸能や、芸術、スポーツなどのエンターテインメントは人を楽しませて応援されることになって成り立ってきたわけですから新味はないはずです。「ファン」や「追っかけ」の活動との違いがあるのか、ないのかもよくわかりません。
では、なぜ今あえて「推し活」という言葉が使われているのか?
それがよくわからなくて、知ってるつもりだったってことに気づいたわけです。
それは「推し」を応援する「活動」を第三者がサポートすること自体がビジネスとして成立するようになったから、もしくはビジネスとして成立させることを目的につかったから、と推測できますし、そこに「推し」というインターネットを通じて定着した新しい言葉も後押しになってるわけかもしれません。
確かに5%が年に100万円以上使うっていうなら、それは当然かもしれません。
考えてみれば「就活」「婚活」「終活」なんかの「活」もそうですね。ちゃんと“市場”になっています。
とはいえ、「推し活」という言葉が時代背景と合わせて、腑に落ちる感じにならないんですよね。
で、そうであっても別に大きな支障もないのも事実。
そんなことを考えながら目についたのが、このプレスリリースです↓
10代は77.1%が「YouTubeはSNS」と回答、30代は25.8% 世代で異なる「SNS」の認識の差
年代別のSNSに対する意識調査の結果を発信しているのですが、この調査を実施したのが「推し活研究部(おしけん!)」。
「おしけん!」は「推し活」に特化したアプリ「オシバナ」を運営する「ブックリスタ」(本社・東京都港区)の事業のひとつのようです。
「推し活」に特化したアプリってことは、やはり〈「推し活」応援〉がちゃんとビジネスとして成立してるってことですよね。
それはさておき、興味深いのは〈10代は77.1%が「YouTubeはSNS」と回答〉というポイントの部分。
ちなみに念のためSNSとは…
ソーシャルネットワーキングサービス(Social Networking Service)の略。
インターネット上での交流やコミュニティを構築できるサービスの総称。ユーザーが情報発信でき、ユーザー間で繋がり、情報共有やコミュニケーションをとることができる。
…と、このプレスリリースでも説明してくれています。
今回の調査結果で、全世代で顕著に違いが出たのが動画共有サービスのYouTubeに対する認識。
「YouTubeを知っている」という回答者のうち、「YouTubeをSNSだと思っている」のは30代が25.8%、40代は32.3%。20代でも31.3%ですが、10代は77.1%がYouTubeをSNSだと認識しているそうです。
どの世代も10代とは倍以上の差があります。
この結果についてプレスリリースでは…
20代以上はYouTubeを交流のためではなく、動画投稿(共有)サービスとして楽しんでいる人が多いと考えられる一方で、10代は交流も含めてYouTubeを楽しんでいるのではないかと推測できます。
…と分析したうえで
“SNS”という単語を使用する際には、受け手の世代によって認識が異なる可能性があるため、発信する側にもその注意が必要なことを知っておいた方がいいでしょう。
…と注意喚起してくれています。
それを念頭に置くと情報のSNSについての情報への見方が変わるかもと思って、以下のプレスリリースを読んでみると……。
YouTubeをプレスリリースによっては動画共有サービスとしていたりSNSとしていたりして、その点だけでも興味を覚えました。
【主要オンラインマスメディア信頼度調査2024】「消費者はオンラインメディアをどの程度信頼しているのか?」
【SNS広告の購買行動調査】世代別の購入経路が判明!購入者の75.1%が「買う予定はなかった」と回答
【男女別で発表!】女性の54.8%が「服を購入する際、何かを参考にすることがある」男性との差は?
…と、ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。
僕はYouTubeについて「SNSか?」と聞かれると「違う」と回答するタイプなので、「推し活」という言葉と同様に知ってるつもり状態だったことをあらためて認識しました。
年代によって言葉の意味が変わることもあるという例をあらためて目の当たりにした気がします。
そんなわけで、プレスリリースによる情報の受信、発信の可能性や有益性、面白さをさらに感じ、関心を今まで以上に高めたのですが、あなたはいかがですか?
というわけで、プレスリリースについても知ってるつもりになっているだけかも…。
話は飛躍するのですが、僕は今後、プレスリリースの概念が変化して企業とか団体だけではなく個人がプレスリリースを出す時代が来ると考えていますし、もう来てるような気がしています。
その点についてはまた今度。(岡崎秀俊)