【P探】プレスリリースを通して世相を探っているような気がする「プレスリリース探訪(略称:P探)」です。

最近、プレスリリースで「文豪」という文字を目にする機会が増えているような気がします。

プレスリリース配信サービス「PR TIMES」のウェブサイトで「文豪」を検索してみると今年5月分だけで30数件が表示されました。

1日1件以上は配信されている計算になりますね。

ちなみに同じ「豪」でも「富豪」で検索すると10件に届きません。

ここのところの分析は「豪」方面の研究を専門にしているヒトがい(るとす)れば、そちらにお任せするとして、少なくともプレスリリース界隈では「文」が「富」を制しているようです。

で、どんなプレスリリースがあるのかというと、たとえば、これ↓

『文豪とアルケミスト』特集が大反響、「小説新潮」が史上二度目の重版決定! 前代未聞のW表紙となる描き下ろしイラスト、新作ノベライズ短篇も

『文豪とアルケミスト』っていうのは「累計登録者が140万人を突破している人気ゲーム」。

「小説新潮」6月号・裏表紙

「小説新潮」6月号・裏表紙

僕自身も含めて『文豪とアルケミスト』って?…いう方 のために公式サイトにある「世界観」の項をザクッとまとめると…。

どこかの時点で違う歴史を歩み始めた日本で、文学書が当初から存在しなかったかのように人々の記憶から奪われ始める。
この災禍に対処するため「アルケミスト」と呼ばれる特殊能力者が文学の力を知る「文豪」を転生させて敵を追伐する

…とのこと。

夏目漱石や森鴎外、芥川龍之介といった文豪たちが転生し文学の力で「本の中の世界を破壊する侵蝕者」と対決するという構成のようです。

だいたい「対決」系は、これまで「剣豪」たちが専売特許にして独占的にブイブイいわせてましたけど、最近は「文豪」も“業界”に参入してきたようです。
すげーよ!「文学の力」と驚嘆しつつも、
『文豪とアルケミスト』のことがまだよくわかっていないので、
「ペンは剣よりも強し」という言葉との兼ね合いが自分にはよく分かりませんが、
ペン界隈の鼻息が荒くなってきているようで、文化会系と体育会系の垣根も壊れてきているわけですね。
「文武両道」といえるのかもしれませんし、違うかもしれません。

いずれにせよ、文学系の雑誌の重版は珍しく1947(昭和22)年9月創刊の「小説新潮」の歴史のなかでも記録で確認できる限りは史上2回目。

アイドルグループ「NEWS」メンバーの加藤シゲアキさんが小説の連載をスタートさせた2020年1月号以来だそうです。(参照:NEWS加藤シゲアキ新連載で大反響 「小説新潮」1月号が異例の緊急重版!

また…。

TVアニメ「文豪ストレイドッグス」の缶バッジ付キャラクター大判タオル、キャラクターラバーマット、ちゅるキャラミニ缶バッジ5個セットの受注を開始!

…っていうのもありました。

公式ウェブサイトによると『文豪ストレイドッグス』とは…。

現代横浜を舞台に、中島敦、太宰治、芥川龍之介といった文豪たちが繰り広げる異能アクションバトル漫画。

…とのことで、「アクションバトル」だそうですので、とにかくこちらも文豪たちが闘っています。

ちゅるキャラミニ缶バッジ5個セット

さらに…。

日本科学未来館 特別展関連 展示ロボット体験・トークイベント開催

…というイベントで、
「漱石アンドロイド」による「朗読会」が行われるそうなんです。

展示名:漱石アンドロイド
開発元:二松学舎大学大学院文学研究科、大阪大学大学院基礎工学研究科
体験内容:文豪 夏目漱石のアンドロイドが漱石作品の朗読を披露します。
実施日:6月12日(日)、18日(土)、19日(日)

体育会系だじゃなくて理科系にも進出しているわけで、「文豪」のポテンシャルの高さ、キャラクターを応用できる範囲の広さに感心します。

それから…。

SP原盤復刻による落語音源で、あの文豪たちが生きた世界へタイムスリップ『文豪たちと落語』

…と寄席の世界でも噺家との相乗効果で存在感を発揮しています。

『文豪たちと落語』
「文豪」の潜在能力はまだまだ発掘されそうで、色々な“異業種”とのコラボが実現していきそうな気がします。知らんけど…。
(岡崎秀俊)