プレスリリースを通して世相を探っているような気がする「プレスリリース探訪(略称:P探)」です。
今月初めに新型コロナワクチンの2回目の接種をしました。
とはいえ、接種後でも感染する「ブレイクスルー」の事例も報道されていますので、安心はできないですし、接種しても抗体ができないとか、時間が経過すると大幅に抗体が減るというケースが確認されているそうなので、尚更です。
何よりも「ブレイクスルー」って言葉には「難局を突破する」というポジティブなイメージを持っていたのに残念至極。
“相手”側に壁を突破されてしまっているわけで、「そうか、ウイルスの立場からはそうやろけど」と複雑な気持ちです。
個人的には「ブレイクスルー」は“こっち”側が「する」ものだという思い込みがあって、対抗する相手に「されて」しまったときにも使う言葉なのだなぁ、という目からウロコのような感慨さえ覚えています。
それはさておき、新型コロナウイルスの感染拡大で「テレワーク」とか「在宅ワーク」とかいうスタイルが実際に広がって定着しているかどうかは別にして、呼称そのものは社会に馴染んで、僕の生まれ故郷の和歌山の高齢の親類との電話でも「きょうは『テレワーク』なんで」というセリフを当たり前に使うようになりました。
そんな状況を背景にした、こんなプレスリリースがあります。
在宅ワーク中に気分をリフレッシュさせる方法を500人にアンケート調査【総合・男女別・年代別ランキング】
つなぐマーケティング(神奈川県鎌倉市)が運営するフリーランス情報メディア「フリーランスガイド」が週3日以上在宅ワークをしている会社員とフリーランス500人を対象に「在宅ワーク中に気分をリフレッシュさせる方法」についてアンケート調査を行ったそうです。
その結果…。
総合ランキングは1位が「散歩する」、2位「好きな飲み物を飲む」、3位「ストレッチをする」となりました。
それから年代別トップ3では30代・40代・50代はほぼ同じなのですが、20代だけ1位「YouTubeをみる」、2位「音楽をきく」だったそうです。
30~50代はすべて「散歩する」が1位なのに、20代ではトップ3に入っておらず、「音楽をきく」は30~50代では3位以内に入っていません。
20代と30代以上との間に断絶があるようです。
ちなみに総合ランキングでは「YouTubeをみる」は6位で、「音楽をきく」は7位。
僕個人はというと、在宅ワーク時の気分転換は…。
「YouTubeをみる」が1位!
50代ですが、20代と一緒です。
自慢じゃないです、念のため。
ホント自慢じゃないです。
だって…。
「YouTubeをみる」ことの気分転換に仕事をしているような有様で、何かもう、見始めると、いろんな動画をオススメされて、やめられないとまらないの「かっぱえびせん」状態です。
そんな中で、やはりチャンネル登録をしている、お気に入りの動画があって、そのひとつがプレスリリースのネタになっていました。
YouTubeで人気沸騰中のアニメ『モモウメ』がHuluでドラマになる!伊藤沙莉&江口のりこW主演で初の実写化 9月10日(金)からHuluで独占配信スタート
『モモウメ』というのは 24歳新人OLのモモちゃんと40歳ベテランOL、ウメさんのドタバタゆるゆるアニメです。
これが伊藤沙莉さんと江口のりこさんという個性派女優を起用して実写化されるわけです。
アニメはシナリオがあるのでしょうけど、アドリブ感満載で、キレッキレのボケとツッコミのタイミングの演出も絶妙。
ハマってしまいました。
その雰囲気がどこまで再現されるのか。
はたまたアニメを超えるのか。
楽しみです。
ところで、個人的なリフレッシュ方法の第2位はトロンボーンの練習です。
「それって仕事をサボってるだけやん」という意見もありそうですが…。
こんなプレスリリースもあるんです。
楽器を弾くことが心の支えになり、コロナ鬱や現代社会のストレスに負けない健やかな世界を作りたい。
コロナ自粛により鬱状態になる方が多くなったと報告される一方で、楽器の演奏を再開したり、楽器を購入し新たに始める方が増えたとの報告があります。また、楽器を演奏する事がストレスに対して効果的であるという報告もされています。
…とのこと。楽器の演奏することでストレスが軽減されて結果的に仕事の効率も上がるみたいなんですよ。
そこで…。
アンサンブルの仲間を探さなくとも、独りでも楽器演奏が楽しめるようにクラシックの名曲を弦・木管・金管の13種類の器楽独奏用に編曲して楽譜と伴奏音源のセットをダウンロード販売する専門サイト
…が立ち上がったというわけです。
もちろんトロンボーン用もあって…。
独奏用に編曲し、楽譜データ(PDF)と伴奏音楽データ(MP3)をセットにして1曲500円でダウンロード販売をしています。
…ということで、僕は興味津々、関心満々。
楽器をなさる方は、よろしければ、ご参考に。
コロナ禍のなかで、これまで以上にお世話になっているのが宅配便。
このサービスがなかったら、どれだけ不便だっただろうと、あらためて配達員の方々に感謝しているわけですが、そんな業務を担っている企業が、おうちまで音楽も届けます、というプレスリリースがこれ。
音楽宅急便2021「クロネコファミリーコンサート~KID’s GROWING STORY~」開催!東京フィルハーモニー交響楽団ら4楽団が演奏
ヤマトホールディングス株式会社(東京都中央区)がヤマトグループ公式YouTubeチャンネルで『音楽宅急便2021「クロネコファミリーコンサート」~KID’s GROWING STORY~』を開催。
「成長」をテーマに、子どもたちが東京フィルハーモニー交響楽団からオンラインレッスンを受けながら1カ月練習し、一緒に演奏する「キッズオーケストラ共奏チャレンジ」という企画もあって、8月11日に行われた本番のライブ配信終了後に順次、ヤマトグループ公式YouTubeチャンネルでアーカイブ映像が公開されています。
同社は1986年以来35年にわたり「本物の、いい音楽を年齢や地域を越えてすべての人にお届けしたい」という願いを込め、日本全国で本格的なクラシック音楽が楽しめる音楽宅急便「クロネコファミリーコンサート」を開いてきたそうです。
「今年も昨年に引き続き、みなさまの“おうち”までオーケストラをお届けします。さらに多くの方たちに向けて、より気軽に参加できる新しい『音楽宅急便』を、どうぞ、心ゆくまでお楽しみください」とのことですから、この「新しい『音楽宅急便』」はコロナ禍で始まったようです。
音楽といえば、こんなプレスリリースもあります。
第20回(2021年度)小林秀雄賞・新潮ドキュメント賞、受賞作品が決定しました
今回、小林秀雄賞に決まったのは『音楽の危機《第九》が歌えなくなった日』(中央公論新社)。
中央公論新社のウェブサイトでは「二〇二〇年、世界的なコロナ禍でライブやコンサートが次々と中止になり、『音楽が消える』事態に陥った。集うことすらできない――。交響曲からオペラ、ジャズ、ロックに至るまで、近代市民社会と共に発展してきた文化がかつてない窮地を迎えている。一方で、利便性を極めたストリーミングや録音メディアが『音楽の不在』を覆い隠し、私たちの危機感は麻痺している。文化の終焉か、それとも変化の契機か。音楽のゆくえを探る」と同書を紹介。
授賞理由の…
「音楽」というものの生々しさと理念を情熱的に撚り合わせながら、コロナ禍という盛り上がれない時代の中で、音楽の未来を探った。アクチュアルであり、「時間論」としても優れた論考。
…という言葉が重いです。
では、今回はこれくらいで。
ご覧いただきありがとうございました。
(岡崎秀俊)