福岡の中野さんとひょうたん巡り④ひょうたんコロッケから瓢箪町

by 丸黄うりほ

①ひょうたん物件の後ろに「手作りコロッケ ひょうたん」の文字が?

②「手作りコロッケ ひょうたん 2号店」

③「八尾うまいもんグランプリ」で金賞受賞!

④表彰状もありました。これは期待できそう

⑤コロッケとフランクフルトカツ。さくさくでおいしかった!

⑥こちらは「肉の森田屋」のライスコロッケ

⑦「ひょうたん橋」とも呼ばれていた「新町橋」の碑

昨日の続きです。フェイ・ターンさんのランプ展会場「ギャラリーオマージュ」があまりにも心地よくて、ついつい長居してしまった中野由紀昌さんと私。しかし、この日のうちに行きたいところがまだ残っていました。

その一つが、会場のはす向かいにある「ひょうたん」というコロッケ店でした。

このお店、じつは「ひょうたん日記」で「五叉路に建つ不思議なひょうたん物件」(910日目)について書いた時に撮った写真に偶然写り込んでいて……(写真①)、写真整理をしていて「ひょうたん」という文字列に気がついたのです。さらにその後グルメなヒョータニストのコンさんからも情報が届き……。「今度瓢箪山に行ったら絶対行かねば!」と思っていたのです。

「ひょうたん」は小さなお店ですが、「八尾うまいもんグランプリ」で金賞受賞されているようで、店内には「表彰状」も貼られていました。(写真②③④)

しかも、コロッケの価格はなんと1個50円!私はコロッケ2つと、前のお客さんが買っていたフランクフルトカツをマネして買ってみました。あとで気がついたのですが、「金賞受賞」したのはからあげだったようで、コロッケとからあげを買うのがベストだったかもしれません。(写真⑤)

コロッケを揚げてもらっている間に、私はお店の人にいちばん聞きたかったことを聞きました。「ひょうたんという店名は、やはり瓢箪山だからですか?」

すると、お店の人は一言、「違います」。

ええっ……?私は予想をはずしてしまったことに驚いて、言葉を飲み込んでしまいました。

お店の人によると、「ひょうたん」の本店は八尾市にあり、八尾本店をお父さんが開いた時から「ひょうたん」だったそうです。なぜ「ひょうたん」だったのかは、息子さんであるその人もわからないとのことでした。

そうだったのか……聞いてみてよかった。思い込みはいけませんね。

同行の中野さんは、少し駅方向へ戻ったところにある「肉の森田屋」でライスコロッケを購入。こちらのライスコロッケは、ひょうたん型をしているのです。この日はちょっと形が崩れて、百成や千成ではなく、イプの形をしていましたが……(写真⑥)。

私たちは、瓢箪山駅前のひょうたん型の池の近くでコロッケを食べました。「ひょうたん」のコロッケはさくさくでめちゃうまでした。これは金賞だわ……!

ふと、駅前の時計(ひさごっち)を見るともう5時半です。このあと、中野さんと西宮市の苦楽園にある「お茶の菓さいさい」にひょうたん型のもなか「苦楽ひょう」を買い求めに行こうとしていたのですが、電車の時間を調べると閉店までに行けないことがわかりました。

そこで、予定変更。私たちが次に向かったのは大阪市西区新町です。新町には戦前まで遊廓があり、その中心部に「瓢箪町」と呼ばれる町がありました。戦争で焼け野原になり、現在はすっかりオフィス街になっていて、その名残はほとんどありません。

「瓢箪町」については、「ひょうたん日記」873日目と、874日目876日目に詳しく書きましたので、よかったらそちらをお読みくださいね。私と中野さんは、近鉄電車でなんばまで行き、道頓堀界隈でいかにも大阪な景色をさくっと見物したあと、四ツ橋筋を北へ。長堀通を越えて阪神高速の高架下にある「新町橋碑」までやってきました。(写真⑦)

新町をぐるぐると歩き、残された石碑などを見て回ると、二人ともかなり疲れてきたので休憩することに。お好み焼きを食べながら、ひょうたんな1日の終わりに乾杯しました。

はっきり言って、関西ひょうたんスポットはこんなもんじゃない。まだまだあります!翌日は中野さんが一人で京都方面へ向かい、「瓢鮎図」で有名な妙心寺退蔵院と、「空也上人立像」を所蔵する六波羅蜜寺を見てこられました。豊臣秀吉ゆかりの豊国神社や、モルガンお雪が信仰していた「ひょうたん大神」のある折上稲荷神社へも行きたかったとおっしゃっていたのですが時間切れです。

中野さん、またぜひ関西へおいでください。そして、いつか日本全国の、いや世界中の、ひょうたんスポットを制覇しましょう!

(994日目∞ 6月8日)