苦楽園のお土産、ひょうたんスイーツ「苦楽ひょう」

by 丸黄うりほ 

①苦楽園筋にある「お茶の菓さいさい」

②2種類のほうじ茶ジェラートに、ひょうたんが!

③ひょうたん型もなか「苦楽ひょう」のパッケージ

④ギフトボックスも素敵

⑤保冷バッグ。お店のマークもひょうたんぽい?

⑥「苦楽ひょう」は、もなかの皮と餡が別々になっています

⑦お味は粒餡と白餡の2種類

⑧可愛い……!ほうじ茶入りの皮もパリパリでおいしい!

苦楽園という地名は、明治時代にこの土地を開発した中村伊三郎氏が大切にしていたひょうたん「苦楽瓢」から来ている。そのひょうたんや中村氏にまつわるモノが何か見つからないかな?……そんな期待をして出かけた西宮市苦楽園でしたが、モニュメントや銅像どころか、立て札や案内板の一つも見つけることができませんでした。

いささか肩透かし……、いえいえ、そんなことはありません!最後に立ち寄ったほうじ茶スイーツ専門店「お茶の菓さいさい」が、予想以上のひょうたん濃度だったからです!

「お茶の菓さいさい」は、三笑橋から苦楽園筋を南に下ったところ、樋之池公園の近くにありました。大きな看板などはなく、知る人ぞ知る店といった雰囲気です。(写真①)

ガラス戸を開けると、素晴らしいほうじ茶の香り!

焙煎機が稼働し、その芳香がお店いっぱいに立ち込めていました。私は思わず鼻をふくらまして、香りを吸い込みました。

ショーケースに並ぶのは、すべてほうじ茶を使ったスイーツです。ほうじ茶カステラ、ほうじ茶ロールケーキ、ほうじ茶テリーヌ、ほうじ茶チーズケーキ、ほうじ茶ラングドシャ……。どれもおいしそう!

ですが、私の目的はひょうたん型のもなか「苦楽ひょう」一択。そうです、あの中村伊三郎氏のひょうたんにまつわる逸品を、このお店にきてようやく見つけることができたのです!

ショーケースにはしっかりと「苦楽ひょう」が並んでいました。たまらん可愛さ。ところが、店内を見渡して私はさらなる衝撃を受けました。

「ほうじ茶ジェラート」にも、ひょうたんがのってるーーー!!

見本写真を見て、私の脳はもうとろとろになりました。そんなわけで、まずこのスイーツをオーダー。濃い緑色と白っぽい色は、どちらも味わいの異なるほうじ茶ジェラートです。その上にちょこんと乗ったひょうたんは、「苦楽ひょう」のもなかの皮と同じもの。こちらにもほうじ茶が練りこまれているそうです。(写真②)

小さなお店ですがイートインコーナーもあり、私はそこで入れてもらったジェラートをゆっくりと味わいました。こんなかわいくておいしいジェラートがいただけるなんて、予想していなかった。お茶もひょうたんも大好物の私にとっては幸せの極致です。

目当ての「苦楽ひょう」は、粒餡と白餡の2種類でした(写真③)。もなかの皮と餡が別々になっているので、封を切らなければ1カ月ほど日保ちするそうです。ギフト用のパッケージも可愛く、お店のマークもなんとなくひょうたんが円形に並べられているみたいに見えます。(写真④⑤)

対応してくださったお店の方によると、お店のマークはおそらくお茶のしずくだということでしたが、「苦楽ひょう」は中村氏の「苦楽瓢」にちなんで作られたものだそうです。その方もここで働くまで「苦楽瓢」のことは知らなかったとおっしゃっていましたが、商品を企画された方はご存知だったということですよね!

私はギフト用と自分用に「苦楽ひょう」を包んでもらい、自宅へ持ち帰ってどきどきしながら開けました。餡はたっぷり入っていましたが、挟むのは半分くらいにしておきました。そのほうが、もなかの皮に入ったほうじ茶の味が感じられるとお店の方がおっしゃっていたからです。(写真⑥⑦)

見て見て!できあがった「苦楽ひょう」の可愛さときたら……!(写真⑧)

ひょうたん型の皮は食べるのが惜しいくらい。そっと頬張ると、ぱりぱりでウマー!粒餡は甘さ控えめで上品、白餡はとろりとした優しい味わいでした。

東京には「千成もなか本舗」や「空也もなか」、福岡には「お菓子のみずま ひょうたん最中本舗」と、ひょうたん型もなかの名店があるのに、なぜ関西にはないのか……と今までは思っていたのですが、「苦楽ひょう」と出会えたから、もう大丈夫です!

「お茶の菓さいさい」は苦楽園本店のほか、名古屋市にも1軒あるそうです。百貨店やショッピングモールには出店されていないとのことなので、ぜひみなさんも苦楽園まで足を伸ばして、絶品ほうじ茶&ひょうたんスイーツを入手してくださいね!

(957日目∞ 4月13日)

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