「ヒョウタン展」今年は世界のひょうたん容器が集結!(前編)
by 丸黄うりほ

①大船フラワーセンターで開催中の「ヒョウタン展」ポスター

②第1会場エントランスに「ヒョータニスト・パーティ」の自作楽器が!

③湯浅浩史先生のひょうたんコレクション第1号。ベネズエラ「指穴式水容器」

④これもベネズエラの「水入れ」。トウモロコシの栓がくちばしのよう

⑤日本の「水筒瓢と旅籠箱」

⑥アルメニアの「ワイン容器」(左)とブルガリアの「盃付き酒容器」

⑦全日本愛瓢会の小菅孝一さん作品「菓子入れ」

⑧第2会場へと続く廊下にも、ひょうたん柄ランプが!
鎌倉市の大船フラワーセンターで9月27日まで開催中の「ヒョウタン展」に行ってきました。
一昨年と昨年は「ヒョウタン展」の期間中に我が「ヒョータニスト・パーティ」のライブステージの機会を設けてくださっていたのですが、今年は別々の時期に開催。ライブのほうはすでに先月すんでいて、「ひょうたん日記」(8月12日)でも振り返らせてもらいました。
本館2階にある第1会場フラワーホールに到着すると、エントランスに「ヒョータニスト・パーティ」のポスターが貼り出されていました。自作ひょうたん楽器の展示コーナーまで設けてくださっています。カリンバはモリカワさん、鈴はフェイ・ターンさん作。私は何も加工していない鶴首ひょうたんを「振るとマラカスみたいに音が鳴りますよ」と、持っていっただけだったのですが、それも並べてくださっていました。(写真②)
竹職人・石山好美さんによる竹細工のひょうたんも一緒に並んでいて、ほっこり。石山さんの作品については昨年の「ひょうたん日記」1371日目で紹介していますので、よかったらプレイバックしてくださいね。
さて、いよいよ入場です。大船フラワーセンターでは毎年9月に開催されている「ヒョウタン展」ですが、今年のテーマは「〜人類の原器〜 世界のさまざまなヒョウタン容器」。今回も植物学者・湯浅浩史先生のコレクションが展示品の中心です。この日は会場に湯浅先生も来ておられ、丁寧に展示品の説明をしてくださいました。
ひょうたんは土器が生まれる前から容器・物入れとして世界中で使われ、その用途は数え上げると80もあるそうです。そのなかでも、最も基本的かつ重要な用途は、「水入れ」といえるでしょう。会場には、さまざまな国の、さまざまな装飾や工夫をこらしたひょうたんの「水入れ」がたくさん並んでいました。
写真③は、湯浅先生のひょうたんコレクション第1号。1976年にベネズエラで入手されたという「指穴式水容器」です。穴の空いているところに指を入れて、水を持ち運ぶ仕組み。湯浅先生は、この容器との出会いがきっかけで、ひょうたんに興味を持つようになったとおっしゃいます。その経緯は『花形文化通信』のインタビューで詳しく語ってくださっているほか、ご著書の『ヒョウタン文化史 –人類とともに一万年』(岩波新書)にも書かれています。今回も、最初にこの容器が展示されていました。
写真④もベネズエラの「水入れ」です。穴をふさぐ栓に使われているのはトウモロコシの軸。ボディにはペイントが施され、紐も結ばれていて、より実用的かつアート的な作品に仕上がっています。
アメリカ、アフリカ、アジア、オセアニアなど、温暖な気候でひょうたんが栽培できる地域にはどこにでもひょうたんの「水入れ」があるようで、模様を描いたり、飾ったり、紐を結んだり、編んだりといった手工芸に、その地域の個性やセンスがいきいきと感じられました。
写真⑤は、日本の「水筒瓢と旅籠箱」。ひょうたんの水筒と、旅に必要な小物入れのセットです。上品で形の良いひょうたんですね。この水筒を持って旅をしたのはどんな人だったのでしょう? どんな職業で、どんな服装をしていたのでしょう? 旅の目的は? 想像するだけで口元に笑みが浮かんできます。
ひょうたんに入れるものと聞いて、おそらく水の次に思い浮かべる人が多いのはお酒でしょう。日本酒、ビール、ヤシ酒など、ご当地の酒類をひょうたんに入れて保存したり、持ち歩いたりという例は世界中にあるようです。
写真⑥は、アルメニアの「ワイン容器」とブルガリアの「盃付き酒容器」。ロシア、ヨーロッパでも暖かい地域では、ひょうたんの酒器や柄杓が現役のようです。
このほか、会場には油、ミルク、ヨーグルト、はちみつなどの容器がずらり。かわったところでは、中国の「コオロギ入れ」や、ウズベキスタンの「嗅ぎタバコ入れ」も並んでいました。
第1会場には全日本愛瓢会の小菅孝一さんと、神奈川県の愛瓢家のみなさんによる工芸作品もあわせて展示されていました。写真⑦は小菅孝一さんの作品。ユーホー型のひょうたんに、ひょうたんのタネを並べて可愛らしく装飾した「菓子入れ」です。
ここに写真を上げられたのはごく一部だけですが、第1会場だけでいったい何個のひょうたんがあったのでしょう? さらに、展示は第2会場(写真⑧)へと続きます。
(1484日目∞ 9月16日)
*明日に続きます



