杉浦こずえさんのひょうたんパン
by 丸黄うりほ
和歌山県・串本町でフェイ・ターンさんのひょうたんランプ展覧会「ひょうたんへうたん展」が始まりました。4月20日に行われるそのクロージングイベントにあわせて、ひょうたん音楽ユニット「ヒョータニスト・パーティ」を結成したことは、3月13日の「ひょうたん日記」でもお伝えしましたね。
「ヒョータニスト・パーティ」のメンバーであるフェイ・ターンさん、杉浦こずえさん、コンさんのひょうたん楽器も製作中(「ひょうたん日記」3月14日、21日)。
先日はその楽器を持ち寄って、音を出してみようということになり、私を含むメンバー4人は大阪市内の杉浦さんのマンションに集合しました。
約束の時間はちょうどお昼時でした。ドアを開けて中に入らせていただくと、ぷーんと香ばしいにおいが……!
「ひょうたんパンを焼いてあるよ!」と、杉浦さんの明るい声。
大きなお皿にのって運ばれてきたのは、まさに、まさに、「ひょうたんパン」としか呼びようのない素敵なものでした!!(写真①)
一つは、チーズ入りのカンパーニュです。ちょっと太っちょなフォルムで、表面にもチーズがかかっています(写真②)。もう一つは、ライ麦とヨーグルトの入ったドイツ風のパン。こちらはウェストがきゅっとくびれた美瓢です(写真③)。
どちらも素晴らしく可愛い!そのままでも十分フォトジェニックだったのですが、「くびれの部分に紐かけてみたいな……」という思いが脳裏にむくっと出現し、私はついその言葉をそのまま口に出してしまいました。すると、杉浦さんは「いいよー」と快諾してくだったのです。
トマトケチャップとマヨネーズを手にした私は、じつは言ってしまってから「しまった……」と心の中で思いました。うまく紐が描けるかどうか、自信がない……。でも、言い出しっぺの私がやるしかありません。
「失敗したらごめんね」とひょうたんパンに心の中で謝りながら、なんとか描いた紐が写真④です。うーん、やはりちょっと歪んでます。ごめんね、杉浦さんとひょうたんパン……!
「トマトケチャップはチーズ入りのパンに、ドイツパンのほうにはマヨネーズが合うと思うよ」と杉浦さんが言ってくださった通り、味的にはばっちりの取り合わせでした。というか、おそらくどちらのパンも、何もつけなくてもおいしい。
かみしめると麦の素朴な味わいが口の中に広がります。こんなにおいしいパンが家で焼けるなんて、杉浦さんすごいな……と、改めて思いました。
杉浦さんによると、コロナ禍が始まった頃に、気に入っていたパン屋さんが閉店してしまったのだそうです。それなら自分で焼いてみようと思ったのが、パン作りを始めるきっかけだったそう。最初は本を参考にしていたけど、今ではそのレシピを自分流にアレンジ。サワー種を使って作ったというパンは、身体にも優しく、何より自分の好きな形に作ることもできる!
ひょうたんパンは、どちらも焼く前からひょうたん型に成形して作ったそうで、大小二つの丸いパンを組み合わせたのではないそうです。焼き上げてもその形が崩れず、きれいに残るんですね。
おいしかったです。そして、本当に可愛かった。手作り万歳!ごちそうさまでした!
(1159日目∞ 3月27日)