【P探】プレスリリースを通して世相を探っているような気がする「プレスリリース探訪(略称:P探)」です。
日本銀行が10月10日(2024年)に「生活意識に関するアンケート調査」の結果を発表しました。
前年に比べて現在、質問内容に対して、どのように感じているか…そんな「生活意識」を全国の満20歳以上の個人4000人を対象として同年9月に行った調査で、有効回答者数は2159人(有効回答率:54%)。
発表によると…
暮らし向きについて
「ゆとりがなくなってきた」という回答が52.7%と半数以上を占めて…
「どちらとも言えない」が41.3%、「ゆとりが出てきた」が5.3%と続いています。
物価に対する実感は「かなり上がった」が63.8%。
「少し上がった」は30.9%ですから合わせて94.7%が「上がった」と感じているわけですね。
物価にする生活意識は「感じている」とかいうレベルではない気がします。
実際に懐(ふところ)から、おカネが減っていきますからね。
現金だけでなくて電子マネーであろうとも、財布が軽くなる気分のスピードが高まっているのは明白で、働けど働けどという気分。
「感じる」という主観めいたものではなく客観的事実なわけで、スーパーのレジで支払いをするとき、僕の心のなかに「責任者出てこいッ!」って叫ぶ人生幸朗師匠が数え切れないくらい登場しています。
なお、昭和の関西人の基礎教養ですが、人生幸朗師匠をご存じない方はコチラをご参照ください。
コロナが収束してきたら、将来への視界もかなりスッキリとするかな…と期待していたけれど、残念ながらネットや既存メディアが伝える世界情勢の先行きはさらに不透明感が増している気がします。
まぁ、ハッキリくっきりと鮮明に悲惨な未来が見えてくるのも、なかなか厳しいし、もしかしたら本来は見えている現実を見て見ぬふりをしてる可能性もありますけど…
で、何か明るい話題を探してみると…
観光地にはインバウンド(訪日客数)のにぎわいが戻っていますね。
名所とか人気スポットといわれるエリアに近づけば、あえて探す必要がなくて簡単に実感しますし、電車のなかでも一目瞭然です。
とはいえ、実感というよりは痛感という気分に近いし、円安で「安い国」になったという背景もあって…………とか。
結局、気分が下がり気味になって暗い話題に事欠かない状態なので、この手の方面は打ち止めにします。
話題に困ったときは政治や、おカネの話は避けて、季節の方向に話を持っていくのが無難だと聞いたことがあります。
しかしです。
これも最近はねぇ。
季節というと夏の暑さといった異常気象の話になって無難で和(なご)やかとはいえない事態になっていて困ったもんです。
もう風呂に入ってビール飲んで、布団をかぶって寝るのが一番みたいな気分になりませんか。
僕はなります。
コロナ禍の最中の“巣ごもり”生活からは解放されたけれど、メーテルリンクの『青い鳥』の幸福観と重なるというんですかね。
結局、幸せって身近なところにあることに気づいたみたいな?
確かに風呂って身心の健康にもいいみたいで、アリナミン製薬の「健康サイト」にも「入浴による健康効果とは?疲労回復との関係や基本となる入浴方法も紹介」というコンテンツがあります。
「肩こり、腰痛、神経痛の改善」
「筋肉の疲労回復」
「リラックス効果・ストレス解消」etc.
…って!
風呂スゴい!
ほんとに「青い鳥」は家に中にいたと気がしませんか。
僕はします。
秘湯の源泉かけ流し貸し切り露天風呂でなく公衆浴場でも、ワンルームマンションのユニットバスでも極楽気分になれる自信があります。
言うまでもなく温泉旅館に泊まって露天風呂に入ったあと、部屋で、おいしい料理やビールを楽しむのは大好きですけどね。
ここでプレスリリースに目を向けてみると…
【結果発表】Simeji presents Z世代トレンドアワード2024
キーボードアプリ「Simeji」を提供する「バイドゥ」(東京都港区)がZ世代(2024年現在10~24歳)男女1万2464人を対象に実施した「Simeji presents Z世代トレンドアワード2024」の結果を発表していまして…
「コト部門」の「トレンドワード2024」の4位が「風呂キャンセル界隈」。
お風呂に入ることが面倒臭く入ることを“キャンセル”することを意味する言葉です。
プレスリリースによると「汚いけどがちおもろい」など、「その気持ちわかる?!」という実際によく使っているZ世代からの声が多く寄せられたそうです。
これを読んで僕は…
「健康にもいいのにキャンセルなんてけしからん!!!!! 責任者出てこい!」…とは、思いませんでした。
スーパーのレジでたびたび僕の心の中で叫ぶ人生幸朗師匠に登場していただく必要はなかったのです。
別にZ世代に媚(こ)びを売ってるわけじゃなく風呂って実際、面倒に感じることけっこうあります。
そういう意味で、入浴というのは奥が深い行為でもあるのかもしれません。
そういえば、ベルギーに生まれてフランスで活動してきた作家、ジャン=フィリップ・トゥーサン氏が書いた『浴室』という小説があります。
浴室に閉じこもって生活する若者を描いた作品で、映画にもなりました。
この作品を翻訳した仏文学者の野崎歓氏が、翻訳の経緯や内容のほかコロナ禍にもからめて解説してくださっている動画を見つけました。
出版当初のバブル経済時に、この本がトレンディドラマにも登場したエピソードなども紹介されていて興味深いので、視聴をお勧めします。
ご覧になってみてくださいね↓
「11月26日」は「いい風呂の日」だそうで、この日にちなんだものをはじめ、風呂に関するプレスリリースは毎日のように配信されています。
たとえば…
【11月26日はいい風呂の日】シャワー派?湯舟派? ウォーキングアプリ「aruku&」、歩行と入浴方法に関する意識調査
8割が「湯船に浸かる習慣」があり、入浴する頻度は「毎日」が7割超え!一方で若い年代ほど「週に1回以下」の比率が高く、シャワーだけの人が多い
とか
「冬バテ」のサイン!?「寒い季節に心身の不調を感じる」人は約6割!おうちでリラックスできる場所として「お風呂」があがるものの、半数以上の人がさらなる癒しを求めアップグレードしたい意向に!
とか
【入浴に関する調査】V会員約1,700人に聞いた!入浴に関する意識や実態を調査入浴が面倒だと感じる人は40%?
とか
経験者に聞いた!浴室のリフォーム・リノベーションに関する満足度調査
…といったアンケート調査結果の発表や、
新しいタイプの浴室などのプレスリリースも↓
「お風呂はもっと、自由でいい。」浴室は新時代へ たためる布製浴槽を備えた浴室「bathtope」を11月26日より販売開始
…といわけで、風呂には無限の魅力や可能性があるような気がします。
家のなかで開拓や発見、探検ができるスペースといっても言い過ぎではないかも。
それに、けっこう複雑な言い回しになりますが、“キャンセル”もまた風呂の楽しみ方のひとつのカタチではないかと思うほどです。
風呂以外に目を向けると“キャンセル”したくてもできないものもあるでしょうし、本当は“キャンセル”できるのにできないと思い込んでいることもたくさんあるかもしれません。
“キャンセル”すべきなのに右にならえで、してないこともありそうです。
そこをしっかりと峻別できれば、今を楽しんで将来への不安が軽減されそうな気がしますが、みなさんはいかがですか? (岡崎秀俊)