【P探】プレスリリースを通して世相を探っているような気がする「プレスリリース探訪(略称:P探)」です。

「立秋とは名ばかり まだまだ厳しい暑さが続いております」というのは立秋(2024年は8月7日)を過ぎた残暑の時季に手紙で使う常套句ですけどね。

もう暑さが“残ってる”っていう感じじゃなかったですよね、立秋が過ぎても。

もう現役バリバリ。
定年延長で「とりあえず会社に残ってる」と言ってた知り合いがいて、どうも社内での存在感は薄れている気配でした。
だいたい「残る」っていうのはそういうもので、「残りものには福がある」っていう諺(ことわざ)も「残り」にはポジティブではないイメージがあって逆説的だからこそ響くわけです。

古典落語「居残り佐平次」の「居残り」だって遊郭で金を払えずに拘束されることですから、この「残り」だって、あんまり自慢できたことじゃない。だけど、居残った佐平次さんが客から気に入られて祝儀までもらい始めるので、「居残り」のイメージとのギャップで面白いわけです。

なので「残暑」っていうのは一応、「いや、もうすぐ御暇(おいとま)しますけどね。暦と実際の季節とのズレもありまして、すみません、もうちょっとお時間いただけますか」っていう夏の名残りみたいな奥ゆかしさがあったような気もしますが、最近はそうじゃない。

「暑さ寒さも彼岸まで」っていうのも怪しい。

2024年の秋彼岸は9月19日から25日までの1週間でしたけどね。この間の大阪の最高気温はだいたい30℃を超えていて35℃近い日も珍しくありませんでした。

真夏です。

居残ってるというより居座ってる…否…堂々と腰を据えて当たり前に業務に邁進してる。

「◯◯さん、昔なら隠居の年齢なのに新入社員よりパワーありますね」と中堅社員から声をかけられそうな感じっていうんでしょうか…。もちろん、その声も発する人それぞれによって裏には色々なニュアンスの違いもあるんでしょうけど…。

それはさておき、兎にも角にもです。
「2024年夏は史上最高に暑かった」
…と国立研究開発法人「国際農林水産業研究センター(JIRCAS)」がウェブサイトでも言い切っています。

そんな事態はプレスリリースにも反映されていて、まずはこれ↓

過去最も暑い夏だった8月、赤ちゃんの名前は「夏ネーム」が増加!人気漢字1位は「夏」!「マリンネーム」「お日様ネーム」が大人気2024年『8月生まれベビーの名付けトレンド』発表

育児支援サイトを運営する「ベビーカレンダー」(東京都渋谷区)が2024年8月生まれの赤ちゃん7795人を対象に調査した『8月生まれベビーの名付けトレンド』を発表していて…

記録的な暑さが続いた8月、女の子の名付けで最も多く使われた漢字は「夏」でした。「夏」を用いた「夏ネーム」は、女の子では7月145名から8月は205名へと60名も増加。なんと、121種類のバリエーションで名付けられていました。男の子でも7月43名から8月は66名へと20名以上増加していました。

…とのこと。暑さが赤ちゃんの命名にも影響してしまっているようです。

2024年8月生まれ人気の名前ランキング|ベビーカレンダー月間名前ランキング調べ

今夏の暑さについては「パナソニック」からは、こんなプレスリリースも↓

今夏のエアコン利用時間&利用増加時間47都道府県ランキングを発表。昨年比で最も利用時間が伸びた都道府県は? 「夏じまい」サボったら冬の暖房代がアップ。 エアコンのプロが教えるエアコン夏じまい

プレスリリースによると…

気象庁によれば、8月の気温は各地で記録的な高温となり、特に西日本では、月平均気温平年差が+1.8℃となり、1946年の統計開始以降、8月として1位の高温となりました。エアコン利用増加時間ランキングにおいても、四国・九州・沖縄地方の西日本エリアが上位を席巻し、上位5県では1ヶ月平均で50時間以上も昨年から増加。8月の記録的な暑さを反映する形となりました。

夏のエアコン利用増加時間ランキング 2024

こういう事情で…

冷房で酷使したエアコンは、暖房稼働に備えてしっかりとお手入れが必要です。さらに、気象庁によれば今年は厳しい残暑が予想され、お手入れをしないままに暖房シーズンに突入してしまう「夏じまい忘れ」も懸念されます。

「夏じまい」をサボったら冬の暖房代があがる可能性があってエアコンの汚れが電力消費量の増加につながるそうで…
「お手入れをしないままに暖房シーズンに突入」っていうのはほんとに気をつけないといけない。
「寒っ!」って思ったら、もう冬で「秋はどこへ行ったの?」ということになりかねませんから油断大敵、夏じまいのタイミングを逃さないようにしたいものですね。

というわけで…下手をすると気づかない間に過ぎていそうな秋をテーマにしたプレスリリースも紹介しますね。日本って四季があるっていうのが魅力のひとつにもなってますからね。秋を取りこぼすわけにはいきません。

【秋と言えば?】食欲の秋・スポーツの秋・読書の秋…6割以上が新たなことに挑戦しやすい季節と回答!どう過ごす?

「ヤマワケ」を運営する「WeCapital」(東京都港区)が20代から40代までの男女1001人を対象に「秋にやりたいこと」に関する調査を実施していて…。

「『〇〇の秋』といえば、何を思い浮かべますか?」という質問に対しては「食欲の秋」という回答が62.4%を占めて最も多く、次いで「スポーツの秋」(10.5%)、「読書の秋」(8.7%)となっています。

「『〇〇の秋』といえば、何を思い浮かべますか?」

「『秋』は、新たなことに挑戦しやすい季節だと感じますか?」と質問には「とても感じる」(14.3%)、「やや感じる(48.5%)」と回答。6割以上が「新たなことに挑戦しやすい季節だ」と感じているようです。

約6割の方が、“〇〇の秋”といえば「食欲の秋」を思い浮かべるようです。

そこで…気になったのが、このプレスリリース↓

「運動習慣の実態と意識に関する調査」結果を発表 

「スポーツの秋」「スポーツの日」(10月14日)に向けて、「ニッスイ」(東京都港区)が全国の30代から70代までの男女1000人を対象に「運動習慣の実態と意識に関する調査」を実施しています。

日々、運動習慣がある人は全体の約6割で、そのうち約3割が毎日運動している一方、3人に1人は全く運動をしていないという結果で…。
ふだん全く運動しない人に、運動をしない・できない理由を聞いたところ、約半数が「面倒くさい」と回答…。

一刀両断、身も蓋もないけど「わかるわぁ」と思わず声が出てしまいました。
運動をしない・できない理由
腰痛に効く体操みたいな動画を再生しながら、やってみると、だいたい翌日、余計に痛くなってるような有り様で、続かないんですよね。

運動をしたほうが良いという客観的な根拠はいっぱいあるけど、運動をしない理由はそれ以上にあるかも。

もちろん健康とか環境の事情があって運動ができない方もおいででしょう。
運動をするよりしないほうが差し引きプラスなら、しないほうが正解なのは当然です。

でも、この「面倒くさい」の“壁”は高くて攻略が困難。
せいぜい陸上競技のハードルくらいのこともあれば、気分によってはエベレスト(標高8848メートル)をしのぐと感じることもあって一定じゃない。
その日の気分次第で、変幻自在です。

でもプレスリリースによると「特に運動しているのは70歳代が一番多く、年代が上がるにつれて運動意識の高さがうかがえる結果となりました」ということなので、60代になったばかりの僕はこれから意識が高くなって「面倒くさい」の壁を越えられる…………かもしれません。自信ないけど。

それから秋といえば「芸術」のイメージもありますよね。

フィガロジャポン11月号「世界のどこかで、アートが!」は9月20日(金)発売です。ルイーズ・ブルジョワや塩田千春、国内外の芸術スポットからコレクターの暮らしまで、アートの現在形を濃縮して特集。

表紙は綾瀬はるかをパリで撮り下ろし! キレイと心地良さを追求してコスメを選ぶ「フィールグッドビューティ賞」や、スコットランド旅特集にも注目。

…とのこと。

フィガロジャポン2024 年11月号「世界のどこかで、アートが!」

秋に公園のベンチで熱いコーヒーを手に読みたい気がします。
でも、気がつけば「あぁ寒(さぶ)うっ!」って首をすくめて「家の外におられへんわ」という冬になりそうなので、気を引き締めて、しっかりと一瞬かもしれない秋をつかまえたいものです。(岡崎秀俊)