【P探】プレスリリースを通して世相を探っているような気がする「プレスリリース探訪(略称:P探)」です。

新聞記事の「第三次世界大戦」という文字にこれほどの生々しさを感じるのは60年近く生きてきて初めてです。

そんななかで最近、頭のなかをリフレインしているのが…。
港湾労働をしながら思索と読書を重ねて著作活動を続けたエリック・ホッファー(1902~83年)の本のなかの一節…。

「多くの武器や道具は、もともと玩具だった。弓は武器になる前は楽器だったし、車輪は道具として使用される前は玩具だった」『魂の錬金術』作品社刊・中本義彦訳)

野生の動物に比べれば、生存という目的に対して不完全な人間が、動物以上の存在になれたのは生存には必要不可欠でないものに対する思い入れがあったからで、それこそが「すぐれた装備と明確な目的をもつ動物に対して、人間が勝利することを可能にした発明の源泉となった」。

「沖仲仕の哲学者」と呼ばれたホッファーは、そう述べて…。
「芸術は実用品の製作よりも古く、遊びは労働よりも古い。人間は、必要に迫られたことよりも、遊びでしたことによって形作られてきたのだ」と明言しています。

音楽を奏でる楽器が武器としての弓となったのは皮肉なことですが…。
僕は武器による戦闘よりも先に音楽が先にあったとすれば、人間の本質に光が見えるような気がします。

何というか…。
「不要不急」なことが、長い目でみるとなかなか大切なようです。

そこで…。
今回は音楽に関係するプレスリリースを3件、ご紹介します。

ひとつめは…。

NEW OPEN【ジャズ羊羹を五感で味わう】湯布院 ジャズとようかんの姉妹店「ミチカケ COFFEE ANCO MUSIC」が3/26(土) 京都市役所そばにオープン。

大分・湯布院で「洋服を着た和菓子」をコンセプトにしたスイーツを販売する店「ジャズとようかん」が京都にギャラリーを併設したカフェを出店、という話題です。

音楽・本・アートに囲まれた店内で、ジャズ羊羹をこだわりの珈琲とともに五感で味わえる隠れ家的なカフェ&ギャラリー

…とのことで、「ジャジーなあんこスイーツ」だという「ジャズ羊羹」に何とも言えない関心を覚えました。

「ジャジーなあんこスイーツ」だという「ジャズ羊羹」

羊羹といえば、嗜好品である“お菓子界”にあって、究極に無骨なのが持ち味であり魅力です。
食べ物なのにレンガの親類のようなフォルムが特徴ともいえる羊羹がですよ。
ピアノの鍵盤のデザインでデコレーションされて、もう羊羹とはいえない姿かたちになっているのに…。
「ジャズ」という“前置き”のような修飾はあるものの…。
しっかりと「羊羹」と名乗っている勇気に感服せずにはいられません。
そもそも様々なジャンルの音楽で使われるピアノをモチーフにしながらですよ。
「ジャズ羊羹」
…と言い切ってしまう意味不明の潔さで押し切る勢いもスゴいです。

ジャズ羊羹にホッファーが言う「必要に迫られたことよりも遊び」の極みが見えるような気がするのは僕だけですか?

で、次は…。

関西をアツくする音楽プラットフォーム『音蔵カンサイ』、いよいよスタートします!

ざっくり言うと…。
「実力あるアーティストが音楽で食べていけるカンサイ」「街を歩けば、素敵な生演奏に当たるカンサイ」を実現するためのネット上の“たまり場”ができますという感じの話です。
アーティストとファンがつながる機会を増やして、お互いの良い縁を広げていきましょうという感じでしょうか。

音蔵カンサイのイメージイラスト

トーキョーへ行かなくてもカンサイに住みながら音楽で食べていけるアーティストが増えればいいですね。

最後はこれ。

【レント&ヴィヴァーチェ】グローバルマーケットを見据えてホームページをリニューアル

タイトルだけを見ると何のことやらわからないのが残念ですが…。

レント&ヴィヴァーチェのサイト

レント&ヴィヴァーチェのウェブサイト。日本語をはじめ英語、スペイン語、フランス語、ドイツ語に対応しています

レント&ヴィヴァーチェとは…。

弦楽器、木管楽器、金管楽器のアマチュア演奏家に向けて、クラシック名曲を13種類の楽器独奏用に編曲し、楽譜PDFデータと併せて伴奏音楽MP3データをセットにしてインターネットでのダウンロード販売するサービス。

そんなサービスが世界のどこでも使いやすいようにホームページをリニューアルし多言語対応、海外クレジット対応、電子決済対応、ログイン機能付加などのバージョンアップをした、というわけです。
レント&ヴィヴァーチェは…。

音楽を通して人と人の心を価値観を超えた次元で結びつけ「音楽にあふれた社会をつくることが平和な社会を作る一助になる」と考えます。

…とのこと。

同感です!

(岡崎秀俊)