足で描くダイナミックなアクション・ペインティングで世界的に知られる画家、白髪一雄(1924-2008)。没後10年を節目とした絵画展が、出身地・尼崎市の尼崎市総合文化センター5階美術ホール=兵庫県尼崎市昭和通2-7-16=で開かれている。12月16日まで。

《天暴星両頭蛇》 1962年 京都国立近代美術館蔵

天井から吊ったロープにつかまり、床に広げたキャンバスに絵の具を置いて、素足をすべらせて描くという描法を編み出し、数々のダイナミックな作品を描いた、白髪一雄。1950年代より始まるこの作品群の中でも、「水滸伝豪傑シリーズ」(全108点)は海外でも高い評価と人気を得ている。本展では、同シリーズのうち、国内の美術館が所蔵する作品20点を集め、展示している。

『水滸伝』は、白髪が少年時代から愛読していた、中国・明の時代の伝奇小説。「水滸伝豪傑シリーズ」とは、物語に登場する豪傑108人の名前を愛称のように題名につけた作品群を指す。これらの絵は、前衛美術グループ「具体美術協会」で活躍した1950年代末から1960年代前半に描かれ、ちょうど30代後半から40代にかけての血気盛んなころにあたる。

白髪が渾身のエネルギーをぶつけた、アクション・ペインティング作品の真骨頂といわれる作品の数々を、まとまって見ることのできる絶好の機会だ。

12月1日と15日には作品解説会、9日には美術資料アーカイブに関するトークイベントが行われるほか、同センター4階の「白髪一雄記念室」では、2019年3月17日まで、第12回展示「中国への憧れ」を開催中。

詳しくは同センターのホームページで。