天満宮と「福部社」の謎 (後編)

by 丸黄うりほ

①大阪天満宮の節分。「海苔チャリティーセール」が開催されていたようです

②瓢遊さんの「瓢箪石」

③紅梅がきれいに咲いていました

④赤く塗られた祠が目立つ「老松神社」

⑤ご祭神は「住吉大神 神功皇后」

⑥並んで建つ「老松社 紅梅殿」と「白太夫社」

⑦「老松社 紅梅殿」のご祭神は「御愛樹之霊」!

⑧「白太夫社」のご祭神は「渡會春彦」 

昨日の続きです。ネットを調べていると、大阪天満宮には「老松社」が二つあることに気がついた……。正式には「老松神社」と「老松社 紅梅殿」という別の名がついているのですが、これはいったいどういうことなのだろう?

というわけで、節分の日、私は実際に大阪天満宮へ足を運んでみることにしました。

朝から大阪天満宮の境内では毎年恒例の「海苔チャリティーセール」が開催されていたようですが、私がお参りした時間帯にはもう終了していました(写真①)。ほかに節分らしい行事が行われているようすはなかったです。

本殿お参りの後、私は境内の西北にある瓢遊さんの「瓢箪石」にお参りをしました(写真②)。この、ひょうたん型をした「瓢箪石」については、「ひょうたん日記」620日目をぜひお読みくださいね。

「神楽殿」近くの庭では、紅梅がきれいに咲いていました(写真③)。さて、目当ての「老松社」は境内のどこにあるのでしょうか?

まず、先に見つけたのが「老松神社」のほうでした。境内の西南、蛭子門の近くに鎮座する「老松神社」は、赤く塗られていてよく目立ちます(写真④)。

立て札を読むと、ご祭神は「住吉大神 神功皇后」とありました。そして、もともと大阪市北区老松町にあった「老松神社」から、平成2年に遷宮されたものだと書いてありました。大阪天満宮の摂社には「住吉神社」がすでにありますから、それとは別にしたのですね。こちらの「老松神社」は、由緒からして私が探している「老松社」「福部社」とはまったく関係がなさそうです(写真⑤)。

もうひとつの「老松社 紅梅殿」は、境内西南角の奥まったところにありました。祠が二つ並んでおり、立て札を見ると左が「老松社 紅梅殿」で、右が「白太夫社」とあります(写真⑥⑦⑧)。

「老松社 紅梅殿」のご祭神は「御愛樹之霊」で由緒は不詳。なんと祀られているのは木でした!

「白太夫社」のご祭神は「渡會春彦」。渡會春彦は菅原道真の養育係だったといわれる実在の人物ですね。道真の漢詩の先生であり、北野天満宮の「老松社」と太宰府天満宮の「福部社」に祀られている島田忠臣とも交流があったようです。

この二つの祠は一対になっているようで、「紅・白」と名前も一対になっているような気もします。

大胆に推理しますと、「老松社 紅梅殿」にはもともと島田忠臣が祀られていたのではないでしょうか? 「福部社」は? 「老松社 紅梅殿」あるいは「白太夫社」と合祀したのではないでしょうか?  立て札に「由緒不詳」と書かれていることから、私の妄想は果てしなく広がっていきます。

今回わかったのはこのへんまでなんですが、天満宮の摂社「福部社」の謎については、これからも引き続き調べていきたいと思います。

(924日目∞ 2月8日)