ひょうたんのかたちは、ぜーんぶ素敵だ!

by 丸黄うりほ 

①中野由紀昌さん、カラヴィンカひょうたん「雷神」の実をすべて収穫!

②KFさんも、千成ひょうたん「後白河」の実をすべて収穫!

③ヒロミさんはUFO(?)らしくない実3個を収穫!

④タネ出し用の穴は、実の真ん中にあけました

⑤どんな楽器になるのかな?

⑥タネもUFOとイプ、両方の特徴をもっています!

⑦植木鉢栽培の2苗にも実がなりました!

10月18日に一気に紹介した、2022年ヒョータニストさんたちのひょうたん栽培のようす。それから約3週間たって、ぞくぞくとうれしい収穫のお知らせが届いています!

まず、写真①をご覧ください。こちらは福岡市の中野由紀昌さんに育てられた、カラヴィンカひょうたん「雷神」の実たちです。福岡県糸島市のカラヴィンカさん(733日目   &  734日目)出身の苗だけあって、同じ遺伝子を感じるかたちですね。

特に大きいほうの実は、口部から上の膨らみにかけてのラインがとてもエレガント。ウェストは細くしまり、ふっくら丸い下半身もかわいいですね。小さいほうの実は千成くらいのサイズで、つるりと口部がないタイプ。これまたキュートで上品です。

続いて、写真②をご覧ください。こちらは、東大阪市のKFさんに育てられた千成ひょうたん「後白河」の実たちです。最後まで残していた3個を収穫し、すべての実の水漬け作業をスタートしました。1株で17個の実をつけた「後白河」、大豊作でしたね!

「後白河」の実は、ころころと丸く、ふっくらとしたタイプ。なんだか笑える、愛嬌を感じるかたちです。タネ出し用の穴は、実の口部にあけたものと底にあけたものがあるようですが、KFさんによると「かたくて、小さくて、あけにくかった」とのこと。かたいのはしっかりと完熟している証拠だと思います。

さて、続いては兵庫県淡路島のヒロミさんのひょうたんにいきましょう。昨年収穫したUFOから採取したタネをまいて育てたはずなのに、なぜか「お母さん」とは似ても似つかぬかたちの実がなった、UFO(?)たち。「ペガッサ星人の涙」と名付けられた3個の実を無事に収穫しました。(写真③)

この3個は、ボトルのようなその形といい、皮の表面に浮きだしている白い模様といい、昨年隣で育てていたイプの雄花 –「お父さん」の遺伝子を強く受け継いだことはもはや間違いないと思います。

ヒロミさんは、このUFOイプのボディの真ん中に、タネ出し用の穴をあけました(写真④⑤)。この穴をサウンドホールにして楽器をつくる予定だそうです。どんな楽器になるのでしょう?ワクワクしますね!

興味深いのは、このUFOとイプのハイブリッドから採取したタネのかたちです。写真⑥をよくご覧ください。先細りの三角に近いかたちをしていて、これはイプではなくUFOの特徴です。私の観察では、イプのタネは角ばった、四角に近いかたちをしていました。しかし、純粋なUFOのタネよりは全体的にごつごつしていて、イプらしさも感じます。このタネを来年まくと、果たしてどんなかたちの実がなるのでしょう?

最後に、写真⑦をご覧ください。こちらの2苗は、今年ヒロミさんのお宅の玄関先で育てていた鉢植えで、今回が「ひょうたん日記」初登場になります。写真③〜⑥のひょうたんと同じ「お母さん」のタネをまいて育てた苗なのですが、二つともぜんぜん違うかたちの実がなりました。

写真左の苗になった実は、本来のUFOの実に近いかたちをしています。やや中央の盛り上がりが大きめですが、カボチャのように丸いかたちは「お母さん」似といえるでしょう。

写真右の苗には実が2個なっていますが、小さいほうの実はタマネギ型。これも、まあまあ「お母さん」に似ているといえる範囲でしょう。

不思議なのは、大きいほうの実です。この歪みはいったいなんなのでしょう? 自分がどんな形の実になればいいのか迷って、迷いすぎて、こうなっちゃった……という感じがします。

しかし、こんなかたちのひょうたんは作ろうとして作れるものではありません。正直いって、「たまらんかわいさ」です。私は、こんなかたちの実に恵まれたヒロミさんが、本気で羨ましくてなりません。

(868日目∞ 11月10日)