これがホントの野良ひょうたん!

by 丸黄うりほ 

①田んぼのあぜに、ウリ科植物の葉を発見?

②これは……ひょうたんの葉です!

③いきいきしてます。全部で4株あるらしい

④野良ひょうたん「スカル」も花の季節

⑤12センチほどの実もついています!

⑥こちらは庭植えの百成「アクセル」の実

⑦今年の本命、大瓢エース「翔太郎」の実 

ヒョウタン総合研究所所員であり、三重県いなべ市在住のヒョータニストでもあるふじっこさん。先週末、自宅近くを散歩していたら、田んぼのあぜ道にウリ科植物の葉らしきものを発見!(写真①)

キュウリか、カボチャか……と近寄ってみると、なんとこれはひょうたんの葉では?

……と、その時すっかり忘れていたことを思い出したのだそうです。

「そうだった、この場所になんとなくタネをまいてみたんだった……!」

自分がタネをまいたのに忘れていたというふじっこさん、どうしてそんなことになったかというと……。

ふじっこさんの今年の本命ひょうたんは、畑で栽培中の大瓢エース「翔太郎」と、大ひょうたん「フィリップ」です。いずれも安田ひょうたん店で苗を入手したもので5月に定植。また、庭のほうでは同じく安田さん出身の百成「アクセル」と、自分でタネから育てた百成「エターナル」「亜樹子」を栽培しています。この「エターナル」たちの発芽に手こずっていた5月ごろ、去年の百成「ピーター」からとったタネをここにパラパラとまいたのだそうです。

ふじっこさんは、「ピーター」の実の形がとても気に入っていて、本当は今年もこのひょうたんを育てたかったそうなのですが、あいにく「ピーター」は去年伝染性の病気になってしまいました。病気に罹ったひょうたんのタネをまくと、次の年も発症するおそれがあるのです。(「ピーター」についてはこちら2021年9月15日の日記

そこで、泣く泣くほとんどのタネは捨てたそうなのですが、どこかに諦めきれない気持ちが残っていたのでしょう。

しかしまあ、何の世話もしなかったのによく発芽して、ここまで大きくなったものですね。これこそ本物の野良ひょうたんです。

ふじっこさんによると、このひょうたんは全部で4株あるそうです(写真②③)。「ひょうたんって、お世話をしても育たないこともあるのに、ほったらかしておいても育つという……。弱いんだか強いんだかわからない植物ですよね」と、ふじっこさん。「まるで一昨年のベムベラベロの再現みたい」とも。

いやいや。今年の野良たちは、一昨年のベムたちよりもずっと元気に見えます。ベムたちは日陰に追いやられていましたが、今年の野良は日当たりのいい場所で堂々としていますもんね。(ベムたちについては309日目の日記に書いています)

でも、この野良ひょうたんの命もそう長くはなさそう?話をきいたふじっこさんのお母さんが「近いうちに刈り取らなくちゃ」とおっしゃっているのだとか。よその人の土地なので、当然かもしれません。しかし、百成「スカル」のように、その土地の所有者さんが見逃してくださったら……。

さて、その百成「スカル」の続報です。野良ひょうたんだったにもかかわらず、心優しい隣のおじさんのおかげで引っこ抜かれることもなく、棚まで作ってもらってすくすくと成長しています。たくさん花もついていますね!(写真④)

現在「スカル」には12センチほどの実がついているそうです(写真⑤)。もう少し小さい実もあと3個ついているとかで、本当によかったよかった。

一方、「スカル」の兄弟苗である庭植えの「エターナル」と「亜樹子」にはまだ実がないらしい。こちらはちゃんとお世話をしているのに、いったいどういうことでしょう?

安田ひょうたん店出身の百成「アクセル」には20センチほどの実が2個でき、ひょうたんになりかけの小さめの実を入れると10個ほどなっているそうです。なかなかいい形ですね(写真⑥)。

畑のほうでは、大瓢エース「翔太郎」の一粒種の実が順調に大きくなっているようです。ネットに包まれていて写真ではわかりにくいですが、現在50センチほどになっています(写真⑦)。成長が遅れていた大ひょうたん「フィリップ」にも実がつき始め、いちばん大きいものが20センチくらいになったのだとか。

お世話をしても不機嫌だったり、ほったらかしでも元気だったり。ひょうたんの気持ちはなかなかわからないですね。ともあれ、ふじっこファームが今年も豊作となりますように!

(798日目∞ 7月28日)