ミラクル?開花2日後の雌花が受粉に成功

by 丸黄うりほ

①7月2日、フェイ・ターンさんの畑で咲いた雌花

②2日後に咲いた雄花と受粉してみたところ……

③7月7日。なんとふくらんできました!

④ミラクルちゃんと命名!マスクのベッド、葉っぱの雨よけも協力

⑤ひょうたん畑にカマキリも遊びに来た!

⑥トンボも!

⑦セミも!なぜか訪問者がいっぱい!

ひょうたんの花には雄花と雌花があり、どちらも夕方に白い花が開き、翌日の朝にはしぼんでしまいます。同じ夜に両方の花が咲きそろい、雌花の花芯に雄花の花粉がくっついて、うまく受粉ができればご懐妊♡ 雌花はその後だんだんとふくらんで、やがて立派なひょうたんの実になります。

しかし、同じ日に雄花と雌花の両方が咲き揃わないことも多い。雄花だけ、雌花だけの場合、その花は一夜だけ花火のようにきらきらと咲いて、翌日は茶色く枯れてしぼんでしまいます。

そんな儚いひょうたんの花のランデブーなのですが、じつは私、10数年前に常識をくつがえす発見をしました。(えっへん!)

私は試行錯誤しながらひょうたん栽培をしているただの素人ですが、園芸本にもネットの情報にもまったく出ていない方法で、雄花を数日間生かすことに成功したのです。それは、まったく単純なことでした。雄花を新鮮なうちに切り取って、ジップロックかタッパーに入れて冷蔵庫に保存するだけ。そうすれば、雄花の花粉は鮮度が保たれ、翌日咲いた雌花とも受粉可能であることがわかったのです。今までの実験では最大3日後まで雌花懐妊に成功。おかげで収穫できるひょうたんの数がぐっと増えたことはいうまでもありません。(えっへん!)

しかーし、しかーし。

雌花のほうは切り取って冷蔵庫に入れるわけにはいきませんから、こちらの命は一夜限りだとずっとあきらめていました。ところが、その常識をくつがえすような報告が、数日前にヒョータニストのフェイ・ターンさんから寄せられたのです!!

経緯は以下の通りです。7月2日、フェイ・ターンさんの畑で大ひょうたん(百成)の雌花が1つだけ咲きました(写真①)。しかし、この日は雄花がまったく咲かず、翌日も雄花はなし。雌花の花びらは茶色く枯れてしまいました。

7月4日、待望の雄花が咲きました。ところが、今度は雌花が咲いていない。そこで、フェイ・ターンさんはダメモトで2日の雌花に雄花の花粉をこすりつけて受粉してみたのだそうです(写真②)。

すると、7月7日に、なんとその雌花がふくらんできているのを発見! (写真③)

開花後2日たってからの受粉で、実がふくらんできた経験は私にはありませんでした。しかし、今回のこのフェイ・ターンさんの試みで、3日目の雌花でも懐妊することがあるということが証明されました。

ちなみに、ひょうたんの雌花は受粉に成功すると、花びらの下にあるひょうたん型をしている子房が少しずつふくらんでくるだけでなく、その部分がツヤツヤ、ピカピカしてくるんですよね。逆に受粉できなかった雌花は光を失って、だんだんと茶色くなってきます。なので、うまくいったかどうかは栽培経験がある人には一目でわかるのです。

いやー。本当によかったですね。私もびっくりしましたが、ものすごくうれしいです。何ごとも決めつけちゃダメだ、あきらめちゃダメだ、やってみればうまくいくこともあるよと、ぐっと背中を押されたような気がします。

フェイ・ターンさんは、このひょうたんに「ミラクルちゃん」と命名。ただいま、マスクのぶらんこに乗せて可愛がってらっしゃいます。しかも雨が降ればちょうどいいところに出ていた葉が傘の役目までしてくれて、みんなでこの実を守っている感じ(写真④)。

さらに「ミラクルちゃん」がふくらみ始めてから、フェイ・ターンさんの畑にはなぜか訪問者がいっぱいやってくるようになったのだとか(写真⑤⑥⑦)。

「ミラクルちゃん」、まるでメルヘンの主人公のような幸せひょうたんですね♡ このまますくすく大きくなりますように!

(787日目∞ 7月12日)