大変だ!千成「ネルウァ」の様子がおかしい
by 丸黄うりほ
「ひょうたん日記」は、日記ですから当然ですが、現在進行形です。何が起こるか書き手も予想がつかないまま、その日のひょうたんの様子をお伝えしております。しかしまあ栽培が順調であれば、だいたいこうなって、次はこうなって……とある程度は先が読める。しかし、アクシデントはいきなりやってくる。じつは今も、この先がわからず悩み中ですが、ひとまずここまでの経緯を書いておこうと思います。
我が家の千成ひょうたん「ネルウァ」、6月14日(767日目)にお伝えした時点では、親蔓の摘心をすませ、まあまあ普通に成長していました。写真①は6月19日の撮影で、子蔓が元気よく出てきたところです。この日は、蔓を這わせるための支柱を2本増やして合計4本にしました。
写真②③④は6月20日の様子です。プランターをベランダの中央に移動しました。我が家のベランダは真ん中の部分に磨りガラスがはまっており、あまり陽が当たらないため、毎年ひょうたんの蔓がラティスの高さまで成長して、陽が当たる丈まで伸びてから移動することにしているのです。
子蔓は、6番、7番、8番、9番、10番の葉の脇から伸びてきており、ここから2本だけを残してあとはカットします。というのは、ひょうたんの実は孫蔓にたくさんつくため。私はまず、一番下から出ている貧弱な6番をカットしました。
子蔓は通常、上から2本を残すのが一般的なのですが、10番がどうも高い位置から出すぎているような気がしました。9番と8番はどちらも左向きに出ていて、勢いからみても位置から見ても9番だろうということで8番をカット。右向きは10番と勢いのある7番でちょっとだけ悩み、結局10番を残しました。
9番の子蔓は写真③のようにベランダの南方向へ。10番の子蔓は④のように北方向へ、ビニタイを使って誘引しました。今から思えば、このときに何かまずいことをしたのかもしれません……。
翌日の21日は雨が降っていました。「ネルウァ」のご機嫌をうかがおうとベランダへ出たとき、「ネルウァ」の親蔓に縦スジが走っているような気がしました。
「えっ?」
私はとても目が悪いので、見間違いであってほしいと思いつつ、もう一度よく見ました。やはり、蔓の一部がタテに割れているように見えます。もうここからは心臓バクバクでした。
ひとまず蔓の割れたところに、「トップジンM」というペースト状の殺菌剤を塗りました。すると、その穴から水分がちょろちょろと流れ出して、オレンジ色をした「トップジンM」が、まるで絵の具を垂らしたように、あるいは血のように、蔓を伝ってつつつーっと下まで流れ落ちていきました。
子蔓の根元に近い親蔓の、ひょうたんにとって大動脈ともいえる部分から流れ出す水分。これはひょっとしたら大変まずいことになっているのでは……!!(写真⑤)
私はその瞬間から食欲がまったくなくなり、集中できなくなりました。でも、このまま放っておけない。なんとかしなければなりません。
まず、接木テープ「ニューメデール」をアマゾンに注文しました。それから、なぜこんな亀裂が入ったのかを考えました。最初に頭をよぎったのは、最悪の事態。つる割れ病かもしれないということでした。そうだとしたら、「ネルウァ」は数日で倒れてしまうだろう。しかし、なぜつる割れ病になってしまったのだろう?
思い当たるのは、ハサミでした。子蔓のカットをしたときに使ったハサミに、つる割れ病を引き起こす菌がついていたかもしれない。そこで、ハサミを100円ショップで買い直し、ハサミの消毒液を作り直しました。(写真⑥)
2日後の23日に、「ニューメデール」が届きました。(写真⑦)
このテープは本来は接木に使うものなのですが、去年、ヒョータニストのフェイ・ターンさんが、ひょうたんの蔓が切れてしまったときに応急処置として使ってらしたのを思い出したのでした。ものすごく薄く伸び、しかも巻きつけたところからでも芽が出る。巻きつけてしまうと、ほとんど植物と一体化してしまうという優れものです。
私はこれを巻くために「ネルウァ」の水やりを2日間ストップしていました。そして、蔓の患部に「ニューメデール」を巻きました(写真⑧)。その夕方には殺菌剤「ベンレート」を、たっぷりの水とともに灌注しました。
(777日目∞ 6月28日)