丹後宮津のひょうたん廃墟

by 丸黄うりほ

①ひょうたん型の看板が立っています!(撮影:ながれ牛さん)

②お店の名前は「双子岩」と読めます(撮影:ながれ牛さん)

③こちらは専用駐車場かな?(撮影:ながれ牛さん)

④このお店、断崖絶壁に建ってる?(撮影:ながれ牛さん)

京都・北野天満宮の節分に行われる「追儺狂言」(691日目)のときにお世話になったアマチュアカメラマンのながれ牛さんから、新たにひょうたん物件のお写真をいだきました。ながれ牛さんには、かつて福知山にあった「みたけ ひょうたん王国」のことも教えてもらい、そのことを「ひょうたん日記」(698日目)に書かせていただいたこともあります。

まずは写真①をご覧ください。道路脇に植栽と灯篭が立ち、その横に白いひょうたん型の看板が立っています。ひょうたん型にはネオン菅で「お食事処 ふたご岩 海の幸」と書かれているのが読めます。

その看板を反対側から撮ったのが、写真②です。緑色の屋根の建物には、「ファミリーレストラン お魚 双子岩」という文字が。

さらに写真③をご覧ください。これはお店の駐車スペースでしょうか?ここにもひょうたん型の看板があり、「喫茶 お食事処 双子岩」と書かれています。

この「ふたご岩(双子岩)」なるお店が、どういうロケーションに建っているのかがわかるのが、写真④です。写真の中央の、カーブした道路から海へ突き出している断崖絶壁の部分がお店のある場所なんです! 植栽に埋もれて見難いですが、よく目をこらして見ると緑色の屋根がちらっと写っています。そして、その突き出した部分の先端に、岩礁が見えますよね。

「限界集落」という言葉がありますが、この写真を見て私の脳内に浮かんだのは「限界レストラン」という言葉でした。ものすごいギリギリの場所に建っている。周囲には他の建物やお店らしきものも見当たりません。横はすぐ海ですから、さぞや絶景でしょう。しかし、海が荒れている日はそんな呑気なことを言ってられないような気もします。

この「双子岩」をネットで検索してみると、「双子岩茶屋」というのがヒットしました。最寄駅は北近畿タンゴ鉄道宮津線栗田駅で、駅からタクシーで行けるとあります。新鮮な魚、岩牡蠣なども食べられて、刺身定食なんかもある。お客さんのクチコミはなかなかいい感じです。しかし、「食べログ」は掲載保留となっている。

ながれ牛さんによると「ここ、すでに廃墟なんですよね」とのこと。建物と、ひょうたん型の看板だけが残されているのです。「みたけ ひょうたん王国」も今や看板だけが残っている廃墟でしたが、ひょっとしたら、ながれ牛さんは「ひょうたん廃墟写真」とでもいうべき新たなジャンルを開拓中なのでしょうか……?

「双子岩」という店名が気になって、さらにグーグルマップのストリートビューを見ていたら、なんとお店の横に広がる海の中に、これが双子岩なのではないか?と思われる二双の岩の写真が見つかりました。先日見た福岡県糸島市の夫婦岩(732日目)ほどこんもりした立派な岩ではないけれど、やはりひょうたん型をしています!

なるほど、それで看板がひょうたん型だったのか!

(744日目∞ 5月12日)