糸島・桜井二見ヶ浦の夫婦岩
by 丸黄うりほ
「ひょうたん日記」722日目から727日目まで(4月6日〜13日)、福岡県の太宰府天満宮で4月4日に行われた「厄晴れ厄よけ ひょうたん祭り」についてレポートしました。きょうからしばらくは、その神事に同行くださった中野由紀昌さんに連れていってもらった福岡県のひょうたんスポットについて紹介していきたいと思います。
中野さんは福岡市で「Edit Office 瓢箪座」を運営。その名からもわかる通り、とにかくひょうたん愛と九州愛に満ちた方であります。ひょうたんについては私もかなり愛が深いつもりですが、九州についてはまったくの無知。そんなわけで、旅程もコースも何もかも中野さんがお膳立てしてくださり、私はすっかり観光客になって頼り切ってしまいました。
4月3日の朝、太宰府天満宮の境内で「ひょうたん掛け所」をチェックした私たち二人は、その後、中野さんの運転する車で福岡市の西に位置する糸島市へ向かいました。
途中でお昼時になったので、今宿というところで下車。「福岡のソウルフードの店に連れていきますよ」と中野さんがおっしゃったので、ラーメンかしら?それとも明太子?と思っていたら、うどんでした。中野さん曰く、「県外の人には福岡はラーメンと思われているみたいだけど、じつは、うどんなんです。地元の人はラーメンよりうどんをよく食べるんですよ」とのこと。
食事をしたのは「釜揚げ牧のうどん」というお店。メニューがとてもたくさんあります(写真①)。……というのも、トッピングの種類がすごく多いんです。コロッケとか、豚キムチ(!)がのっているのまである。私はごぼう天にしました。麺の茹で方は「やわらかい・ふつう・かたい」から選べて、私は「ふつう」にしてみましたが、食べてみるとかなりやわらかい。この、ふわふわに茹でた麺が、福岡のうどんの特徴らしいです。う、うまいー!
絶品ソウルフードを堪能した後は、海岸沿いの道路を車で北西方向へ。糸島というのは島ではなくて半島なのですが、低い山が連なっていて、じつに風光明媚なところです。「最近、都会からこのあたりに移り住む人が多いんですよ」という中野さんの説明にも合点がいきます。
すっきりと晴れた空。ガラスのように透明な海。海水浴ができそうな、きれいな白い砂浜。まさに絶景。
……と、海岸に白い鳥居が立っているのが見えました。その奥にはこんもりとした形の良い岩が!
まるで夢にでも出てきそうな不思議な風景です。
車を降りて、鳥居の間から見ると、海の中に向かい合わせに二つの岩が並んでいるように見えました(写真③)、でも、少し斜めから見ると岩がくっついて見える。二つの岩の真ん中にくびれが……(写真④⑤)。
こ、これは!ひょうたん岩なのではないでしょうか?
私のひょうたんアイは、「これはひょうたん岩です!」と、きっぱり断言しています。ひょうたんアイにそう言われると、もう私にはひょうたんにしか見えません。私は「うわぁぁ、巨大なひょうたんだ!すごい!」と興奮しながら叫んでしまいました。
しかし、中野さんによるとこの岩の本当の名は「夫婦岩」というそうです。このあたりは桜井二見ヶ浦と呼ばれる名勝地で、近くにある櫻井神社の社地でもあり、イザナギとイザナミが祀られているのだとか。夏至の頃には二つの岩のちょうど真ん中に日が沈み、そのことから竜宮への入り口とも言われている神聖な場なのだそうです。
私は「夫婦岩」に、二拝二拍手一拝して、このたびの旅のご縁をいただいたことを深く感謝しました。
(732日目∞ 4月20日)
(明日に続きます)