イプの実を接ぎ木?フェイ・ターンさんの挑戦

by 丸黄うりほ

①フェイ・ターンさんの畑でも病気が発生

②大ひょうたんの実にも斑点が

③えっ?イプの実を接ぎ木?

④千成ひょうたんは無事でよかった!

⑤自宅ベランダの大ひょうたんも元気です

 

昨日の日記で、三重県いなべ市のふじっこさんの畑のひょうたんが病気にかかってすべて枯れてしまったことをお知らせしましたが、なんと瓢箪山のフェイ・ターンさんの畑でも同じような被害が起こっていました。

写真をみると、蔓が茶色くなってじわじわ枯れてくる症状で、おそらくつる枯れ病ではないか。つる枯れ病は、ディディメラという菌が引き起こす病気で、8月に雨の日が続いたことが関係していると思います。

フェイ・ターンさんの畑では、最初に大ひょうたん(百成)の株一つがやられて、一夜にして枯れてしまったそうです(写真①)。続いて隣に植えていたイプにも伝染して被害が広がってしまいました。その後さらに病気が広がって、今では同じ列に植えた株が全部やられてしまったのだとか……。大ひょうたんは実にも斑点が出てしまいましたが、収穫まであと少し。このままぶら下げておくことにしたそうです(写真②)。

イプの実は3個できたそうですが、大ひょうたんと同じく2つは枯れた蔓にそのままぶら下げておくことにしました。そして、蔓が切れそうになっていた1個は……、「大ひょうたんと合体させた」とのこと。私は最初、「合体」の意味がわからなかったのですが、写真を見せてもらって、「ええっ!」とびっくりしてしまいました。

どうぞ写真③をご覧ください!ユズの木の手前に支柱がタテヨコに立ててありますよね。そこから、ストッキングで補強した大きなイプの実がぶら下がっているのがわかると思います。イプの実につながっている蔓をよくみてください、途中ベージュ色をしている部分があるのがわかるでしょうか?

これ、なんと接ぎ木テープで接ぎ木をしているのです。実がなっていなくて枯れていない大ひょうたんが一株あって、その蔓を切断して、イプの蔓と合体させたのだとか!

いやー。この発想は私にはまったくありませんでした。さすがフェイ・ターンさん、転んでもただでは起きませんね。

こんな方法はひょうたんの栽培本にはもちろん載っていませんし、聞いたこともありません。うまくいくかどうかは未知数ですが、カボチャにひょうたんを接ぎ木して病気を防ぐ方法があるようなので、ひょうたん同士の接ぎ木もできるのではないかという気もします。この後、イプの実がどうなるか……、今後の報告に期待しましょう!うまくいくよう祈っています!

フェイターンさんの畑では、ほかに千成ひょうたんも栽培中で、こちらは病気を免れたようだということです(写真④)。ふじっこさん宅でも豆ひょうたんだけは病気にかかっていないと聞いていますから、やはり小型の実のなるひょうたんのほうが、大型の実をつける品種よりも強いのではないかと思います。

フェイ・ターンさんはあまった苗を自宅ベランダでも栽培されていたそうですが、そちらは全員とても元気に育っているようです(写真⑤)。あとひと月ほどの収穫までの日々、このまま乗り切ってくれますように!

(587日目∞ 9月1日)

 

  • 丸黄うりほ ライター・編集者。ひょうたんをタネから育て、その実から音の出るものを自作し、演奏する楽団「ヒョウタン総合研究所」立ち上げ所員。ソロで「オール電化ひょうたん」としても活動中。ひょうたん栽培歴は15年ほどになるが、畑がないので毎年マンション大(大阪市北区)のベランダでプランター栽培している。今年はイプ「ドミティアヌス」を栽培中。「花形文化通信」では、ほかにインタビュー記事を担当。
  • 2021年ヒョータニスト(ひょうたん栽培&加工に挑戦中) ふじっこさん(三重県いなべ市)、フェイ・ターンさん(大阪・瓢箪山)、ヤマミーさん(大阪府和泉市)、KFさん(大阪府東大阪市)、森野ゆかりさん(奈良県奈良市)、ヒロミさん(兵庫県淡路島)、美佐子さん(大阪北浜・フレイムハウス)、しょうゆさん(大阪西成・ココルーム)、西山朝子さん(大阪市淀川区・ウーピーキッチン)