ヤマミーさんのひょうたんのお灸
by 丸黄うりほ
③この大ひょうたんもいずれはお灸になる?
今週は3日連続(きのうの日記はこちら、おとといの日記はこちら)で和泉市にお住まいのヒョータニスト、ヤマミーさんが知らせてくださったトピックからお送りしています。
きょうの話題はひょうたんのお灸です。
ヤマミーさんのお仕事は鍼灸師。もともとひょうたんに興味をもたれたのも、「吸いふくべ」と呼ばれるセラピーへの関心からだと聞いています。「吸いふくべ」は「吸い玉」または「カッピング療法」とも呼ばれていて、現在はガラスの器具を使って行われることが多いようですが、その名称に「ふくべ」が残されていることからわかるように、昔はひょうたんで行われたケースもあったようです。
研究熱心なヤマミーさんは、古代医術や中国医術などの本もよく読まれ、調べ物もよくされていて、先日はひょうたんのお灸システムが紹介されている中医のウェブサイトを見つけて教えてくださいました。(ひょうたんのお灸システム:上海中医薬大学徐浦中医医院)
おそらく煙を排出するため(?)の管がついた百成くらいの大きさのひょうたんが、人の背中やおなかにぽーんと乗っている絵面は実にシュール。しかし、このひょうたんお灸、中国ではもしかしたらまあまあポピュラーなものなのか、器具を通信販売しているサイトまであるようです。
大阪にもこのひょうたんお灸を行なっているサロンがあるらしいのですが、とても高級なサロンらしく、「それなら自分で器具を買おうかなと思います」とヤマミーさん。さらに、ふじっこさんと3人で会話しているうちに、話が「もしかしたら自分で作れるかもしれませんね?」という方向に……。
そんなわけで、ヤマミーさんはお家にあったひょうたん(写真③)を使って、お灸システムを作れないかと現在考案中。「私も自分で育てたひょうたんで作ってみたいです」と言うと、「モグサも自作しましょう!」という流れに。もしかしたら近いうちに、この日記で「自作ひょうたん灸」の紹介ができるかもしれません。
さらに、ヤマミーさんは、その大型ひょうたんお灸システムに先立って、千成ひょうたんで小型のお灸を試験的に作ってみたのだそうです。それが写真①。
ヤマミーさんによると、「網の部分にモグサを入れ、火をつけ、輻射熱でツボを温めます」とのこと。ヒントにしたのは「箱灸」と呼ばれる器具(写真②)で、箱の部分をひょうたんにかえてみたのだとか。ひょうたんの裏側には穴が空いていて、その穴を肌に当てて使うのだそうです。この形状は、ひょうたんの茶こしを見て思いついたらしい。持ち手があるから使いやすそうだし、もしかしたら中国の大型ひょうたんお灸よりコンパクトで実用的かも?
いずれにしても、ヤマミーさんはアイデアがすごい。そして、その底に一貫してひょうたん愛が感じられるのが、本当に、本当に、うれしいです!
(569日目∞ 8月5日)