ロックとひょうたんで疫病に打ち勝つ!

by 丸黄うりほ 

▲聖ロック所縁のモンペリエの植物園にて(すぎなみさん撮影)

▲アマゾンで見つけた聖ロックの本。読みたいがフランス語。

▲聖ロックの置物。高級品。イタリア製ですよ。

▲「ロック」の大きな葉でパワーチャージするふじっこさん(手)

 

「ひょうたん日記」315日目(7月17日)で、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼の道と聖ヤコブの印が、ホタテ貝と杖に吊るしたひょうたんだということを書きました。

その日記に添えた聖ヤコブの写真を提供してくれた友人のすぎなみさんから、後日こんなメールが届いたのです。

「そういえば、フランスのモンペリエに2週間ほどいましたが、聖ロックという人もひょうたんの水筒を持って似たような感じだった気が……」

聖ロック?ひょうたん印の聖人が、ヨーロッパにはもう一人いる?

「写真を探してみたけど見つかりません。でもモンペリエで撮影したハスの写真が出てきました……」とのこと。

おフランスなのに、ひょうたんとかハスの花とか。なんだか似合わない感じですね。

……というわけで調べました。すると、出てきました、ぞくぞくと。

聖ロック。またの名を聖ロクス、ロッコ、ロッケなど。国によって微妙に呼び名が違うようですが、ヨーロッパでは有名な聖人で、その画像や彫刻はかならずひょうたんのついた杖とともに登場します。ホタテのついたものもあって、それだけだと聖ヤコブとそっくりなんですが、見分けるポイントが二つあります。一つは太ももの傷。そして、犬または天使を連れていることです。

聖ロックはモンペリエ生まれの14世紀の人だと伝えられています。良家の子息だったようですが、財産を投げ打ってペスト被災地に赴き、当時は接触すら忌み嫌われていた患者を癒し、看病した。そのうち自らも罹患してしまい、森に潜んで死を待っていたところ、奇跡的に泉が湧き出し、犬がパンを運んできて傷をなめとり、病気から回復した。そして再び故郷のモンペリエに戻ったのですが、誤解から投獄されて亡くなってしまった。しかし、人々は彼の死を悼み、ペストや疫病の守護聖人として崇めるようになったということです。

疫病の守護聖人!これは、今のコロナ禍中にもヒットするワードですよね!

ちなみに、ロックといえば、ふじっこさんが現在育てている大ひょうたんの名前と同じです。聖悠紀の漫画『超人ロック』からとって、名付けたらしいのですが……!これは偶然の一致なのでしょうか?

そして、もうひとつの偶然。あまり書くと宣伝になってしまうのでわかる人にしかわからないように書きますが、明日、神戸ビッグアップルで「rock day is hyoutan day!」というイベントがあります。8月8日は全日本愛瓢会が定めたひょうたんの日、そして伝説の8.8ロック・デイ……。出演はかつてワークルームで「かわいい物理」を担当されていた先生と、ちくわの人と、ひょうたんの私です。ピンときたらおいでください。

(328日目∞ 8月7日)

 

※次回329日目は丸黄うりほ「ひょうたん日記」、8月11日(火)にアップします。

 奥田亮の「でれろん暮らし」、8月10日(祝)はお休みです。