一年中ひょうたんに会える〜祇園「松葉屋」の和三盆

by 丸黄うりほ

①四条通南側、花見小路のすぐそばにある「松葉屋」

②銘菓「松露」は、祇園の舞妓さんご用達

③色とりどりの干菓子が並んでいます

④和三盆「花の歌人」にひょうたんモチーフが!

⑤葉っぱと巻きひげ付きのひょうたんです!

9月は雨続きでしたが、10月に入ってすっきりした晴れの日が多くなりました。食欲の秋というわけで、先週に引き続き今週もおいしいひょうたんと、おいしいひょうたん型を紹介していきたいと思います。

今回ご紹介するのは祇園商店街にある京風和菓子の店「松葉屋」さん。八坂神社の参道、四条通南側、花見小路のすぐそばという京都随一の賑やかな場所にありながら、いや繁華街の真ん中だからこそでしょうか、懐かしさを感じる昔ながらの和菓子店のたたずまいを保っておられるのが印象的です(写真①)。

こちらの代表的な銘菓は、大納言小豆と白小豆を砂糖の衣で包み込んだ「松露」(写真②)。粒がやや小さめで、中のあんがなめらかでとてもおいしい。小さめに作られているのは舞妓さんがおちょぼ口で食べやすいように、と何かで読んだことがあります。

お店のショーケースには、干菓子の詰め合わせもいろいろと並んでいて目を引きます。どれも華やかで、見ているだけで気分が上がります(写真③)。

さて、写真④をよーくご覧ください。「花の歌人」という名のついた和三盆の詰め合わせのなかに、ひょうたんモチーフがあるのがわかるでしょうか?

ひょうたん型の干菓子はいろいろな和菓子店で見かけますが、ひょうたんの実の形だけをかたどったものが多い。ところが、「松葉屋」さんのひょうたんは、実だけでなく、蔓と葉っぱと巻きひげがデザインされているのです。ひょうたんを栽培したことのある人なら、この葉の形の写実性にも惹かれると思います。

また、ひょうたんモチーフの和菓子は夏だけ店頭に出ることがわりあい多いのですが、「花の歌人」のこの組み合わせは季節によらず、一年中買い求めることができるのだそう。「ひょうたんは縁起もの。だから年中おいてます」とお店の方。数えてみると、1箱にちゃんと6個入っていて、無病(六瓢)息災をかなえてくれそう。おめでたいシーンや贈り物にもぴったりですね。

箱に入っていた栞(しおり)には、「四国徳島・香川地方にできる砂糖きびを古くからつたわる製法にて作り上げた和三盆糖です。いろいろの美しい型で押した製品で、上品な風味と姿が、お抹茶席のお干菓子に、お煎茶のおともとして喜ばれております」とも。店構えだけではなく、お菓子の製法も大切に守っておられることがわかります。

ひょうたんだけを取り出してお皿に並べてみると、とても爽やか(写真⑤)。眺めていると、ふんわりとした明るい光に包まれているような、そんな幸福な気持ちになりました。

(1491日目∞ 10月14日)