アフリカの暮らしに根ざしたひょうたんコレクション
by 丸黄うりほ

①「MEMORIES OF WEST AFRICA ふたりのアフリカ、手仕事の宇宙 –人類学者・川田順造と陶芸作家・小川待子のコレクション」。世田谷美術館で開催中

②第2章「サバンナに暮らす」。ひょうたんのさじ、ひしゃくがいっぱい!

③球形のひょうたんでつくられた鉢やお椀

④バラフォン、シェケレなどひょうたん楽器もたくさん

⑤ひょうたんの破片を重ねて振る「成人儀礼用楽器」も見えます

⑥モシ族宮廷楽師のひょうたん太鼓、ベンドレ

⑦これはびっくり! ひょうたんの浣腸器(以上の写真すべて撮影:たみさん)
「先日、東京で見た展覧会、ひょうたんだらけで素晴らしかったですよ!」
そんな情報をくださったのは、ただいま大瓢エースを栽培中の、大阪府守口市のヒョータニスト・たみさんです。
たみさんが鑑賞し、感激したというのは、7月11日から9月6日まで世田谷美術館で開催中の「MEMORIES OF WEST AFRICA ふたりのアフリカ、手仕事の宇宙 –人類学者・川田順造と陶芸作家・小川待子のコレクション」。写真撮影OKだったということで、私にも写真を見せてくださいました。
本当にひょうたんがいっぱいです!大阪住みの私もできれば期間中に見に行きたいけれど(ちょっと遠い)、きょうはまずその予習として、たみさんの写真を紹介したいと思います。
この展覧会は、タイトル(写真①)にもある通り、人類学者の川田順造さんと陶芸作家の小川待子さん夫妻が、主に現地調査の中で集め、日本に持ち帰ったさまざまなアフリカの手仕事コレクションを展示。旅先で描きとめたスケッチや写真、エッセイの名手でもあった川田さんの言葉や、小川さんの近作も同時に展示されています。
展示は4章にわけて構成され、ひょうたんがたくさん展示されていたのは第2章「サバンナに暮らす」だったそう。西アフリカのオート・ヴォルタ(現在のブルキナファソ)に暮らし、生活に根ざしたさまざまなものづくりの技術を調査する日々のなかで夫妻が出会った器や楽器には、ひょうたんで作られたものがたくさんあったようです。
写真②をご覧ください。ふくらみがひとつだけの鶴首タイプのひょうたんを二つ割りにしてつくったさじ、ひしゃくがたくさん並んでいます。大小さまざま、装飾されたものや、繕いのあるものもあります。割れてしまっても、繕うことで長く愛用していたんですね。
写真③は鉢やお椀。こちらは球形のひょうたんを使っています。装飾のあるもの、繕いのあるものがこちらにも見えます。素ひょうたんの色と形をそのまま生かしたデザインで、どれも素敵。
そして写真④⑤は、ひょうたんでつくられたいろいろな楽器です。
真ん中の木琴はバラフォン。鍵盤の下にひょうたんがたくさんぶら下がっています。ひょうたんの切り口にはわざとクモの巣を張り、ビビり音を加えて演奏するのが伝統的な演奏方法。④の手前に見える丸いのはマラカス的な楽器でしょうか。その隣、ひょうたんのビーズをひょうたんの周りにぐるりと編み込んだ楽器はシェケレですね。
⑤の手前に大小2つあるのは、ひょうたんの破片を重ねて振り、ガラガラと音を鳴らす楽器。ワサンバと呼ばれていることもありますが、国よって呼び名が違うかもしれません。表示プレートには「成人儀礼用楽器」という文字が読み取れます。アフリカのひょうたん楽器は、儀式や行事に使われるものも多いですね。
写真⑥のひょうたん太鼓、ベンドレは口頭伝承などで使われる楽器。表示プレートには「モシの宮廷楽師の楽器」「一般的な楽器ではないため、川田が特別に注文してつくってもらったもの」とあります。
丸く大きなひょうたんを切り、その切り口に「山羊の皮を張り、カモシカの革紐で本体に固定する」。また、「なかに細い鉄の輪をたくさん通した木の枝を仕込み、皮を打つと振動音が出るようにする。タカラガイ3個と香草なども入れる」とも書いてあります。いい音が鳴るんだろうなぁ。
最後に。たみさんが「これはちょっとおもしろかった」とおっしゃっていたのが、写真⑦です。なんと、ひょうたんの浣腸器!
「いちじく型の小さなひょうたんの底に穴を空けただけ、という最小限の加工で見事に完成している道具であるゆえに、数あるひょうたんの器のなかでも川田が最も気に入っていたもののひとつ。底の穴からひょうたんのなかに薬湯を入れ、とがった先端部分を赤ん坊の肛門に入れて、母親が穴から空気を吹き込んで使用するのを川田は見たという」と、表示プレートが添えられています。
医療器具としても使われているひょうたん。これはめったに見られないと思います!
ここではひょうたんのことばかり書き留めましたが、展覧会では、布、革、ビーズなどの工芸品や装飾品、仮面や木彫り人形、絵画作品なども展示されているそうです。あと10日ほどになりましたが、興味を持たれた方はぜひおでかけくださいね。(私も行きたい!)
(1478日目∞ 8月26日)



