花は咲けど。ごめんね「マルクス・アウレリウス」
by 丸黄うりほ

①大瓢エース「マルクス・アウレリウス」の初花は雄花でした

②雄花ばかり続くと思っていたら……

③ひっそりと雌花が咲いていたのを見落としていました(泣)

④直径10センチほどもある大きな雄花

⑤日中、葉が萎れる。これは病気の兆候?

⑥殺菌剤「トップジン」を噴霧しました
先週末から、我が家のベランダで栽培中の大瓢エース「マルクス・アウレリウス」の花が咲きはじめました。
写真①は、6月19日に咲いた初花です。たった一輪だけで、雄花でした。ひょうたんの花には雄花と雌花があり、雄花はこの写真のように、花びらの下の部分がすっと長い漏斗型をしています。花の色は雄花雌花とも白で、夕方に咲きはじめ、夜遅くなると大きく開き、朝方にはしぼんでしまいます。同じ日に雄花と雌花が咲き揃わないと受粉ができず、実になることはできません。どちらにとっても、チャンスは一夜だけなのです。
写真②は翌日の20日に咲いた花。これも雄花で、この日は雄花ばかり2輪咲きました。
……と思っていたら、21日のお昼ごろになって、前日か前々日に咲いていたらしい雌花を発見。写真③を見ていただくとわかるように、雌花は最初からひょうたん型をしています。
受粉のチャンスがあったというのに、雌花がベランダ柵の外にあり、葉の陰に隠れていて、まったく気がつかず。気づいた時にはすでにしぼんでいました(泣)。ごめんね、「マルクス・アウレリウス」。
写真④は、23日の夜のようす。夜遅く帰宅したら、雄花が2輪並んで咲いていました。その花びらの大きさたるや。まるで朝顔、直径10センチほどありました。大瓢エースのように巨大な実のなる品種は、花もやはり大きいのだと実感しました。
花が咲いた蔓は、すべて南に伸ばしている子蔓から出た孫蔓です。一見、調子良さそう。ですが、そうではなく……(泣)。じつは、この蔓を中心に重篤な病気が出てしまいました。
写真⑤をご覧ください。これは花が咲く前の6月15日に撮影したものです。暑い日でした。とはいえ、まだ真夏ではないのに葉がくたっとしています。その数日後には、蔓が割れて、割れ目から赤いヤニが滲み出しているのが見つかりました。
これは、もしや、つる割れ病では?
ひょうたんはいろいろな病気にかかりますが、その中で最も恐ろしい病気の一つが、つる割れ病です。この病気はフザリウムという菌が原因で、根から侵入してひょうたんの全身をめぐり、やがて苗ごと青枯れてしまいます。最悪なのは、いったん病気にかかってしまったら、株の始末を適切にしないと翌年の栽培にまでひびいてしまうこと。
私は2017年にこの病気を発生させてしまったことがあり、2018年は栽培を休みました。その翌年からは、道具類やベランダ全体をちょっとやりすぎなくらい除菌し、土に抵抗力をつけるために石灰とカニ殻を混ぜ、この病気を唯一治癒できる殺菌剤「ベンレート」を数回まいて予防につとめてきました。
2024年に我が家のあるマンションの改修工事が行われ、ベランダ塗装も新しくなったので、昨年(2025年)は正直ほっとしました。昨年のひょうたんは、毎年必ず出てくる別の菌による病気・うどんこ病もまったく発生せず、健康そのもの。
それで……、今年の春は栽培前に除菌をしなかったのです。……ああ、取り返しのつかない手抜きをしてしまった。
それにしても、今回のフザリウム菌はどこからやってきたのでしょうか?
この菌自体は、どこにでもあるありふれたものだそうです。雨水にも入っているらしい。水ときいて思い当たったのはクーラーの排水です。ベランダの改修の影響で、排水口がプランターのすぐ横にきてしまったのです。おそらく、90パーセント以上は、これが原因だと思いました。
そして、フザリウム菌を繁殖させるのは、チッソ肥料の与えすぎです。私は定植後にチッソ肥料を追肥しましたし、クーラーも今年はすでに稼働させていました。もう、原因ははっきりしていますね。悪かった。ごめんね、「マルクス・アウレリウス」!
私はひょうたんに心からあやまりながら、萎れた葉や蔓を切り取り、割れ目に殺菌剤「トップジンペースト」を塗り、「トップジン」を全体に噴霧しました(写真⑥)。
2本の子蔓のうち、北側に伸ばした蔓は比較的元気で、症状は今のところあまり出ていません。病気の強く出ている南側に伸ばした子蔓は根元から切って捨てたほうがいいのかもしれないと思いましたが、先端はわりあい元気で、写真①〜④の花が咲いたのはすべて南側です。つぼみがたくさん付いているのを見て、切り捨てる勇気が持てませんでした。
さて、これからどうしたものでしょう?
「マルクス・アウレリウス」は、病気との戦いに敗れて倒れてしまうのでしょうか?
それとも、病気を抱えながらも結実に至ることができるでしょうか?
名前をいただいたローマ皇帝、ストア派哲学者の、マルクス・アウレリウスの言葉を引用しておきます。
「ここで生きているとすれば、もうよく慣れていることだ。またよそへ行くとすれば、それは君のお望み通りだ。また死ぬとすれば、君の使命を終えたわけだ。以上のほかに何ものもない。だから勇気を出せ。」(マルクス・アウレーリウス『自省録』神谷美恵子訳、岩波文庫p198、第10巻、二十二)
(1460日目∞ 6月24日)



