第48回全日本愛瓢会展示会②驚愕のひょうたん工芸

by 丸黄うりほ

①展示会場の「揚羽ホール」。ひょうたん作品が120点

②全日本愛瓢会のロゴマークと「瓢道 綱領」

③「名誉総裁秋篠宮賞」福岡県の石橋勝利さんの作品

④見事なひょうたん彫刻です

⑤「内閣総理大臣賞」岡山県の小瀬光朗さんの作品

⑥「兵庫県知事賞」兵庫県の三崎嘉之さんの作品

⑦「兵庫県議会議長賞」兵庫県の佐野幸一さんの作品

⑧可愛い!サザエひょうたん?岡山県の松本典夫さんの作品

昨日の続きです。私は「揚羽ホール」の入り口で靴を脱ぎ、受付をすませて、いよいよ会場に入りました。

ホールの中は……!

ひょうたん、ひょうたん、ひょうたん、ひょうたん、ひょうたん、ひょうたん!

とにかくひょうたんだらけで、一体どこを見ればいいのかわからない!私のひょうたんアイはあまりの衝撃にめまいを起こし、故障してしまいそうでした。会場全体をゆるゆると一周してから、ようやく展示されたひょうたん作品たちをまともに見ることができました。

展示作品は全部で120点ほどあるそうですが、たくさんのひょうたんを組み合わせた作品もありますので、ここにはいったいいくつのひょうたんがあるのでしょうか……!

これらの作品が、すべて全日本愛瓢会の会員の作品だというのですから恐れ入ります。ひょうたんの愛好家は日本中にいて、それぞれがこつこつと栽培をし、収穫し、磨き、着色したり、彫ったりして作品に仕上げ……。この展示に至るまでにどれほどの工夫と根気がいったことでしょう。もう、素晴らしすぎて涙が出てきそうです。

ふと見上げると、ホールの天井近くに全日本愛瓢会のロゴマークと、「瓢道 綱領」五カ条が掲げられていました(写真②)。そうです、これはたんなる趣味愛好を超越した「瓢道」なのであります。自分のようなへっぽこひょうたん好きには遠い、遠い道であります……!

ようやく気持ちが落ち着いたところで、私は作品を一つひとつ鑑賞させていただくことにしました。

写真③④は、「名誉総裁秋篠宮賞」を受賞した、福岡県の石橋勝利さんの作品です。④をよく見てください。花がたくさん彫られていますが、まず、このような彫り方は皮の厚いひょうたんでないとできない。彫る技術はもちろん、皮の厚いしっかりとしたひょうたんを栽培する技術がないとこの作品は作れない。ということで、最高賞である「名誉総裁秋篠宮賞」を、審査員満場一致で受賞したのがこの作品だったそうです。

続いての写真⑤は、「内閣総理大臣賞」を受賞した岡山県の小瀬光朗さんの作品です。堂々とした大きさ、形の良さといい、思わず見ほれてしまうような風格に満ちています。この一画には、このひょうたんと大きさや形を競うような大型瓢がずらりと並んでいて、それぞれに「文部科学大臣賞」、「農林水産大臣賞」、「全日本愛瓢会会長賞」などが贈られていました。

別室に展示されていた兵庫県の三崎嘉之さんの作品は、小さなひょうたんをたくさん使って作ったお雛様。ひょうたん人形の表情が、崎陽軒のひょうちゃんにちょっと似てます。この作品のすごいのは、後ろの赤い屏風の部分も、明かりや、菱餅・お団子の台も、さらには菱餅やお団子自体もぜんぶひょうたんで作られていること!「結婚50周年記念」と書かれているのも微笑ましいですね。(写真⑥)

兵庫県の佐野幸一さんの作品は、仕掛けがおもしろかったです。手前に置いてある千成ひょうたんの頭を押すと、スイッチが入って、上の透かし彫りの大ひょうたんがぐるぐる回る!(写真⑦)

スイッチを押してくれたのは、開場からしばらくたって到着した私たちの仲間、小野市のヒョータニスト・おーさきさんです。このあと、東大阪市・瓢箪山のフェイ・ターンさんとも合流することができました。

とにかくひょうたんの加工方法にはいろいろあり、どれもすごいなぁと感心しながら見せてもらったのですが、個人的にウケてしまったのが、岡山県の松本典夫さんの作品です。(写真⑧)

サザエの貝殻から、千成ひょうたんが顔を出しています。おそらく、ひょうたんの栽培中に、実の成長過程で貝殻を被せて育てられたのでしょう。同じ方の作品で、ガラスボトルの中で千成ひょうたんを育てた作品も展示されていましたが、そういうのは他でも見たことがありました。しかし、サザエを使った作品とは初めて出会いました。なんて、なんて可愛いのでしょう……!

まことに僭越ながら、もしそう言っていいのであれば、丸黄うりほ賞はこの作品に差し上げたいと思います。大好きです♡ひょうたんサザエ。

(1003日目∞ 6月21日)

*明日に続きます