【P探】プレスリリースを通して世相を探っているような気がする「プレスリリース探訪(略称:P探)」です。
年齢を重ねると「あっ!そういうことだったのか」と納得したり腑に落ちたりして思わず膝を打つということが多くなりませんか?
そもそも「中学のときに比べたら年取って化粧のノリが悪くなってきたわぁ」と嘆く女子高生を見たことがありますし、70歳を超えて「現役の会社員のときより若返ってモテるようになった」と豪語して退職金を夜の街につぎこむ男性も知っていますから年齢と自分に対する認識の関係は千差万別です。
ですから、一概には断言できませんけど、「あっ!そういうことだったのか」方面については、まるで大発見をしたかのように膝を打つこと絶え間ない。
もうパンパンしすぎて膝にできた痣(あざ)が消える暇がないくらい。
たとえば…
「少年老い易(やす)く 学成り難(がた)し」
という言葉。
念のために意味を書くと…
「年月のたつのは早く、若者もあっという間に老いてしまうが、学問はなかなか成就しがたい。若いうちに学問に励めという戒め」(出典元:『何でもわかる ことばの知識百科』三省堂刊)…です。
僕は1960年代前半生まれで、大学生のころから「新人類」といわれた世代です。
高校時代は、今では『60歳からいつもご機嫌でいるための100のこと』というムック本に登場されている女優の宮崎美子さんがピカピカに光っていました。(もちろん今も魅力的ですが、「何がピカピカやねん!」って意味がわからない方は無視してくださいね。もちろん興味があればググってください)
なんせねぇ「人類」に「新」がつくんですよ、「新鮮」とか「新進気鋭」とかの「新」で、ピチピチな感じ。
1960年代とか1970年代の若者に比べたら政治的関心が低くて無気力みたいな否定的な含意もあったようですが、僕なんか未来を先取りしたミュータントみたいで、悪い気はしませんでした。
それで錯覚したのか、いつまでも若いつもりでいて、いつか「未来が来れば活躍できる」と信じて「もっと勉強せなアカンなぁ。でも明日でええか」って油断して先伸ばしにしていたら…未来ってさあ、来ないんですよ。
朝、起きて日付が変わっていたら、もうそれは「きょう」で、「明日」は「明日」なんだけど、それに気づくのに時間がかかったなぁ。
「あしたのジョー」って永遠に、来ないと理解したというかね。
当然、「学」成るはずもなく、気づいたら、もう還暦をすぎていました。
ほんとにあっという間。
そういうわけで、最近になって「光陰矢の如(ごと)し」という諺(ことわざ)にも膝を打ち、「油断大敵」という四文字に追い討ちをかけられています。
理解していたつもりが理解すべきときに理解できていなかったわけですね。
そのまま、「馬齢を重ねる」という言葉を噛み締めつつ、その一方で、競馬とか流鏑馬(やぶさめ)とかの光景を思い浮かべると「馬に失礼かも?」と反省もしています。
まぁ何と言うか。
それはともかく…。
「新人類」の「新」だけでなく「新」という言葉自体から、もうピチピチの初々しい希望に満ちたイメージはなくなって久しいですよね。
大阪でいうと「新世界」とか「新大阪」「北新地」…。
思いっ切り昭和な印象を受けるのは僕だけですか?
「新幹線」が開通したのも1964(昭和39)年、前の東京五輪のときだし、もう「シンカンセンのシンって、どんな漢字だったっけ?」という若者がいても不思議じゃないくらい。
「新」は、もうすっかりセピア色でレトロな風景の象徴的な言葉になったような気もします。あくまでも個人的見解です。
そういえば、「新」といえば「新聞」というのもあったなぁ………って。まだあるけど…。
で、
今は「新」というよりカタカナの「シン」。
「いや、『シン』といえば、タイガー・ジェット・シンやろ!!!」という意見もあるでしょう。今春は旭日双光章も授与されて話題になりましたけど、そこは今後の検討課題としましょう。
※参考リンク↓
やっぱり庵野秀明さんが脚本・総監督をつとめた「シン・ゴジラ」(2016年公開)が「シン」の“元祖”かな?
「新」に「震」「神」「真」の意味も重ね合わているといわれ、その後「シン・エヴァンゲリオン劇場版」(2021年)、「シン・ウルトラマン」(2022年)、「シン・仮面ライダー」(2023年)といった映画が公開されました。
いずれも、庵野さんが関わっているので「シン」って庵野さんの“専売特許”かと思ったら…。
『シン・日本共産党宣言』(松竹伸幸著/文春新書)や『シン・中国人』(斎藤淳子/ちくま新書)などといった本も出ていて、一時的なトレンドかもしれませんが、「シン」は定着しているようです。
そういえば、
その「シン」の元祖の庵野さんは1960年生まれで、「新人類」世代。
いっそのこと還暦すぎの「新人類」は「シン・人類」とかにすると、ヴァージョンアップした感じになり…………………(中略)………ませんね。
すみません。もう言いません。
では、もう「新」の時代ではないのか?
昭和の「新」的な空気感が今、否定されているわけじゃないんですよね。
それはこんなプレスリリースにも反映されています↓
懐かしくて新しい。ノスタルジックな世界へようこそ。大丸神戸店で「昭和レトロ展」を開催いたします。
大丸神戸店(神戸市中央区)は7月5日から同21日まで「昭和レトロ展」を開催するそうです。
プレスリリースによると、純喫茶のクリームソーダが火付け役となり「Z世代」を中心にレトロブームが続いているとのことで、昭和世代には懐かしく、平成・令和世代には新鮮で魅力的にうつる昭和の世界観を再現した「昭和なつかし商店街」や当時の映画のポスターやアイドル、俳優などの等身大パネルの展示など昭和の雰囲気を満喫できるという様々なコーナーの登場が予定されています。
それから、これもそんなブームを反映しているのでしょう↓
「郡是 昭和レトロ展」グンゼ博物苑が昭和時代の魅力を伝える展示を6/26から開催
アパレル事業などを展開する「グンゼ」(大阪市北区)が同社創業の地、京都府綾部市にある「グンゼ博物苑」で7月29日まで「郡是 昭和レトロ展」を開いています。
練炭や石鹸、味噌、醤油、肥料など昭和時代にグンゼが製造した“ちょっと意外なもの”に焦点を当て昭和時代の懐かしさと魅力を再び呼び起こすという企画。「昭和時代の豊かな文化と生活に触れるとともに、訪れる方々に懐かしい思い出と共に楽しい時間を提供することを目指して」いるそうです。
大丸神戸店のプレスリリースにも書かれていましたが、この昭和レトロブームを牽引しているのが「Z世代」のようです。
「Z世代」というと、これまでに2022年6月と2023年1月にも「P探」で取り上げていて、ざっくり言うと、この世に生まれ出た時点でインターネットが利用できる環境があった始めの世代で、1990年代中盤から2010年ごろに生まれた世代。
この世代にとって「昭和」なんて歴史の教科書の世界に違いなく、親が1970(昭和45)年の大阪万博の以降に生まれてるっていうのが普通。
僕としては自分の言葉が通じるのかどうかすら心配になってくる対象です。
が、こんなプレスリリースを見つけまったんです↓
【Simejiランキング】Z世代が選ぶ!!「学校あるあるTOP10」
きせかえ顔文字キーボードアプリ「Simeji」を提供している「バイドゥ」(東京都港区)が「学校あるあるTOP10」をテーマにZ世代を対象に行ったアンケートの結果報告です。
〈「勉強してない」と言う人がいる〉(第2位)とか、
〈ふざける男子を注意するリーダー系女子がいる〉(第4位)、
〈ノートの1ページ目だけ字が丁寧〉(第5位)、
〈先生のモノマネが上手い人がクラスに1人はいる〉(第9位)…
うん?
1970年代を中心に小中高生活を送った僕が1位から10位まで違和感を覚えるものが全くありません。
僕と同じ世代のみなさんもそうじゃないですか?
安心したというか、「普通やん」というか、話せばわかるというか…。
学校生活の中身って、あんまり変わらないんですね。
だからTVアニメの「ちびまる子ちゃん」とか「サザエさん」「ドラえもん」がズーッと愛され続けてきているのもわかる気がします。
Z世代が選ぶ!!「学校あるあるTOP10」
しかし、です。
油断大敵でした。
こんなプレスリリースを見つけてしまったんです↓
『2024年上半期α世代トレンドランキング』を「α世代ラボ」が発表!Z世代の次の世代『α世代』(小・中学生)が選ぶ好きな俳優1位は「目黒蓮」
「α世代と社会・企業をつなぐ」をコンセプトに当世代の研究・情報発信を行う「α世代ラボ」(所長:高見 彰)は、活動の一環として「2024年上半期α世代トレンド調査」を実施し、その結果を『2024年上半期α世代トレンドランキング』として発表します。
…とのこと。
アルファベットの最後の「Z」の次は「α世代」?
プレスリリースによると「α世代」とは…
「Z世代の次に続く世代であり、おおよそ2010~2024年ごろに生まれた世代」だそうです。
調査対象は小学校1年生から中学校3年生までの子供を持つ親で、子供と一緒に回答できる方。
「よし、かかってこんかい!!!」って闘志満々のファイティングポーズで、調査結果と対決(?)してみましたっ!
まずは…α世代が選ぶ「2024年上半期に流行ったと思う曲」
「あっ、半分以上知らん」
次は?
編注:以降の調査結果はプレスリースを参照してくださいね。
「2024年上半期に流行ったと思うアーティスト」
4勝1敗というところ。
もういっちょう!!
「好きなYouTuber」
2勝3敗…
まだまだっ!
「好きなTikToker」
全敗…。
でも、「好きな俳優」以下はまずまず。
なんか、まだまだα世代には着いていけそうな気もするけど…
きょうはこれくらいにしといたるわ。
…ということで、最後までお読みいただきありがとうございました。(岡崎秀俊)