【P探】プレスリリースを通して世相を探っているような気がする「プレスリリース探訪(略称:P探)」です。
半世紀ほど前、よく使われたフレーズのひとつに…。
「人が月に行く時代に幽霊とかお化けなんかいるわけがない」
…というのがありました。
1969年7月、米国が打ち上げたアポロ11号に乗って人類が初めて月面に立ったので、そんな言葉が出てくるようになったわけです。
余談ですけど、僕たちが生まれるずっ〜と前にアポロは月に行ってた、っていうような歌がありますね。
あれを初めて耳にしたときは驚きました。
いまだに聴くと、ドキってすることがあるほどです。
だってアポロが月に行ったとき僕はもう小学校に入学してましたもん。
「僕たち」に、この「僕」自身が入ってないわけで、
「僕たち」から仲間はずれにされた僕は、ずいぶん歳を取った気がして、
思わず「コホっ、コホっ」っていう弱々しい咳すら出ましたよ。
あっ、これ、前も同じようなことを書いた気が……。
やっぱり歳かな、最近、物忘れが……。
まぁ、それはさておき、
「人が月に行く時代に幽霊とかお化けなんかいるわけがない」という言葉に話を戻します。
そもそも、幽霊やお化けが存在するか、しないかという問題と、科学の発達って相関関係がないですよね。
医学が発達して、これまで不治と言われた病も治るようになったというのは訳が違います。
科学が発達して幽霊や妖怪を退治できるようになったというのなら筋が通っている…ような気がしますけど…そんな話はニュースで見聞きしたことがありません。
一方で、情報通信技術が発達に合わせるように「呪いのビデオ」とかが現れて、テレビ画面から長い髪を振り乱した“化け物”が這い出してくるようになったり、今やもう幽霊からメールが来たりとか、見たら命がヤバいとかいうネット動画なんていう物語も生まれて、幽霊やお化けもデジタル化が進んでいるみたいですしね。
もうすぐAIの幽霊とか出そうな勢い。
きっと来る♪きっと来る♪…っていう感じ?
いや、探せば、もうあるかも。
ちなみに「AIの幽霊」は「アイちゃんの幽霊」とかじゃなくて、エーアイ。
「人工頭脳(artificial intelligence)」の方です。
一応、念のために書いておきますね。
…というわけで、
科学の進歩と、怪奇現象ってイタチごっこみたいなもんですわ。
あの“業界”も世の中のシチュエーションに合わせて、フレキシブルに対応しないと、
井戸とか柳の下だけではやっていけないんでしょう。
ネット空間には連日、「体験談」と称する動画とかのラインナップが増えていますしね。
科学の進歩と、幽霊や妖怪の存在の有無に相関関係はないけれど…。
報告されている怪奇現象界隈は確実に科学の進歩に足並みを揃えているわけです。
暑〜い夏を涼しくするという怪談のシーズン到来というわけで、
紹介したいのが、こんなプレスリリース↓
あなたの家にもきっといる……名もなき家事から生まれた妖怪、その名も「ぼやき妖怪」 全79種類を集めた「いえのなかの ぼやき妖怪ずかん」がついにお披露目!
服がぬぎっぱなし、食卓がごちゃごちゃ、トイレットペーパーが切れたまま…。家の中でそのような光景を見かけた事はないでしょうか?
そして、見て見ぬふりをしているそこのあなた!
家の中でやってもらえなかった、小さな「名もなき家事」が妖怪化していることにお気づきでしょうか……!
…だそうです、と他人事のように書いてしまいましたが、「見て見ぬふりをしてるあなた!」は僕です。
思わず冷や汗です……って、ベタなことで汗顔のいたり。
涼しくなるどころか、余計に火照(ほて)ってしまいました。
それから「怪談」といえば…。
稲川淳二原作『稲川怪談』が劇団江古田のガールズによって初の舞台化!2022年秋、演劇版『稲川怪談』上演決定!
稲川淳二さん。
怪談をテーマにして、この名前をプレスリリースに見つけてしまったらはずせません。
怪談と聞いて日本に住む人々の約40%が稲川さんを思い浮かべるというデータもあるほど(嘘です。データの有無は確認していませんが、僕の体感では32%はいってますね)。
はずせない、といえば、これもそうです↓
落語中興の祖・三遊亭圓朝ゆかりの「幽霊画展」 全生庵で開催(8/1~8/31)
東京・谷中にある「全生庵」は幕末・明治の剣術家として知られる山岡鉄舟が開いた臨済宗国泰寺派の禅寺です。
江戸末期から明治にかけて活躍し、「牡丹燈籠」「真景累ケ淵」「死神」など、多くの名作落語を創作した落語中興の祖・三遊亭圓朝は、怪談創作の参考に数多くの幽霊画を収集していました。
伝・円山応挙というものから、柴田是真、伊藤晴雨、河鍋暁斎など、著名な画家たちが描いたさまざまな幽霊たち。
現在は、圓朝の墓所がある全生庵でこれらのユニークな幽霊画を所蔵しており、毎年8月の1ヶ月間のみ特別公開しています。
…とのことで、正統で由緒正しい怪談の基本という感じがしますので、押さえておきますね。
15年ほど前に東京・谷中に住んでいまして、この全生庵の「坐禅会」に行ったこともあるので、そんな個人的な事情も、からめてしまいました。
こういうのもあります↓
新川帆立の新連載&あの「ブギウギ専務」が本誌に乱入⁉ 北海道民必読の「北海道文学」と毎年大人気の「真夏の怪談」、豪華W特集の小説新潮8月号は7月22日発売
「北海道文学」と「真夏の怪談」のW特集だそうで…。
「怪談」は恒例のようですが、もうひとつの「北海道文学」は暑い夏にはやはり涼しそうな北海道で、ということでしょうか?
「小説新潮」がそんな安易なことを?
プレスリリースを読んでもわからないので、ちょっと本屋さんに行ってきます。
ではでは。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
(岡崎秀俊)