プレスリリースを通して世相を探っているような気がする「プレスリリース探訪(略称:P探)」です。
年末ですし、今回は2021年をランキングしたエンタメ系のプレスリリースを集めてみました。
ご紹介する前にまず、プレスリリース全般を見渡してみると…。
2021年企業動向を23万件の企業発表から振り返る PR TIMESプレスリリースキーワードランキングを発表!
プレスリリース配信サービス「PR TIMES」によって2021年1月1日から10月31日までに配信されたプレスリリース総計23万990件を対象にしてまとめた各種のランキングなどが発表されていまして…。
配信元の企業が登録したキーワードで一番多かったのは「DX」。
進化したデジタル技術を浸透させて生活をより良いものへと変えることを示すDX(=デジタルトランスフォーメーション)」でした。
昨年トップだった「コロナ」は3位で、2位は「新商品」ですが、配信元のPR TIMES社は「キーワード登録された8094件の10.8%を超える880件について『コロナ』も併用して発信されており、コロナ禍に向けた新商品が数多く生まれているものと考えられます」とコメントしています。
で、そんな前置きとはあんまり関係なく、エンタメ系のランキングを紹介すると…。
2021年に国や時代を超えて愛された音楽を振り返るSpotify年間ランキングを発表
世界で 3億8100万人以上のユーザーが利用するというオーディオストリーミングサービス Spotifyは、2021年に海外で再生された日本の音楽ランキングなどを発表しています。
海外で、最も再生された日本のアーティストは、YOASOBIで、2位にLiSA、3位にEveが続き、最も再生された日本の楽曲の1位はアニメ「呪術廻戦」のオープニング主題歌「廻廻奇譚」。
日本のアニメ関連曲が最も再生されている海外の国と地域は、1位アメリカ合衆国、2位インドネシア、3位メキシコの順だそうです。
個人的にはメキシコが3位というのが意外なのですが、みなさんはいかがですか。
日本アニメの国境越え感が半端ない気がします。
次はレンタルの状況です。
TSUTAYA 2021年 年間ランキング(レンタル・販売)発表!
映像のレンタルは、1位2位がそれぞれ、いずれも福田雄一監督作品の『新解釈・三國志』と『今日から俺は!!劇場版』。
国内歴代興行収入1位を記録した『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』は第3位にランクインしています。
カラオケはどうか、というと…。
JOYSOUNDが2021年カラオケ年間ランキングを発表!優里「ドライフラワー」が首位を獲得!AdoやYOASOBIなど、ネット発のヒット曲が台頭!
今年のカラオケソングの頂点に輝いたのは、YouTubeやSNSの歌唱動画から人気に火が付き、さらにミュージシャンによる一発撮りのパフォーマンスを鮮明に切り取るYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」への出演により一気に楽曲が拡散、知名度が急上昇した優里「ドライフラワー」。女性目線の切ない歌詞とメロディ、力強い歌声が話題を呼び、ストリーミング累計再生数は4億回を突破。カラオケでもその勢いはとどまらず、上半期ランキングに引き続き、1位獲得を果たしました。一方、昨年メジャーデビューし、2021年新語・流行語大賞にノミネートされたAdo「うっせぇわ」は2位と、今年を象徴する1曲となりました。
恥ずかしながら「優里」も「ドライフラワー」も知りませんでした。すみません。
で、日本最大級の書評サイト「読書メーター」では「年間おすすめ本ランキングをまとめていますので、お正月の読書の参考にしてくださいね。
読書メーターの年間おすすめ本ランキング『読書メーター OF THE YEAR』を発表 丸山正樹『ワンダフル・ライフ』(光文社)が総合ランキング1位を獲得
ネットを通じたプレスリリースでまとめられたランキングを通じてエンタメ界を見てみると、テレビや新聞からの“風景”とは、ひと味違う印象を受けませんか?
僕は、ひと味どころか。かなり違って見えました。
プレスリリースは企業などからの直接のメッセージです。
ジャーナリズムのフィルターを通っていませんから、玉石混交でしょうし、受け手側には真偽の判断も含めて“噛み砕いて消化”する力が求められることもあります。
また、ネットの特性を生かして文字や写真だけでなく動画を利用したプレスリリースも増えてくるでしょうから、従来のテレビCMや広告との境界もなくなってきそうです。
プレスリリースそのものが集客力を持つエンタメ作品であるケースも珍しくなくなってくるでしょう。
YouTubeで「案件」と呼ばれている企業などとのタイアップは、その一種でしょうし、まだまだ進化しそうです。
そんな変化を来年を探っていきますので、よろしくお願いしますね。
最後までお読みいただき有り難うございます。
良いお年を。(岡崎秀俊)