プレスリリースを通して世相を探っているような気がする「プレスリリース探訪(略称:P探)」です。…と書きながら今回はプレスリリースと直接、関係のない話題から入ります。
6月25日夜、サザンオールスターズが横浜アリーナ(神奈川県)で、無観客の配信ライブを開きました。
1978(昭和53)年8月、人気音楽番組「ザ・ベストテン」の「スポットライト」のコーナーで、「勝手にシンドバッド」を聴いて、脳ミソが洗濯されたくらいの衝撃を受けて「桑田(佳祐って)、スゲー!天才!!」と感激した僕(当時:高校1年)としては当然、ライブを自宅で視聴しました。
悲しいことに仕事で遅くなって、開始から30分くらい過ぎてからの参戦でしたけどね。
「P探」という、この企画の本来の趣旨からはずれますから、かいつまんで申し上げますけど、無観客という、これまでのないシチュエーションなので、最初は少々、こちらも戸惑う感じで、どう入り込めばいいのか、わかりませんでした。
でも、なんだか、サザンが自分だけのためにアリーナで演奏してくれているような気分になったんですね。
「あれ、この感じは初めてじゃないな…」という気がしました。
「あっ!ラジオ深夜放送や!」。中高生時代に感じた、あの雰囲気をかなり豪華に増幅させた、というんでしょうか。
ふつうのライブ中継の視聴なら、アーチストと観客が呼応する様子を傍観している疎外感みたいなものがあるんですけど、このライブ配信にはそれがなかったんです。涙が出ちゃう、という感じでしたし、実際に出た。
「勝手にシンドバッド」を出会ってから42年を経て、また、あらためて脳ミソが洗濯された気がしたんです。やっぱり「桑田、スゲー!」。
日本経済新聞電子版(6月25日配信)によると「ABEMAなど8つの動画配信サービスを通じて有料配信され、3600円のチケット購入者は約18万人、総視聴者数は推定約50万人だった」そうです。
新型コロナウイルスの影響による、やむ終えない事情のなかで、エンターテインメントに新しい局面が開けるのかもしれません。
とはいえ、日本政策投資が25日に明らかにした推計によると、新型コロナウイルス感染拡大によるイベントなどの自粛の経済的損失は3兆円。今という時代の中に、底が見えない大きくて深い陥没ができたような気がします。
そんな暗い穴のなかに、いくつかの灯りがプレスリリースを通して見えます。
そのひとつが…。
オンライン・コンサートの時代到来! LIVE配信「Japan Arts Live Streaming+」シリーズ
「Japan Arts Live Streaming+」シリーズは、一流演奏家たちのトークを交えた生演奏を、スマートフォンやテレビ、PCでお楽しみいただく、新しい形のクラシック音楽コンサート
…だそうで、
視聴券は各回1,000円(税込)! 通常のクラシック音楽のコンサートでは考えられない破格の値段で「本格的」な演奏をお楽しみいただけます。
…と、アピール。
7月6日には、この試みの第3弾として兵庫・川西市出身のトロンボーン界のエース、藤原功次郎さんが登場。「乾杯の歌」などのお馴染みのオペラの名曲のほかアイドルグループ「SexyZone」の曲も披露するそうです。
40歳代半ばからトロンボーンを始めて、とにかく謙遜ではなく正真正銘の下手の横好きの僕としては、ここのところ、けっこうトロンボーンについて語りたいことがあります。が、コロナとは関係なく理性で自粛します。
それから…。
「Rakuten TV」、宝塚歌劇 花組宝塚大劇場公演『はいからさんが通る』を独占LIVE配信決定
…というのもあります。
「何が珍しいのん?」と思われる方もおいででしょうけど…。
オンライン動画配信サービスにより、宝塚歌劇の公演を全編にわたりLIVE配信するのは、今回が初
…だそうです。
こんな話題もありますよ。
沢田穣治、京都発!世界に発信する新レーベル始動! 「アンノウン サイレンス(Unknown Silence)」
“本業”のコントラバス奏者としての活動にとどまらず、様々なスタイルの音楽を送り出し、映画音楽やダンスのプロデュースなど幅広い活動を続けている沢田さんが新レーベルを立ち上げたそうです。
月に1アルバムのペースで、各配信サイト、ストリーミングデジタル・リリースを続けていくんですが、CDも出すんです。
すでに1枚目の「アンサンブル・ソノーラ plays バシェ音響彫刻『 Wind blows from West to East』」はすでにリリースされています。
詳しくはプレスリースや、そこからのリンク先で読んでください。
1970年の大阪万博に影響を受けた「少年」なら、聴きたくなること間違いなし!
今回の最後はこれ!
オンライン型演劇場・浅草九劇、“劇場使用料無料キャンペーン” 企画募集のお知らせ
「創ること、表現することの火を消さないためにエンタテインメントの未来に少しでも貢献できれば」という試みです。
ジャンル不問だそうですから「劇場」からネットで“何か”を発信したいと思っている方はプレスリリースを読んでみてください。
ではでは、コロナ退散を祈願しながら、今回はこれくらいで。
(岡崎秀俊)