衣・食・住…といえば、人間が生活するため、基本的に必要なものを示しています。
極めて日常的で平凡なものだからこそ、なければ困ったことになるっ!という性質のものです。
が、しかしです。
「それなのに」といっていいのか…。
「それだからこそ」…なのか。
衣も食も住も、最低と最高との幅が激しく、それぞれに贅沢や趣向を極めようとすれば際限がないのはいうまでもありませんし、ファッション性、機能性など、それぞれに方向性は無限です。
それは、こんなプレスリリースを見ても明らか。
雨の日を楽しく過ごすことができるアイテム「なりきり僧侶スタイル 僧衣レインポンチョ」が「フェリシモおてらぶ」から新登場
写真のインパクトもなかなかのものですし、お坊さんの姿で雨の日を楽しく過ごす、という発想が新鮮すぎて、読み進めずにはいられません。
雨の日に「やっぱ僧衣はテンション、アがるぅ!」と、おっしゃっているお坊さんにはまだお会いしたこともありませんが、
プレスリリースによると…。
僧衣からインスピレーションを得たレインポンチョで、 網代傘(あじろがさ)風の帽子と、 漆黒の僧衣のようなレインポンチョ、 絡子(らくす)をイメージした収納バッグの3点がセットとなっています。 セットを一緒に着用すれば、なりきり僧侶スタイルの完成です。
「へぇ、お坊さんが前にかけているのって『絡子』っていうんだぁ」とか、感心している方もいらっしゃるかもしれませんが、どんなシチュエーションで着れば、いいのでしょうか、通勤で使うにはけっこう勇気が必要です、と思ったら…。
この姿でひとりでお出かけをするのはちょっと……というときには、 フードパーツの付いたレインポンチョのみを着用することもできます。
…ということで、普段づかいも安心。
このグッズがあれば雨の日のお寺めぐりも気分がアップしそうです。
…とのことで、納得できたような、そうでないような。
お寺めぐりを趣味にされている方は一度、試されてはいかがでしょうか。
で、今回の「プレスリリース探訪(略称:P探)」のテーマは「着る」です。
「着る」といえば…。
マリリン・モンローは「ベッドでは何を着ていますか?」と質問されて「シャネルの5番よ」と答えましたし、「鎧(よろい)を着る」とも言いますが、だいたい、スーツとか、パジャマとか、メイド服とか、セーラー服とか…。
それはさておき、最近は、このようなものも…。
着るロボット“ATOUN MODEL Y”を防災イベントに出展
そう!ロボット。
腰の負担を軽減するパワードウェア「ATOUN MODEL Y」というそうで…。
重量物の持ち上げ下げや、中腰姿勢を維持するときの腰の負担を楽にするATOUN MODEL Yの機能は、災害時の救援物資の運搬・分配時や屋外で土のうなどの重量物の運搬・積み上げなどの作業で効果が期待されています。
災害発生時に役立つというわけで、もちろん、工場や建築現場などでも活用できて、少子高齢化も見据えているのはもちろんでしょう。
「着るロボット」で歩行をサポートするツアーを正式にラインアップ化
…と、歩くことに少し自信が持てなくなった方や、歩くことを敬遠しがちな方々のご参加を想定した「世界遺産・宇治上神社と宇治のまちなみウォーキング」も実施されます。
まぁ、少子高齢化を心配して不安がっているだけでは仕方なくて、現実を直視した産業界の試みは着実に進んでいるということです。
それから、「着る」といえば、
「大阪の食いだおれ」に対して「京の着だおれ」といわれますが、その京都では、こんなイベントもあります。
3月8日町家の日 全国の袴姿になりたい男子、京都に集まれ!!!
幕末や明治・大正時代をテーマにした漫画・映画・ドラマ・ゲームなどに触れ、袴姿に憧れる男子も少なくないはず。夢館では、そんな男性の要望に応えるため、町家WEEK期間中、袴着付け+夢館 御池別邸内でのセルフ撮影を1,500円(税込)で楽しめる大変お得なイベントを企画。
…とのことで、
「町家WEEK」というのは…
3月8日は、March(マーチ)と8(や)の語呂合わせから2017年に「町家の日」と制定された。
そこには、近年、町家が姿を消していく現状に懸念を抱き、町家の魅力、世界に誇る日本の文化を見つめ直し、日本に残したい風景と心を未来につなぐきっかけになればという町家の日実行委員会の願いが込められている。
とくに「町家WEEK」と呼ばれる3月1日からの1週間は、町家に関わる企業・民家による町家の日にちなんだイベントが開催されている。
「March(マーチ)と8(や)の語呂合わせ」の是非はさておき、
袴姿になりたい男子にはたまらない企画ですね。
和風でいうと、こんな「着る」もあります。
昭和4年創業、東京・墨田の老舗メリヤスメーカーが手がける和紙100%天竺ニット『和紙の服』
プレスリリースのメッセージも熱く燃えるようで…
日本における衣服の輸入浸透率が98%に迫る今日、絶滅危惧種といわれる縫製メーカーが『和紙の服』に込める想い。それは服そのものの良さだけではなく、服を愛し共に生きる文化・メイドインジャパンを着る文化なのだ。ぜひ一度『和紙の服』を体験してもらいたい。
和紙の服が燃えてしまわないか、心配になるほど熱いです。
吸湿性と保湿性の両方を兼ね揃えた和紙は、蒸し暑い夏には湿気を吸収し、乾燥する冬には湿気を放出する“天然のエアコン”としての働きを持つ。
さらに、多孔質な繊維は抗菌性や消臭性にも優れ、家のなかを清潔な状態に保つ効果もみられる。
…だそうで、和紙のポテンシャルすごいみたいです。
ちなみに、「袴姿になりたい男子、京都に集まれ」と「和紙の服」のリリースのユニークさにお気づきですか?
まず、
プレスリリースって、ふつうは企業からのダイレクトなメッセージなので「です・ます」調がふつうですが、これは違います。
さらに、第三者視点で表現されています。
リリース発信元とサービス主体の関係などの背景が、この2件で違っているようです。
まだ、それぞれの意図などは確認していませんが、プレスリリースがダイレクトにネット利用者に届く現代ですから、これから広がっていくスタイルなのかもしれません。
…「着る」ものはまだまだありそうですが、今回はこれくらいで。
(岡崎秀俊)