大正時代に大阪で生まれ、宮崎市に拠点を置いて日本全国を巡業した歌劇団「日本少女歌劇座」の全貌を紹介する展覧会が3月19日から宮日会館2階パピルスギャラリー(宮崎市高千穂通1-1-33)で開かれる。同31日まで。会期中は無休。入場無料。

同展のタイトルは「旅する少女歌劇団 日本少女歌劇座展-宮崎発 元祖ローカルアイドルの群像-」。宮崎日日新聞社の主催で、大衆演劇や「見世物」の研究で知られる鵜飼正樹・京都文教大学教授が監修し、一時、日本少女歌劇座が本拠を置いていた奈良・大和郡山市(当時・郡山町)の市立図書館が協力している。

「ニッショウ」「NSK」の愛称で親しまれた日本少女歌劇座は大正10(1921)年ごろ、大阪府下の日下温泉で誕生し全国を巡業。昭和11(1936)年以後は、宮崎市に拠点を置き、戦前戦中は台湾、朝鮮、満洲(現・中国東北部)でも公演した。戦後は宮崎県内を巡演し、数年後には九州、東北、北陸を中心に全国巡業を再開、昭和30年代初めまで「少女歌劇」を地方に届け続けた。

拠点となる劇場で常打ち公演をするのではなく、各地を巡業するスタイル。毎年1回、スターが「会いに来てくれる」システムを挿入し、宮崎発「元祖ローカルアイドル」ともいえる。しかし、これまで活動は広く知られず、宮崎でも、その存在を知る人は少なくなっている。同展は、当時の絵はがきやチラシなどの資料約200点を展示し、新聞記事、映像資料、関係者の証言などとともに、日本少女歌劇座を浮き彫りにする。

問い合わせ先などは同新聞社のウェブサイト