第2回  三歩進んで(琵琶かかえたら)四歩さがる

運動が苦手、着替えるのは面倒、道具を買いたくない、出掛けるのは嫌、という方でも、太極拳ならできそうかも。
中国四千年の歴史と思ったら、朝の公園などで一般的に行われているのは、1956年に中華人民共和国で制定された健康体操だとか。これは二十四式といって、古くからある太極拳の数ある動きの中から二十四手をとりあげてまとめたもので、だいたい10分の動作です。

覚えてしまえば、いつでもどこでも思いついたら動けるのがよいですね。音楽も要らないし、どんどん歳をとってもできそうで、未来も感じられます。
さあ、覚えられるかな?
無理せず、一週間で三〜四手ずつ動いていきましょう。

今週は先週「白鶴がハネを広げる」のつづき。今回のポイントは「進行方向が変わること」です。「琵琶をかかえる」動作がその転換点。その前後で、三歩進んで、四歩さがります。結局マイナス一歩か……人生はワンツーパンチ、汗かきベソかき歩きましょう。

先生は、楊名時健康太極拳の師範・洲濱紀子さん。ゆるゆるなのが先生の太極拳のよいところです。

今週の目標:(4)楼膝拗歩(5)手揮琵琶(6)倒捲肱

topic_01「ヒザをはらって三歩前進、左右左」
topic_02「琵琶をかかえます
topic_03「ヒジをゆるめて引き込んで後ろへ、左右左右」

(4)楼膝拗歩_ロウシーアオブ
ヒザを手ではらうようにして前に歩みます。
足の動きは、前回の「野馬のたてがみを分ける」ときと同じ。
手の動きは、左足を踏み出した時には右手が前、右足を踏み出した時には左手が前。手足が交差して腰を中心に体を少しひねる感じ。全身でバランスをとりまーす。

(5)手揮琵琶_ショウホエピパ
両手で琵琶をかかえます。琵琶は中国の楽器です。ギターのように横向きではなく、縦向きにかかえるのがポイントです。

(6)倒捲肱_ダオジュアンゴン
今度は後ろ方向へ進んでいきます。ふだんすることのない動きは脳にも体にもよさそう。両手を下からはらうときは、胸からのびのびーと広げます。
広げたら腕(特にヒジ)をゆるめて、弧を描くように引き込んで、後ろにさがっていきます。このダオジュアンゴンは、左右で同じ動きを2回ずつ行います。

さあ、洲濱先生と一緒に動いてみましょう。2分12秒です。

つづきはこちら。

前回はこちら。

二十四式全部はこちら。10分39秒です。

by 塚村真美

洲濱紀子 大学在学中「花形文化通信」編集部に出入りする。卒業後は広告代理店や出版社に勤務。2000年より太極拳を始める。産経新聞や神戸新聞のカルチャーセンターで指導するほか、中国茶の黄安希さん主宰「無茶空茶」の朝のサロンで太極拳を教えている。web版「花形文化通信」では過去記事の文字入力を担当。