第1回  野馬のたてがみを分けよう

運動不足なのはわかっているけれど、運動が苦手、着替えるのは面倒、道具を買いたくない、出掛けるのは嫌、という方に、太極拳はいかがでしょう。
中国のおばあさんやおじいさんが朝、公園でゆっくり動いているイメージがある太極拳。中国四千年の歴史と思ったら、朝の公園などで一般的に行われているのは、1956年に中華人民共和国で制定された健康体操のようです。これは二十四式といって二十四手あり、だいたい10分の動作です。

覚えてしまえば、いつでもどこでも思いついたら動けるのがよいですね。音楽も要らないし、どんどん歳をとってもできそうで、未来も感じられます。
さあ、覚えられるかな?
無理せず、一週間で三〜四手ずつ動いていきましょう。
先生は、楊名時健康太極拳の師範・洲濱紀子さんです。

きょうの目標:(0)十字手(1)起勢(2)野馬分鬃(3)白鶴亮翅

topic_01「野馬のたてがみを分けるところ」
topic_02「白鶴がハネを広げるところ」

(0)十字手_シーヅーショウ
変身!のポーズみたいな感じでスタートの合図。
足を肩幅に広げて、ゆっくりと腕を上げて交差します、これが「十字手」。
これは、流派によってあったりなかったり。二十四の手の数には入りません。

(1)起勢_チーシー
「気沈丹田(きちんたんでん)」。
「気」を「丹田」に沈めまーす。そもそも「気」がよくわかりませんが、なんとなく「ある」といえば「ある」ような気がします。それを「丹田」といって、おへその少し下に沈めます。

(2)野馬分鬃_イエマーフェンゾン
野馬のたてがみを分ける。洲濱先生は小声で何をゆっているかよくわからないことがあります。「老婆の?前髪?を分ける?」とおっしゃった生徒さんがおられたようです。違いますよ。

(3)白鶴亮翅_バイホーリャンチ
白鶴がハネを広げているポーズです。割り稽古をするときは、ここまでが一つの流れなのだそうです。

さあ、洲濱先生と一緒に動いてみましょう。1分42秒です。

つづきはこちら。

二十四式全部はこちら。10分39秒です。

by 塚村真美

洲濱紀子 大学在学中「花形文化通信」編集部に出入りする。卒業後は広告代理店や出版社に勤務。2000年より太極拳を始める。産経新聞や神戸新聞のカルチャーセンターで指導するほか、中国茶の黄安希さん主宰「無茶空茶」の朝のサロンで太極拳を教えている。web版「花形文化通信」では過去記事の文字入力を担当。