福岡の中野さんとひょうたん巡り②瓢箪弁当から瓢箪山

by 丸黄うりほ

①大阪・本町の日本料理店「美松」の〈瓢箪弁当〉

②ひょうたんを分解するとこんな感じ。品数が多くてうれしい

③大阪随一のひょうたん推しの街・瓢箪山

④駅前の時計は「ひさごっち」

⑤商店街マスコット、キツネの「ひょこタン」と「8」の市

⑥瓢箪山稲荷神社の赤鳥居

⑦お稲荷さんの石など、あちこちにひょうたんが

⑧もともとはひょうたん型をした古墳でした

福岡県のヒョータニスト、中野由紀昌さんとの関西ひょうたん巡り。今週はあと3日、先週金曜日の続きを書いていきますね。

私たちが門真市の堤根神社の次に向かったのは、本町の日本料理店「美松」です。もちろん、ランチタイム限定の「瓢箪弁当」が目当て。京阪電車に乗って淀屋橋まで行き、あとは御堂筋を徒歩で行きました。人気店なので入れるかなと心配していたのですが、少し待って入ることができました。ラッキー!

席に座ると金銀のひょうたん型のお弁当が運ばれてきました。なんという可愛さでしょう!前回「ひょうたん日記」(3月1日)でこのお弁当の紹介をした時とは季節も変わり、食材の旬も変わって、お料理の内容もすべて変わっていました。優しい味付けで、このお料理なら毎日食べたい!ひょうたん型の容器を毎日愛でたい!(写真①②)

贅沢ランチに目も舌もおなかも大満足です。ごちそうさま。

本町から地下鉄に乗り、なんばで近鉄電車に乗り換えて私たちは次なる目的地へ。その車中で中野さんから興味深いお話を聞かせてもらいました。

中野さんが主宰する「Edit Office 瓢箪座」は、3月に引っ越し。それを機に、「字像舎」という名で新事業を立ち上げることになったそうです。中野さんは「ひょうたんから編集工学」というテーマを形にしていきたいとのこと。編集というものを広い概念としてとらえ、ひょうたんが想起させるイメージやことばからも編集を行っていきたいと考えておられるようです。

確かに私もこの「ひょうたん日記」を4年以上書かせてもらっていて、それこそ「末広がり」とでもいうか、どんどんいろんな分野や人とつながっていくし、深度は増すしで、ひょうたん宇宙は無限大(∞)だと感じます。カオスともいえるその世界を編集することで、見えてくるものがあるかもしれません。

……そんな話をしていたら、早くも瓢箪山駅に到着です!

瓢箪山という街については、もう「ひょうたん日記」で何度も紹介しているので詳しい説明は省きますが、「大阪を代表するひょうたんの土地」として、中野さんが大阪城公園ではなく瓢箪山を選んでくださったのが私はとにかくうれしい!

瓢箪山は、もともと瓢箪山稲荷神社の参道として栄え、今も神社と駅を中心に南北に商店街が続いています。とにかく街をあげての「ひょうたん推し」が特徴で、ひょうたんを象ったオブジェやマークがそこらじゅうにあるのです。

中野さんは、「ここにも!あそこにも!」とひょうたん物件を撮影しまくって、すでに駅前から動けない状態です。私の体感では、滋賀県の長浜、岐阜県の養老と並んで、全国でもおそらく五本指に入るひょうたんタウンがここ……。写真③④⑤は、そのうちのほんの一部です。

その中心となる瓢箪山稲荷神社は駅の南側にあります(写真⑥)。もとは瓢箪型をした古墳であり、その地に豊臣秀吉の大阪城築城に際して創建されたと伝えられています。こんもり盛り上がった小山に本殿が建てられ、境内にはひょうたんを象った石や賽銭箱などがいっぱい。お守りやおみくじもひょうたんモチーフだらけです。(写真⑦)

神社の南東へ出て裏からみたら、そこがひょうたん型の古墳であることがよくわかりました。上は竹林になっていて、周囲には掘も残されています。ここへは何度もお参りをしているのに、この角度からちゃんと見たのは私も初めてでした。(写真⑧)

(992日目∞ 6月6日)

*明日に続きます