タネの交換をしてはどうだろうかと思い立ちました

by 奥田亮

貯水バケツに浸けている雪の下ひょうたん

ひょうたん栽培予定地。生ゴミ堆肥はほぼ分解して土になっています

3月も半ばに入り、信州もさすがに春めいてきました。先週ご紹介したお見苦しい雪の下ひょうたんは、現在貯水バケツに浸水中です。表皮をふやけさせて取り除きます。水が汚れるのですが、ひと冬越した水なので、一旦流して新しく貯め直すつもりです。

菜園のひょうたん栽培予定地に混ぜ込んだ生ゴミ堆肥はすっかり生ゴミが消えました。微生物たっぷりのいい土になっているはず。定植する5月までまだ2カ月あるので、さらに生ゴミ堆肥を入れて栄養たっぷりの土にすることはできそうです。今年はちょっと大きめのひょうたんを育てようかなと思っているので、養分が多いのは良いはずですが、もしかしてチッソ系の養分が多くなりすぎると蔓ボケするかもしれないという心配はあります。でも、チッソ・リン酸・カリウムのいわゆる三大栄養素の土中の含有率よりも、微生物の土中含有率の方が、作物の収量との相関関係が顕著という最新の研究があるようで、その可能性に期待してみてもいいようにも思います。

菜園の土の準備もさることながら、今年は早めに苗の準備も進めようとめずらしく前向きなのですが、現在うちにあるタネは、去年のIPUと千成だけ。前述したように久しぶりにちょっと大きめの品種を育ててみようかなと考えているので、ネットで購入、ということも考えたのですが、ひょっとして丸黄うりほさんを中心としたヒョータニストの方々とタネの交換をしてはどうだろうかと思い立ちました。

ということで丸黄さんにご相談しましたら、数人のヒョータニストにお声がけくださり、Facebookのメッセンジャーにタネ交換のグループを作ってくださいました。さっそくタネの種類や栽培状況などなど、情報の交換がはじまりました。ヒョータニストがひょうたんを語る熱量はすごくて、言い出しっぺの私は少々気後れしてしまいましたが、みなさん本当に楽しそう。熱気でグループ内に、もわ〜っと瓢臭が漂うようでした。最終的に私は、フェイ・ターンさんから大ひょうたんとエセゆーほー(?)のタネをいただくことになりました。フェイ・ターンさんは、テルミンと歌で活躍されているミュージシャンで、ひょうたんランプ作家でもあられます。さぞやパワーのこもったタネなんじゃないかと思います。エセゆーほーはまん丸で皮が薄く、ものすごい勢いで蔓も葉っぱも大きくなったとのこと。何かと交雑したものなのか、もしかしてひょうたんではないのか、興味津々、どんなことになるか楽しみです。結局自分のタネの貰い手はなかったのですが、また来年誰かにお届けできたらと思います。

いただいたタネを育て、その実からまたタネを採り、来年育てる人に繋いでいく、育たなかった人もタネをもらって、次の年にうまくいけば返していく。ひょうたんは生育環境によって同じ品種でも大きさや形が変わるので、他の人が育てたタネを育てるのは、どんな個体ができるのか分からなくて面白いではありませんか! タネの交換、オススメです。フェイ・ターンさんからお送りいただくタネ、ぬかりなく育てて来年に繋げられますように。でれろん。

(946日目∞ 3月13日)