藤村ちゅうらさんのひょうたんハンコ
by 丸黄うりほ
ご近所に住むデザイナーIさんから、こんなメールが来ました。「書道の先生から丸黄さんに素敵なプレゼントがありますよ。またご在宅の時教えてください」
Iさんは一緒に深川製磁のワークショップに行ったり(「ひょうたん日記」857日目)、誕生日のお祝いに自作ひょうたんハンコをくださったり(890日目)と、私のひょうたん狂いに呆れつつも大目にみてくださっている方。書道の教室にも通われていて、自作のハンコはその先生の篆刻ワークショップで作ったこと。また、先生のご自宅にはひょうたんがたくさん飾られているということを教えてくださったりもしていたのです。
先生のお名前は、藤村ちゅうらさん。フリーペーパーだった時代から「花形文化通信」を読んでくださっていたそうで、ウェブで復活した記事も見てくださっているとのこと。ありがたいことに、この「ひょうたん日記」にも目を通してくださっているのだそう。ただし、ちゅうらさんご自身がひょうたん好きというよりも、亡くなったお父様がひょうたんを作るのが好きだったらしい……と、Iさんから聞いていました。
Iさんが私に持ってきてくださった小さな包みのなかに入っていたのは、なんとちゅうらさんが作ってくださったハンコでした。
ひょうたん型のなかに、丸黄うりほの「黄」という文字が彫られています。しかも、その石が包まれていたのは、ひょうたん柄の布地でした。Iさんによると、その布もちゅうらさんのご自宅にあったアンティークなのだそうです。(写真①②)
なんという可愛いひょうたんハンコなのでしょう!名刺にぽんと押せば、「ひょうたん好き」をアピールするのにぴったり……!
直接お会いしたことがないのに、こんな素敵なものをいただいてしまって恐縮いたします。ありがとうございます!
その後Iさんに教えていただいてウェブサイトを拝見していたら、書の作品だけでなく、ハンコもたくさん作られていることを知りました。その素材も、石だけでなく木や陶器などもあるのですね。しかも、陶器のハンコのなかには、ひょうたん型をしたものもある!
「うわー、うわー素敵すぎる♡ ハンコのこと、ひょうたん日記に書いてもいいかしら?」とIさんに言うと、ちゅうらさんにご意向をうかがってくださり、さらにびっくりしたことには、たくさんのお写真まで届けてくださいました。
その一部をここにも紹介しますね!
写真③は、石のひょうたんハンコたち。なかには六瓢のハンコもあります。写真④は陶器のハンコたち。どれもこれもたまらん可愛さです。
写真⑤はちゅうらさんが使われている硯だそうですが、これもひょうたん型をしています!
さらに、写真⑥⑦⑧⑨をご覧ください。⑥の花生けとして使われている鶴首ひょうたんも、⑦の不思議な形をした長ひょうたんも、⑧の鎮座している大ひょうたんたちも、すべて先生のお父様が生前に育てて磨き、仕上げられたものなのだとか。⑨は廊下に飾られたひょうたんで、こんなふうにお家はひょうたんだらけなのだそうです。
ひょうたんは父の趣味で……とちゅうらさんはおっしゃっているそうですが、懐かしいお父様の思い出とともに、ご家族がひょうたんを大切にされていることが、お写真からじんわりと伝わってきます。
(913日目∞ 1月24日)