ああよかったなあ、またやりたいなあ

by 奥田亮

「中町ウォークラリー」でやって来た町内の子どもたち

吉田省念とyatchiによる歌とギターとピアノのツアー「音の津々」フライヤー。イラスト・デザイン natunatuna

スワロー亭でのライブ。(撮影:中島敏子)

11月26日(土)は、なんだか賑やかな日になりました。まずお昼過ぎからは、近所の子どもたちがドカドカとやってきました。スワロー亭のある「中町」の自治会の発案で、同じ町内に住みながら行く機会の少ないお店をスタンプラリーで回るという企画をしてくれたのでした。保護者のおかあさんたちと数人の子どもたちがひとつのグループになって、店内をぐるりっと見学し、スタンプを押して帰っていきます。みんな探検気分で楽しそうです。5、6年前にスワロー亭ができるまで、長らく本屋がなかった町なので、きっとはじめて本屋というお店に入ったという子どももいたことと思います。この子たちが大人になって、お客様になってくれていたらいいですね。

怒涛のように子どもたちが店内を駆け巡った喧騒の直後、やってきたのは京都から来たミュージシャン、吉田省念さんとyatchiさん。この日の夜、スワロー亭でお二人のライブが開かれたのです。ライブの計画は数年前からあったのですが、いろいろタイミングが合わず延び延びになっていました。そんな折、最近ちょくちょくお伺いしてご縁がつながった長野県伊那市にあるゲストハウス+色々の「赤石商店」さんから、一緒にライブの企画をしませんかというご提案をいただき、南信の伊那市から北信小布施と、長野県を南北に縦断するツアー企画が決まりました。この長野ツアーを皮切りに、吉田省念さんが関東2カ所と京都1カ所を加えて「音の津々」と題したツアー企画に。今回の長野を終え、今週末は関東2カ所で開催されます。お近くの方はぜひ。

スワロー亭でのライブは、このツアーのタイトルである「音の津々」をイメージにした即興演奏から始まりました。この演奏、なんかとてもよかった。お二人ともポップスの最前線みたいなところでも活躍しているわけですが、お二人が音楽の拠り所にしている芯のようなものが、この即興演奏に滲み出ているようで、とても印象に残ったのでした。ライブはその後、吉田省念さんのソロ、yatchiさんのソロと続き、最後にまたお二人で数曲。

お二人の飾らないお人柄が滲み出るようなやさしくゆるゆるとした時間が流れ、途中急に降り出した雨も、なんだか慈雨と呼びたくなるような温かさを演出してくれているようでした。来てくださったお客さまにも、滋味深い時間をご提供できたのではないかと思っていますが、どうだったでしょうね。スワロー亭でのライブ企画は、なんだかんだ大変なこともあって、ああもうこれで最後にしようか、と思ったりもするのですが、終わってみると、ああよかったなあ、またやりたいなあと思うのでした。

あれれ、今回の「でれろん暮らし」には、ひょうたんが出てこなかったなあ……。何かひょうたんにまつわることがあったかな、と思い返しましたら、一つありました。それも含めた近隣の瓢活については、また次回お披露目したいと思います。お楽しみに、でれろん!

あ、この花形文化通信の《インタビュー》では、ひょうたん博士、植物学者の湯浅浩史先生がご登場されています。これがめっぽう面白いので、ぜひお読みください。

(879日目∞ 11月28日)