日比谷花壇大船フラワーセンターでひょうたんに会う(2)
by 丸黄うりほ
きょうから3日間は、日比谷花壇大船フラワーセンターの「ひょうたん展」で見せていただいたひょうたん作品について順に報告していきたいと思います。
「ひょうたん展」はセンターの本館2階にある二つの部屋で開催されました。展示品は約100点で、その大部分は湯浅浩史先生の所蔵品です。一部は全日本愛瓢会会員の方々の作品も並べられていました。
全日本愛瓢会は、ひょうたんの栽培と加工の普及指導を行なっている特定非営利活動法人で、全国に会員がいる日本で最も権威のあるひょうたん愛好家団体です。現在、本部は埼玉県におかれているそうで、展示会場のひとつ「フラワールーム」は埼玉県支部に所属しているみなさんの作品で占められていました。
漆塗りやカシュー塗り、大小のひょうたんを組み合わせて作った作品など、趣向をこらした作品がぎっしり。全部はとても紹介しきれませんので、個人的に印象に残った漆塗りの作品の写真を1点だけアップしておきますね(写真①)。
メイン会場の「フラワーホール」には、全日本愛瓢会神奈川県支部の森本浩さんの所蔵品がたくさん並んでいました(写真②、手前2列)。森本さんは、ひょうたん駅で有名なJR御殿場線上大井駅の駅前で「ひょうたん博物館」をされている方だと思います。
では、ここでいよいよ、今回の展示品の中で最も目立っていた、ビッグスリーとでもいうべき大物の紹介にまいりましょう!
写真③をご覧ください。「フラワーホール」中央の壁の端から端までを占めていたのは、びっくりするほど大きなひょうたんたちです!
向かって右(写真④)のひょうたんは、胴まわり1メートル40センチ、高さ50センチ。日本ではオオマルユウガオ(大王)とも呼ばれるBushel-Barrowという品種で、もともとはアフリカのセネガルやマリのひょうたんなのだそうです。この特大瓢の横に、相似形の極小ひょうたんが写っているのがわかりますか?こちらは小丸豆瓢です。同じひょうたんなのに、こうやって比べると大きさの差がすごいですね!大王は徳島県の生藤嘉男さんが栽培され、現在は湯浅先生の所蔵品だそうです。
向かって左(写真⑤)のひょうたんは、高さ88センチ、直径43センチもある大瓢エースです。容量はなんと100リットル、隣に並べられた一寸豆瓢との大きさの差がすごいですね(写真⑥)。湯浅先生によると、大小ひょうたんの容積差は、なんと2万倍!同じ植物でこれほど大きさに差のある実がなるものは、ほかにまず類を見ないそうです。
大瓢エースという品種は、アフリカのBushelに似たひょうたんと日本の大ひょうたんを交配して作った品種。丸型とひょうたん型のひょうたんを掛け合わせると、二代目はツボ型のひょうたんが生まれるそうで、全日本愛瓢会の会長だった森義夫さんたちがひょうたん型が安定して出るまで交配をかさねて固定したものなのだとか。
展示品の大瓢エースの実を栽培したのは、後ろのパネルに写っている岐阜県の大林繁さんです。こうやってみるとその巨大さがよくわかりますよね!現在はこのひょうたんも湯浅先生の所蔵品となっています。
さて、ビッグスリーひょうたんの中央、いわば金メダルのポジションに堂々と横たわっていてるのが、長さ3.4メートルのスーパー長瓢です(写真⑦)。このひょうたんを栽培したのは愛知県の花井益夫さん。そして、なんと現在の持ち主は秋篠宮文仁皇嗣殿下でいらっしゃるのだとか!
というのも、殿下は大のひょうたん好き。じつは全日本愛瓢会の名誉総裁でもいらっしゃるのです。この「ひょうたん展」のために、大切なひょうたんを出品してくださったのですね。ありがたく拝ませていただきました。
(844日目∞ 10月5日)