盛り盛り!京都府立植物園のウリ科棚(西)
by 丸黄うりほ
昨日に続いて、京都府立植物園のウリ科植物棚からお送りします。きょうは西側の棚に移りましょう。
写真①は、東から西の棚を見たところです。この棚のいちばん端が写真②。しずくのような形をした鈴なりの実がぶらさがっていますが、このひょうたんの品種名がわかりません。蔓をたどってみましたが、このあたりはこんがらがっていて、どの苗から伸びているのか断定できませんでした。
西の棚の中央付近にあり、最も目立っていたのが写真③のひょうたんです。濃い緑色をしたつやつやボディは、高さ60センチほど。これもしずくのような形で、でっぷりとしたお尻をカゴの上にのせ、ゆうゆうと鎮座しています。ひょうたんマニアと自負しているつもりの私も、この品種は初めて見ました。プレートには、大寿と書かれています。大寿という名前のひょうたんがあるのは知っていましたが、もっと表皮が白っぽく、平均的なひょうたん型をしていると思っていました。なるほど、こんなひょうたんだったのか!
写真④のひょうたんも初めて見る形でした。蔓をたどっていくと、明日香美人という品種のひょうたんとつながっていたのですが、どうも私の知っている明日香美人とは違う。形は明日香っぽいけど、白い班を持つ濃い緑色の表皮は外来ひょうたんによく見られるパターンです。
……と思ったら、隣にマクラという品種のプレートがあり、もしかしたらこれはマクラと明日香美人が交雑したんじゃないかという気がしてきました。マクラは、その名の通り、筒型のまくらのような形をしたひょうたんで、表皮が白斑のある濃い緑色です。それとも、こんな細長い形をしたマクラもあるのでしょうか?
その隣には、どどーんと存在感のある大型のひょうたんが座っていました。高さ1メートルほどもある見事な大瓢エースです。プレートにある「ラゲナリア」というのはひょうたんの学名。まさにひょうたんの王様。このひょうたんもおそらく重過ぎたのか、蔓が切れて地面に置かれていました(写真⑤)。
さて、ウリ科植物棚のなかでひときわ異彩を放っていたのが、写真⑥⑦です。大きさは15センチから25センチほど、ツボ型で平たいものから長いものもありますが、他のひょうたんにはない際立った特徴は皮の表面にイボがいっぱいあること!イボの出方は実によって違っていて、とても面白い!
これはイボひょうたんと呼ばれる品種だな……とプレートを確認すると、そこには梵鐘と書いてありました。6月に来たときに「梵鐘ってなんだろう? 知らない品種だな」と思ったのですが、イボひょうたんの別名だった?または梵鐘がイボひょうたんの一種だということでしょう。
梵鐘(イボひょうたん)って、収穫後水つけして皮をむき、乾かしたらどうなるのでしょう?このイボイボは残るんでしょうか?珍しいひょうたんだからタネの入手が難しそうだけど、いつか育ててみたい品種です。
ウリ科植物棚の西端には、写真⑧のように長ひょうたんが4本ぶら下がっていました。いちばん長いもので2メートルほど。先っぽをくるくると巻いたおもしろい形のものもあります。蔓とまだつながっている実もありましたが、蔓と切り離して麻紐でぶら下げてあるのもありました。
植物園なので、見やすいように保護袋などを被せずに栽培されていましたが、皮の表面は美しいし、特大瓢以外は蔓も切れずしっかりしていて健康そう。葉もまだまだ緑色です。そして目がチカチカするくらいににぎやかで、盛り盛り!私は、さすがプロのお仕事だなと感心しながら、たくさん写真を撮りました。
(833日目∞ 9月16日)
※9月19日(月・祝)の奥田亮「でれろん暮らし」はおやすみです。
次回834日目は丸黄うりほ「ひょうたん日記」、9月20日(火)にアップします。