ナガユウガオは、花も実もほぼひょうたん!

by 丸黄うりほ

①天に向かって伸びる百成ひょうたん「ロイちゃん」

②ナガユウガオ「ナーガちゃん」の花

③花びらの下のふくらんだところが実になります

④約25センチに成長したナガユウガオの実

⑤カラフルに着色されたこれは……

⑥おじいちゃんのひょうたん!

大阪府和泉市にお住いのヒョータニスト・ヤマミーさん。植物を育てるのがじょうずな人のことを「緑の指の持ち主」などと言ったりしますが、私から見てヤマミーさんは、まさに緑の指の人。

私などは何年やっていてもひょうたんの苗作りに手こずっているんですが、ヤマミーさんは初心者だった去年から一目で健康だとわかる苗を作られていました。定植した苗もすべていい実をつけ、やっかいな病害の気配もなし。撮って送ってくださる写真や、SNSにアップされている写真も観察が行き届き、ひょうたんへの愛があふれています。

5月に定植した千成ひょうたんと百成ひょうたんは今年も順調で、屋根を越えて伸びているようです。写真①は百成の「クワちゃん」。「摘芯も受粉も手が届かなくなったので、見守る。気持ち良さそう」と、ヤマミーさん。本当に、青空に向かって伸びる蔓が、気持ち良さそう!

今年はひょうたんのほかに、ナガユウガオの栽培にも挑戦。その花が咲き、実がつきだしたということで、きょうはそちらも紹介させていただきましょう。

まず写真②をご覧ください。こちらがナガユウガオの雌花だそうです。見たところ、花の形も花びらの色もひょうたんとまったく同じ。花が開くのは夕方で朝方になるとしぼむというのも同じです。ひょうたんの花には上品で爽やかな芳香があるのですが、香りについてはどうなのでしょうか?

写真③は受粉の翌日でしょうか。花びらの下にある子房と呼ばれる部分が、やがて実になる部分。ここが千成や百成など標準的な形のひょうたんは最初からひょうたん型をしているのですが、ナガユウガオの子房の形は、くびれのないひょうたんであるマクラやイプに似た形です。

そして写真④が約25センチに育ったナガユウガオの実です。これはまだ大きくなるのかな?それともこの大きさでストップでしょうか。

こうして写真を見せていただいた限りでは、ナガユウガオの花も実もひょうたんとほぼ同じに見えます。それもそのはずで、ユウガオとひょうたんは学名も同じ。隣に植えると交雑してしまうくらい近い植物なのですが、違うのは食用になるかならないかということ。

ナガユウガオは食用で、沖縄や台湾では炒め物などにして食べるのだそうです。ヤマミーさんも食べてみたいと思ったそうですが、別の目的があるので今回は我慢。目的というのは、以前もここで紹介した「吸いふくべ」の実験です。

ひょうたんを使ったお灸である「吸いふくべ」については、「ひょうたん日記」641日目642日目に詳しく紹介しています。このナガユウガオも収穫後には「吸いふくべ」の実験に使われるはず。今から心待ちにしていましょう!

さて。最後に紹介する写真⑤と⑥は、いったいなんだと思いますか?

そう、どちらもひょうたんです。塗料でカラフルに着色されていますね。これは、ヤマミーさんの旦那さんのご実家の片付けで出てきたものなのだそうです。ぜんぶ、おじいちゃんが作って飾ってらしたもの。

しまい込まれて数十年はたっているようですが、当のおじいちゃんはきっと大切にされていたのでしょうね。ヤマミーさんに引き取ってもらい、明るいところに出してもらえて、ひょうたんたちも笑っているように見えます。

「空の上からひょうたん栽培をあたたかく見守ってくれたらうれしいなぁと思います」と、ヤマミーさん。

まったく同意。おじいちゃん、どうぞよろしくお願いします!

(799日目∞ 7月29日)

 

※次回800日目は奥田亮「でれろん暮らし」、8月1日(月)にアップ。

801日目は丸黄うりほ「ひょうたん日記」、8月2日(火)にアップします。