福岡県糸島市「カラヴィンカ農園」便り
by 丸黄うりほ
梅雨が明けて、いよいよ夏本番。ひょうたんにとっても本番の季節がやってきました! きょうは福岡県糸島市の「カラヴィンカ農園」から届いた、うっとりするほど美しいひょうたん写真を紹介します。
「迦陵頻伽(カラヴィンカ)」は、ひょうたんを栽培し、そのひょうたんでスピーカーやランプ、オブジェなどを作ってらっしゃる龍石修さんのアトリエ。この「ひょうたん日記」では、4月21日と、22日にレポートしています。私が「迦陵頻伽」におじゃました季節はまだひょうたんの栽培が始まっておらず、農園の見学は果たせなかったのですが、6月1日の「ひょうたん日記」で、今年初めてひょうたん栽培にチャレンジしている光澤大志さんが「カラヴィンカ農園」に行って定植のお手伝いをし、苗をもらってきたこと。また、光澤さんが撮ってきてくださった定植時の農園の様子を紹介しています。興味のある方は、ぜひそちらも参照してくださいね。
定植時の写真を見ただけで、「こんなに美しい畑なら、いいひょうたんがたくさん実るのも合点がいくわ……」と思ったのですが、「カラヴィンカ農園」は光澤さん撮影の畑以外にも何箇所かに分かれてあるそうで、それらの畑で1年間にだいたい1000個ものひょうたんを収穫されるのだそうです。
「カラヴィンカ農園」では、できるだけ自然に近い状態で有機栽培をされているのも特徴です。品種にはあまり強くこだわってらっしゃらないので、育っているひょうたんたちは、いわばハイブリッド。そのためかアトリエに並ぶひょうたんたちには、いろんな形のものがありました。比較的多く見受けられたのは、少しスリムで背の高い、優美な30センチくらいのひょうたんです。私はそれに「カラヴィンカひょうたん」と名づけたいような気がします。
前置きが長くなってしまいましたが、お写真の紹介をしていきましょう!
まずは写真①②③をご覧ください。可愛い雌花、これは龍石さん自身が撮影し、5月31日に私にメールで届けてくださったものです。雌花の形から、もうすでに前述の優美な「カラヴィンカひょうたん」の特徴がはっきり出ていると思います。葉脈のたくましさ、太陽を遮るものがなにもない青い空。羨ましい環境で、いきいきと育っているのがよくわかりますよね!
写真④⑤は、6月28日に撮影されたもの。受粉に成功したひょうたんたちが、ぐんぐんと大きくなりかけている成長途中です。④に比べると⑤のほうは少し成長が早く、ひょうたんの形が定まってきていますね。いい形のひょうたんがたくさんなっています。少しふとっちょなのや、ほっそりしたのも後ろの方に写っています。まるで天国のよう。この写真の緑世界のなかに潜り込みたい!
撮影者である龍石さんが、ひょうたんを深く深く愛してらっしゃるのだということが伝わってきたのが、写真⑥⑦です。そう、これは……巻きひげです。ひょうたんの巻きひげが描くらせん形は、二つと同じものがなく、まさにアート!龍石さんは⑥のようなクローズアップ写真をたくさん入れてくださっていたのですが、本当は全部を紹介したい。というか、巻きひげだけで写真集を作れるのではないかと思うくらい素敵でした。
⑦を見ていると、巻きひげたちが音符のようにも見えます。なにか会話をしているような、音楽を奏でているような感じすらしますよね?
(780日目∞ 7月1日)
※次回781日目は奥田亮「でれろん暮らし」、7月4日(月)にアップ。
782日目は丸黄うりほ「ひょうたん日記」、7月5日(火)にアップします。
- 丸黄うりほ ∞ ライター・編集者。ひょうたんをタネから育て、その実から音の出るものを自作し、演奏する楽団「ヒョウタン総合研究所」立ち上げ所員。ソロで「オール電化ひょうたん」としても活動中。ひょうたん栽培歴は15年ほどになるが、畑がないので毎年マンション(大阪市北区)のベランダでプランター栽培している。「花形文化通信」では、ほかにインタビュー記事を担当。
- 2022年度ヒョータニスト(ひょうたん栽培&加工に挑戦中のみなさん。随時追加していきます)∞ ふじっこさん(三重県いなべ市)、フェイ・ターンさん(東大阪市・瓢箪山)、ヤマミーさん(大阪府和泉市)、森野ゆかりさん(奈良市)、光澤大志さん(熊本市)、中野由紀昌さん(福岡市)、金森幹夫さん(三重県名張市)、KFさん(東大阪市)、美佐子さん(大阪市・フレイムハウス)、西山朝子さん(大阪市・ウーピーキッチン)、モリカワさん(神戸市)、杉浦こずえさん(大阪市・愛知県安城市)、塚村編集長