ひょうたんとタチアオイ、ヤマミーさんの考察
by 丸黄うりほ
5月18日の日記で、苗の定植の様子をお伝えしていた2年目ヒョータニストのヤマミーさん。約1カ月ぶりにひょうたんたちの様子をお知らせいただきました。
写真を見ると、じつにおみごと!どの苗も葉はいきいき、蔓もいい感じに伸びています。花もどんどん咲き始めて、今年も実がたくさんなりそうな予感です。あまりにもうまくいってるので、私は「どうやったらヤマミーさんみたいに上手に育つんでしょうか?コツを教えてください!」と頼み込んでしまったほど。
いただいた返信によると、今年は苗作りに「サカタのスーパーミックスA」という培養土を使ったのだそうです。あと、去年あまり育たなかった場所での栽培は避け、家屋の東と南側にプランターを置いていることなどを教えてくださいました。やはり方角、つまり日当たりの良さは最重要事項ですね。そして、ブランド土。栽培の要はやはり土なんだな、と改めて思います。
写真①は、「サイちゃん」と「クワちゃん」です。定植時には千成だと思っていたそうですが、育ってくると葉が大きいので百成だったかもしれないとのこと。逆に②は、千成かもしれない「ロイちゃん」。百成だと思っていたのでタイ語で「100」の意味を持つ「ロイ」と名付けたそうですが、葉がやや小さめでした。実がなれば、どっちがどっちかはっきりするかな?
写真③は、ひょうたんと交雑しないように少し離れた場所で栽培しているナガユウガオの「ナーガちゃん」です。千成、百成に比べるとこちらは成長が少しゆっくりしているようですね。しかし、茎も太いし花芽もついてきているのでこれからに期待したいと思います。
さてさて。ひょうたんの隣で、今年ヤマミーさんが鋭意栽培している植物が写真④のタチオアイなのです。
ひょうたんとタチアオイに一体どういう関係があるのでしょうか?
ヤマミーさん曰く、この二種類の植物は、花相撲の由来に関係があるそうなのです。
花相撲といえば、親善相撲やトーナメント相撲などの本場所以外の相撲のことをいうのかなと私は思っていたのですが、その由来が奈良時代から平安時代にかけて行われた宮中行事の相撲節会(すまひのせちえ)にあったとは知りませんでした。その頃、相撲は七夕の行事の一つだったらしいです。当時の相撲節会では、東の力士が勝つとアオイの花、西の力士が勝つとひょうたん(ユウガオ)の花を、それぞれ自分の髪にさして退場したのだそうです。
アオイの花は朝日をあびながら開き夕方にはしぼんでしまう。ひょうたんの花は逆に夕日をあびながら開き、朝にはしぼんでしまいます。東からのぼる朝日の象徴がアオイで、西にしずむ夕日の象徴がひょうたん。それが「陰陽」の対になっていることにヤマミーさんは気づいたのです。
ならば、アオイとひょうたんの花の両方が「髪にさせる=咲いている」時間帯とはいつなのだろう?七夕の日の、両方の花が咲き揃う時間帯に花相撲が執り行われていたとしたら、それは何時頃だったのだろう?とヤマミーさんは疑問に思いました。
そこで、両方の植物を実際に育てながら開花時間をチェックしてみることにしたのだそうです。折しも、ひょうたんたちは花の季節(写真⑤⑥⑦)。今までのところ千成は18時ごろ咲きはじめ翌日のお昼前にしぼむ。百成は17時ごろ咲きはじめ翌日10時ごろにしぼむことがわかりました。ただし、旧暦の七夕(今年は8月4日)ごろには花咲く時間帯が変わるかもしれません。
タチアオイのほうはひょうたんよりも生育が遅く、まだ花は咲いていないようです。旧暦七夕には花を咲かせているでしょうか?
「大人の自由研究です」と謙遜しながらおっしゃるヤマミーさんですが、目の付け所が素晴らしいですよね!そういえば、ひょうたんの開花時間について私は今まできちんとチェックしたことがありませんでした。でも、ヤマミーさんの研究に沿う形で、今年は私もチェックしてみようかなと思います。我が家の千成「ネルウァ」にはまだ花の気配はまったくないのですが。
(769日目∞ 6月16日)