ひょうたんは勝利の印!豊臣秀吉の五月人形

by 丸黄うりほ

①端午の節句会。武者人形がいっぱい!

②こちらが、豊臣秀吉の五月人形です

③千成ひょうたんの馬印

④こちらは御所人形、秀吉見立て

⑤ひょうたんは漆作家・栗本夏樹さんの作品

⑥ひょうたん型の小物入れ。お弁当箱をしまう箱にもひょうたん透かし

⑦ひょうたんモチーフの蓋付珍味入れ

⑧ひょうたん柄のミニ重と戦争漫画のらくろ柄の漆入れ子弁当箱(撮影:イベールさん。①〜⑧の写真すべて)

大阪市中央区で画廊を営むイベールさん主催の、端午の節句会に参加してきました。以前、「ひょうたん日記」でも七夕と重陽の節句会に参加したことをお伝えしていましたが(557日目の日記、593日目の日記)、端午はひょうたん好きにとって本命であります。

というのも、昨年の端午の写真にひょうたんが写っていたことから、その写真をSNSにアップされていたRICAさんにイベールさんの節句会のことを教えてもらったことが、そもそもの始まりなのです。私としては1年間、この日を待っていたという感じ。

端午の節句は重陽などに比べてメジャーなので、いまさら説明するまでもないとは思いますが、もともとは菖蒲を供える日でした。それが武士の時代になって尚武(しょうぶ)と同じ音であること、菖蒲の葉が刀を連想させることなどから男子の成長と健康を祈る節句になったといわれています。

五月人形には、神武天皇、金太郎、弁慶と義経などいろんな人物を象ったものがありますが、そういったモチーフとなる人物のなかに豊臣秀吉もいるんですね。そして、豊臣秀吉といえば、もうこの日記の読者のみなさんにはすっかりおなじみ、千成ひょうたんの馬印です。豊臣秀吉が戦に勝つたびに増やしていったといわれているひょうたんは、そのことから勝利の印ともなったのです。

写真②はその豊臣秀吉の五月人形です。写真③は秀吉の馬印である千成ひょうたん。そして、写真④は、秀吉見立ての御所人形。桐の紋のついた腹掛け、秀吉が愛用していたといわれる唐冠を被り、手にはひょうたんを持っています。写真⑤で人形のうしろにあるのも唐冠で、手前には漆作家・栗本夏樹さんによるひょうたんのオブジェが飾られ、この一画が「秀吉コーナー」になっていました。

さらに、勝利の印・ひょうたんは、戦前・戦中の陶器や茶道具、小物入れなどのモチーフとしてもひんぱんに登場。今の時代ではひょうたんマークといえば六瓢息災(無病息災)を表すことが多いですが、時代によって意味もいろいろと付加されていくものなのでしょうね。

今回も、イベールさん所蔵の節句飾りや素敵な道具類をたくさん見せていただき、詳しい解説もしていただいて、まことに眼福でございました。

(755日目∞ 5月27日)

 

※次回756日目は奥田亮「でれろん暮らし」、5月30日(月)にアップ。

757日目は丸黄うりほ「ひょうたん日記」、5月31日(火)にアップします。