赤ひょうたんには会えなかったけど

by 丸黄うりほ 

①赤ひょうたん付きの破魔矢(中野由紀昌さん撮影)

②散り始めの桜がきれいでした

③愛宕山からの眺望。福岡タワーも見えます!

④愛宕桜まつりを開催中

⑤おみくじの種類がすごく多い!

⑥「六瓢箪」は出ませんでした

 先週に続いて今週も福岡のひょうたんスポットレポートをお届けします。

今回の旅のナビゲーターでもある中野由紀昌さんが営む「Edit Office 瓢箪座」は、今年の2月3日に14周年を迎えられました。フェイスブックの「瓢箪座」ページで、その記念日にアップされていた写真が①です。赤いひょうたんが付けられた破魔矢。ちゃんと本物のひょうたんで、可愛い!

これは一体どこで授与していただけるのか気になって尋ねてみると、愛宕神社とのこと。

愛宕神社というと、関西人の私は京都市右京区の山のてっぺんにある神社を思い浮かべるんですが、なんと愛宕と名のつく神社は全国に900社もあるのだそうです。そのなかでも有力な神社が日本三大愛宕と呼ばれているらしく、福岡市の愛宕山(鷲尾山)にある神社はそのうちの一つなのだとか。

というわけで、破魔矢をいただきたくて「愛宕神社にも行ってみたいです」と私が言うと、中野さんは「行きましょう!」と快諾してくださいました。車は糸島市から再び福岡市へ。

「でも、破魔矢ってお正月の縁起物だし、今はおいてないかもしれませんね」と中野さん。ああ、そうでした。でも、太宰府天満宮の「厄晴れひょうたん」は節分でなくても授与していただけたし、もしかしたら……。

愛宕神社のある土地はとても不思議な雰囲気のところでした。というのは、平坦な道路から閑静な住宅街へ入るとすぐ急勾配の坂になって、その頂上が愛宕山。町のなかにあって、そこだけぽこっと隆起したような感じなのです。参道の桜がほろほろと散り始めていてとてもきれいでした。(写真②)

なかなかきつい階段を登りきると、すごい見晴らし!まさに天然の展望台です。室見川の向こうに博多湾、そして博多の街がくっきり。いちばん背の高い、先端の尖った建物が福岡タワーです。(写真③)

あまりの景色の見事さについ写真を撮り忘れてしまったのですが、本殿も立派。その前では「愛宕桜まつり」が催され、「さくらさくら」が流れていました(写真④)。しかし、社務所で尋ねてみると、破魔矢はこの季節にはもうありませんでした。ああ、やはり。残念。

境内を見渡すと、いたるところにおみくじの箱がおいてありました。この神社にはなんと16種類ものおみくじがあるのだとか。これだけあれば、ひょうたんが見つかるのではないか?と思ってよく見ると……(写真⑤)

……「開運・招福お守り入りおみくじ」に封入された縁起物のなかに、ひょうたんが見つかりました!縁起物は、熊手と小判・招き猫・小槌・無事かえる・だるま・六瓢箪・お多福・軍配うちわの8種類。六瓢箪は無病息災をかなえてくれるという、おなじみのご利益です。

さっそくおみくじを引いてみました。私が授かった運勢は中吉で、お守りは熊手と小判。ご利益は運・財。なんとありがたい!

赤ひょうたんの破魔矢には会えず、六瓢箪は引き当てられませんでしたが、福岡の街を高いところから一望できる絶景は、得難い旅の思い出になりました。

(736日目∞ 4月26日)