太宰府天満宮の厄晴れひょうたん⑤
by 丸黄うりほ
先週火曜日からレポートしてきた、福岡県の太宰府天満宮の「厄晴れ厄よけ ひょうたん祭り」。きょうはいよいよその最後の報告です。
お祭りの前日、前のりして境内にある「ひょうたん掛け所」を見に行った私たちでしたが、残念なことに、ほとんどのひょうたんが焼かれるためにすでに回収されてしまった後でした(4月6日のひょうたん日記)。私ががっくりしていると、同行者の瓢箪座・中野由紀昌さんが、節分の時に撮ったひょうたん盛り盛りの写真を後日送ってきてくださいました。それが写真①です。
すごいですよね!もう掛けるところがないほどぎっしりと吊るされています。まさに鈴なりひょうたん!
中野さんによると、これらの千成ひょうたんは、大分県の宇佐市でつくられているのだとか。さすが中野さん、九州のひょうたんのことならすみずみまで熟知していらっしゃいます。その宇佐のひょうたん工房も、いつか機会があれば見学してみたいなあ。
太宰府天満宮で厄晴れひょうたんを授与していただけるのは節分だけなのかなと思っていたら、この日も授与所で「厄除ひょうたんセット」なるものが見つかりました(写真②)。本来は厄年の人が授与してもらうものだそうですが、ここはそうでなくてもいただいておかなくては……ということで、私は気に入った形のひょうたんを大阪の自宅まで連れて帰ることにしました(写真③)。
金字で表に「祈 厄晴れ」、裏に「太宰府天満宮」と書かれた千成ひょうたんには赤い紐が結わえられ、フタを取るとよく知った瓢臭がぷーんと漂ってきます(笑)。白い短冊には願い事を書き、小さく丸めてひょうたんの中に入れるのだそうです。赤色の「厄除瓢箪守」も入っており、厄晴れと厄よけがちゃんとセットになっています。
栞には、太宰府天満宮と瓢箪の縁が詳しく書かれていて、とても勉強になりました。その一部を抜粋すると……。
「天神さまが、こよなく愛された梅の木の下で、「瓢箪(ひょうたん)酒」を飲めば、不思議に難を免れる」「神聖な瓢箪に厄を封じ込め、神苑の梅の木の下で酒を酌み交わすと厄が晴れる」
「当宮の末社にある福部(ふくべ)社は、江戸時代に水難除けの社として信仰を集めた」「瓢箪をはじめ、瓜科のものは水を多く含みますので、火難除けの信仰もあり、太宰府天満宮の御本殿の化粧棰(たるき)には、多数の瓜紋が配列してあります」
御本殿の化粧棰(たるき)の瓜紋には気がつきませんでした。今度行く機会があったら確認しなくては。
節分厄よけ祈願大祭は節分を中心に一週間で、申し込んだ人は本殿にて祈願していただけるようです。願い事を書いて封じた厄晴れひょうたんは一年間家庭で祀り、「厄晴れ厄よけ ひょうたん祭り」のときに持参して焼き納めてもらうのが正しい作法のよう。
厄年は数え年で男性が25歳、42歳、61歳。女性が19歳、33歳、37歳、61歳。それだけかと思っていたら、それは大厄のことで、じつはもっとあるのだということが栞に書かれた表でわかりました。女性の場合10代に2回、20代に2回、30代に3回、40代に3回、50代に3回ある。しかも前厄と後厄もあるから、全部あわせると厄年に当たらない人のほうが少ないくらいでは?調べると自分もしっかり前厄に当たっていました。
「厄晴れ厄よけ ひょうたん祭り」レポはこれで終わりですが、このあと私は中野さんに、他にもある福岡のひょうたんスポットに連れて行ってもらいました。また日を改めて紹介していきますね!
(727日目∞ 4月13日)