完成ひょうたんと、ひょうたん仕舞いと
by 丸黄うりほ
2月22日(700日目)の「ひょうたん日記」で、イプ「ドミティアヌス」の先成りの実4個が乾燥に入ったことをお伝えしていました。予想していた通り、皮が厚いのとタネがなかに大量に残っていたため時間がかかり、すっきり乾いたなと感じられたのは今週に入ってから。
実を振ってみると、なかのタネがカラカラと高めの音を立て始めたので、ようやく乾いてきたことがわかりました。4個とも、水のしずくを思わせるとてもいい形のひょうたんです。へこみのある実もありますが、それがまた面白くていい。現在まだ水につかっている後成りの実3個の乾燥が終わったら、全7個を集合させて自分ひとりの品評会をやろうと思います。
さて。昨年4月にタネまき、5月に苗の定植をして、年を越して今年の2月まで。だらだらと引っ張ってきた「ドミティアヌス」の栽培でしたが、先日ようやく「ひょうたん仕舞い」に着手しました。
「ひょうたん仕舞い」のポイントは、なるべく前年の残滓をなくすこと。なぜかというと、ひょうたんには連作障害が出るのです。連作障害というのは、同じ土で連続して栽培をすると土の成分バランスが崩れて病気などになりやすくなるという症状。我が家はプランター栽培なので、土を入れ替えてしまえば問題ないだろうと数年前までは思い込んでいました。ところが、害虫の卵や病気を引き起こす菌がプランターやネットなどにわずかに残っているだけでも連作障害にかかるのだということを身をもって体験しました。具体的にはつる割れ病です。この病気にかかると、ひょうたんは一夜で枯れてしまいます。
というわけで、たとえプランター栽培であっても「ひょうたん仕舞い」に手を抜いてはいけません。
まず、使っていたネットは、からみついた蔓と一緒にはがして全部捨てました。使っていた土もゴミとして処分しました。からっぽになったプランターや、ラティス、支柱、底敷き板などの資材、さらにベランダそのものも、できる限り水洗いして汚れを落としました。
土の処分をするときには、「ドミティアヌス」の根を観察。ひょうたんの蔓や葉、花や実の観察は栽培中にも行えますが、根の観察ができるのは栽培終了後の今だけなんですよね。
根は人体でいうなら頭や脳に当たります。いわば植物は逆立ちして、頭を下にして生きている。「ドミティアヌス」の根は太く、プランターの端までいっぱいに広がっていました。雄花ばかり咲いて雌花がものすごく少なかったという偏りはありましたが、結局大きな実を7個もつけてくれた。とても健康で、頭のいいひょうたんだったということが、根をみるとわかります。
よく頑張ったね「ドミティアヌス」! 一年間楽しませてくれてありがとう!
昨年はこの段階ですべての資材の消毒を行い、さらに次のひょうたん「ドミティアヌス」の栽培を開始する直前にも、もう一度消毒をしました。また、苗そのものも消毒してから植え付けました。その結果、「ドミティアヌス」には一年を通じてつる割れ病など伝染病の兆候はみられませんでした。
今年は資材の消毒を一回だけにしようか、やはり二度消毒したほうがいいだろうかとただいま考え中です。
(716日目∞ 3月17日)